永岡桂子文部科学大臣記者会見録(令和4年11月1日)

令和4年11月1日(火曜日)
教育、科学技術・学術、文化、その他

キーワード

児童虐待の根絶に向けた大臣メッセージ、「風流踊」のユネスコ無形文化遺産登録の勧告、文部科学省寄附ポータルサイトの開設、教育分野におけるマイナンバーカードの活用、イプシロンロケット打上げ失敗の原因究明、文化庁の体制強化、政策研究大学院大学でのシステム障害

永岡桂子文部科学大臣記者会見映像版

令和4年11月1日(火曜日)に行われた、永岡桂子文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和4年11月1日永岡桂子文部科学大臣記者会見

令和4年11月1日永岡桂子文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

永岡桂子文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 冒頭、私からは3件ございます。
 1件目でございます。本日の閣議で、厚生労働大臣より協力要請がございましたが、11月は「児童虐待防止推進月間」となります。子供たちへの虐待は、成長と人格形成に深刻な影響を与えます。児童虐待により子供たちが傷つくことは何としてもなくさなければなりません。そこで、今年の月間に向けた、昨年度に引き続きまして、私から全国のご家庭・学校・地域の皆さま、また、全国全ての子供たちに対しまして、児童虐待の根絶に向けましたメッセージを発信することといたしました。文部科学省のホームページ等を通じまして発信する予定でございます。児童虐待の防止には、家庭・学校・地域が一丸となって取り組むことが重要でございます。全国の関係の皆さま方におかれましては、この月間を機にですね、児童虐待の防止に向けまして、改めて徹底した取組をお願いしたいと思っております。マスメディアの皆さま方におかれましても、児童虐待防止の広報、そして、啓発につきましてどうぞよろしくお願いいたします。
 2件目でございます。ユネスコの無形文化遺産に提案をしておりました「風流踊」が、評価期間におけます事前審査におきまして、登録にふさわしいとの勧告を受けました。この提案は、盆踊や念仏踊など、我が国の各地で多彩な姿を持ちまして伝承されている民俗芸能でございます。地域の歴史ですとか風土を反映をいたしまして、地域の活力の源として大きな役割を果たしていることが評価をされたわけでございます。今後は、11月28日から12月3日にモロッコのラバトで開催されます政府間委員会で正式決定される予定でございます。引き続きまして、登録に向けて最善を尽くしてまいりたいと思っております。
 そして3件目になります。はい、よろしくお願いします。文部科学省では、当省の施策を民間資金の活用によりまして一層推進するために、「文部科学省寄附ポータルサイト」を本日開設をいたします。このサイトは、当省が所管いたします研究機関や博物館、高専などが発案をした、「人」や「未来」にフォーカスを当てた魅力的なプロジェクトを掲載をいたしまして、国民の皆さま方からの寄附を募るものでございます。なお、このサイトの設置は、省内の有志の若手職員などの企画によりまして進めて参りました。あなたの一押しと、これで未来を変えよう、「あなたの『一押し』で未来を変えよう」という言葉を合言葉にいたしまして、国民の皆さま方に、学生さんや研究者、そして最先端の研究開発等を応援していただくとともにですね、所管法人の取組をアピールをし、そして理解・共感を増やしていきたいと考えている所存でございます。どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございます。以上です。

記者)
 1問だけ、よろしくお願いいたします。マイナンバーカードについてお聞きできればと思っております。マイナンバーカードにつきましては、健康保険証との一体化の方針が打ち出されるなどですね、主に社会保障分野で活用の場を広げようということで、政府として準備を進めるとともに取得の推進をしているところだと思うんですが、教育現場に関して、マイナンバーカードの活用なんですけれども、例えばマイナンバー自体ということであれば、学習履歴との紐付けみたいなプランがあったりとかですね、いくつか話題になったことがあったかと思うんですが、マイナンバーカード自体の活用という意味では、そんなに今まで話題として出ることがなかったのかなというふうに記憶しております。大臣のお考えでもよろしいんですけれども、マイナンバーカードをですね、教育現場で活用する、何か方向性とか案みたいなものがもしあれば教えていただければと思います。

大臣)
 今、教育分野におけますマイナンバーカードの活用方法ですね、方向性について、お聞きでございます。昨年12月に閣議決定をされました「デジタル社会の実現に向けた重点計画」におきまして、マイナンバーカード利活用の推進方策の1つといたしまして、「学習者のID」と、そして「マイナンバーカードの紐付け等、転校時等の教育データの持ち運び等の方策」を検討いたしまして、「希望する家庭」、そして「学校における活用を実現」と示されております。文部科学省では、現在、本計画を踏まえまして、調査研究事業において、教育分野に関しますマイナンバーカードの活用方策やその可能性について、検討を行っているところでございます。検討に当たりましては、あくまで希望する家庭・家族(注)が任意で活用できる仕組みとすること、それから、個人情報の保護に十分に配慮すること、活用する方にとって、まずは便利であり得ること、便利であり役立つことですね、などに留意をする必要があると考えているところでございます。以上です。
(注)「家族」と発言しましたが、正しくは「学校」です。

記者)
 冒頭発言にあった児童虐待とそれを防止していくためのですね、学校と福祉の情報共有の必要について伺いたいと思います。この児童虐待やいじめ・不登校の問題というのは、子供たちは自分からなかなか言い出せないので大人の側から気付いてあげないといけないと、そういうアウトリーチ型の支援というのが必要だというのが専門家の意見で多いですし、文科省やこども家庭庁の有識者会議なんかでもよく出てきます。ただ、そのとき必要になるのが、学校と福祉部門の情報共有ということで、かなりそれぞれの家庭の個人情報に近いところも含めて、福祉部門と家庭、学校がですね、情報共有していかないといけないと。しかし、実際にこれをやっている自治体というのはごく一部であって、成果は上がっているんですけれども、なかなかそれが広がっていかないという現状があります。その中で、自治体任せにしているとなかなか広がりませんので、このアウトリーチ型の支援を実現するために、学校と福祉部門の情報共有を進めることについて、大臣はどのようにお考えかということと、あと、例えばこども家庭庁と連携して、自治体宛にそうした連携を進めるような通知等の、発出等の働きかけなどをするお考えはあるんでしょうか。

大臣)
 児童虐待の恐れのある事案につきましては、児童虐待防止法に基づきまして、学校と児童相談所や警察等ですね、の関係機関としっかりと連携をして情報共有を図って対応するということが大変重要だというふうに認識をしております。このため、文部科学省は、教育委員会、そして学校に対しまして、スクールソーシャルワーカーの利活用ですね、活用等による日頃からの関係機関との連携促進ですとか、要保護児童対策の地域協議会(注1)というものがございますので、ここを通じた児童相談所等と定期的に必要な情報共有をすることなどについても、これは「学校・教育委員会向けの虐待対応の手引き(注2)」に明記をして方針を示しているほかですね、「学校現場におけます虐待防止に関する研修教材(注3)」というのも作成をしておりまして、そして周知をし、そして適切な対応の徹底を図っているところでございます。文部科学省といたしましては、学校・教育委員会と関係機関の日頃からの連携や必要な情報提供の実施が徹底されるように、関係省庁と連携をして取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
(注1)「要保護児童対策の地域協議会」と発言しましたが、正しくは「要保護児童対策地域協議会」です。
(注2)「学校・教育委員会向けの虐待対応の手引き」と発言しましたが、正しくは「学校・教育委員会等向け虐待対応の手引き」です。
(注3)「学校現場におけます虐待防止に関する研修教材」と発言しましたが、正しくは「学校現場における虐待防止に関する研修教材」です。

記者)
 これ、文科省の調査研究会議なんかでも出ていることですけれども、そういう大きな国の方針があっても、なかなか現場の自治体は、個人情報の共有になるので、とても扱いがナーバスで、結構自治体は慎重になるところが多くて、なかなか実態が進まないと思うんです。このところはどうお考えですか。

大臣)
 それはですね、いろいろ問題点がある、今おっしゃるように、個人情報のことがあるということもありましょう。しかしながら、やはり児童虐待、これはやはり根絶しなければならない大きな課題でございますので、今お話し申し上げましたように、各関係機関とですね、しっかりと連携をとるということが一番重要でございますので、しっかりやらせていただきたいと思います。特に学校というのは、スクールソーシャルワーカーの方とか、虐待をされた子供を一番見つけやすい立場にあろうかと思っておりますので、そういうことではですね、児童虐待防止につきましては、本当に、また同じことなんですけど、各関係の機関と連携をするということを頑張ってやってまいりたいと思っております。

記者)
 イプシロンロケットの打上げ失敗について聞かせていただきたいんですけれども、現段階でいくつか原因が絞り込まれてきましたが、原因究明に向けた進展があれば教えていただきたいのと、原因究明に向けてJAXAの現場の人たちが非常に頑張っているということ、そして一方で、それについて、衛星を載せた人たちというのは、これから、今後、また新しい衛星を作ったりと、取組をしていると思うんですが、その方々へのエールなどがありましたらお願いします。

大臣)
 イプシロンロケット6号機につきましては、原因究明を早急に進めまして、対策を講じていく必要があります。これまでのJAXAによります技術的な調査によりまして、原因箇所が特定され、そして要因の絞り込みが進んでいるところでございます。外部有識者によります委員会につきましては、4回目を今月上旬を目途といたしまして調整をしているところでございます。宇宙開発の利用に当たりましては、スピード感を持って進めることですとか、技術課題に果敢にチャレンジしていくことが重要でございます。今般の打上げの関係者をはじめといたしまして、みんなで乗り越えていくことが大事だと考えております。文部科学省といたしましては、JAXAとともにですね、引き続きまして、原因究明も含めて、宇宙開発利用の推進に最大限努めてまいりたいと思っております。また、高専ですとか大学、本当にイプシロンロケット6号機には大変期待していた部分が多いんですけれども、JAXAのプログラムを通じまして、打上げ予定でもありました大学・高専などに対しまして、状況説明を行っております。そして、再実証の要望の有無を確認しているところでもございます。そんな中で、やはり各機関の再実証要望を踏まえて、次の打上げ機会の提供などについても検討してまいりたいと思っております。

記者)
 旧統一教会の質問権行使の関係でお尋ねします。岸田首相は、先週ですね、記者会見で、文化庁宗務課の人員についてなんですけれども、38人まで増やすというふうに発言されまして、これについてですね、現時点で、どの省庁とか関係機関からどれぐらいの人数が来るのか、38人になるのはいつなのか、その辺りの具体的に分かっていることがあればお聞かせください。

大臣)
 本日よりですね、これまでの宗務課の8名の職員に加えまして、文化庁内、文部科学省内からの応援、関係省庁からのご協力を得まして、30名を配置をいたしまして、計38名で対応に当たっております。今後ですね、他省庁が把握をしております情報の提供を受けるとともに、被害者の方ですとか、旧統一教会問題をよく知る弁護士さんによります団体ですね、の方からも情報提供を得るなど、必要な協力を得たいというふうには考えております。そして、今、出向者の話、出向者がどういうところからというところを、今お話を伺いましたけれども、関係省庁はですね、法務省、警察庁、それから金融庁、国税庁で計8名を派遣をいただいております。省庁ごとの派遣人数につきましては、お答えは差し控えさせていただきますのでご了承いただきたいと思っております。

記者)
 ちょっと確認ですけれども、30人、元々の8人に加えて30人は文部科学省内。で、それに加えて他省庁から8人というそういう理解ですか。

大臣)
 申し訳ありません。そうではないですね。もうあの、含めまして、です。申し訳ないです、含めて38人です。

記者)
 今、法務省とか金融庁、国税庁からというお話でしたが、この省庁から応援をもらう理由とか狙いとかがもしあればお願いします。

大臣)
 それはもう、各専門家がいらっしゃいますので、各省庁ですね、そういう方の知見というものをしっかりと対応するときに使わせていただくということでございます。

記者)
 文部科学省からも複数人出向されている国立の政策研究大学院大学で、9月初旬からシステム障害が起きているんですけれども、これについて、大臣はご存知でいらっしゃいますでしょうか。と言いますのも、2か月近く学内システムが使えないという状態でして、大学側が文部科学省宛に対応を求めたんですけれども反応がないというような話もありました。ここについていかが思われますかというところと、国が指導するという気がおありかどうかというのが1点と、あと、国立大学のサイバーセキュリティについて脆弱なんじゃないかというようなご認識がおありかどうかという、以上2点をお伺いできますでしょうか。

大臣)
 政策研究大学院大学におきましては、一部サーバで不審な通信ログが確認されたため、9月初旬にインターネット接続を停止をいたしまして、慎重に調査を進めている旨の報告を受けたところです。現在、別回線のインターネット接続を確保いたしまして、メールやオンライン授業など業務に必要な環境を維持するとともにですね、全面復旧に向けまして、現在進めている調査結果を踏まえて再発防止策の策定を行うと承知をしております。文部科学省といたしましては、各国立大学に対しまして、定期的な通知などによりまして、サイバーセキュリティ対策の強化を促しておりますけれども、今回のような事案も踏まえまして、関係機関ともですね、連携をしながら再発防止に向けて適切に対応してまいりたいと考えているところでございます。政研大につきましては、今後明らかになります大学の調査結果なども踏まえて、適切な対応を検討してまいりたいと考えているところでございます。以上です。

記者)
 サイバーセキュリティについての定期的なこの通知というのは、どのくらいの頻度で行われているんでしょうか。

大臣)
 これはちょっと把握しておりませんので、申し訳ありません、事務方の方で、あとでお聞きしていただければと思っております。

(了)

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