永岡桂子文部科学大臣記者会見録(令和4年10月28日)

令和4年10月28日(金曜日)
教育、文化、その他

キーワード

令和3年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果、旧統一教会への報告徴収・質問権の行使について、文化庁の体制強化、総合経済対策

永岡桂子文部科学大臣記者会見映像版

令和4年10月28日(金曜日)に行われた、永岡桂子文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和4年10月28日永岡桂子文部科学大臣記者会見

令和4年10月28日永岡桂子文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

永岡桂子文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 みなさん、おはようございます。冒頭、私からは1件ございます。
 昨日、令和3年度の「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」の結果を公表いたしました。調査結果におきましては、令和2年度に減少したいじめの認知件数が増加し過去最多となりました。小中学校の不登校児童生徒数も過去最多となっているなど、深刻な状況となっております。いじめ防止対策につきましては、今般、こども家庭庁設立準備室と共同で、関係府省の局長などによります会議を新たに立ち上げるとともに、専門家により構成されますいじめ防止の対策協議会(注1)に審議要請を行うことといたしました。これらの会議におきまして、今後、重大事態に係る対応や関係機関との連携等につきまして検討を進めてまいる所存でございます。また、不登校児童生徒の増加につきましては、様々な要因が考えられまして、更なる分析が必要であることから、今後、「不登校に関します調査協力者の会議」(注2)におきまして分析するとともに、不登校特例校の設置促進やICT等を活用した学習活動の充実など必要な対策を進めてまいります。文部科学省といたしましては、これらの取組を通じまして、いじめを防止し、また、児童生徒の社会的自立を目指した、個々の状況に応じたきめ細やかな支援の推進を図ってまいります。以上でございます。
(注1)「いじめ防止の対策協議会」と発言しましたが、正しくは「いじめ防止対策協議会」です。
(注2)「不登校に関します調査協力者の会議」と発言しましたが、正しくは「不登校に関する調査研究協力者会議」です。

記者)
 冒頭でも触れていただいたんですが、昨日発表になったいじめ問題行動調査でですね、いじめ認知件数が過去最多、小中学校の不登校も過去最多ということで、深刻な状況にあるという報告もありました。各種施策を整えてきているような冒頭の発言がございましたが、改めて、大臣のお考えとして、今後、どのような施策が必要になっていくと思われるのか、もう少し具体的に教えていただければと思います。

大臣)
 いじめの認知件数が増加した要因につきましては、学校現場等におきまして、やはり、いじめ防止対策の推進法の定義に則した、いじめの積極的な認知というものが進められてきているということもあると思います。また、コロナ禍の通常の学校生活に戻りつつあると、本当にコロナ禍からちょっと脱出したというところでの結果というのもあるのかなというふうに考えております。日常の授業におけますグループ活動ですとか、やはり学校の行事、部活ですね、部活動など、様々な活動への制限が緩和をされまして、児童生徒同士の関わりというものが増えたことなどが考えられます。また、小・中学校の不登校児童生徒数の増加につきましては、コロナ禍が長期化したことによりまして、やはり生活環境の変化によりまして、生活の乱れですね、生活のリズムが乱れているというような状況も考えられます。学校生活の中には様々な制限がある中でですね、登校する意欲が湧きにくいという状況にあったことも考えられますし、また、保護者の意識の多様化ということも影響しているのかなというふうにも考えております。様々な要因が考えられますので、更なる分析が必要というふうに思っております。冒頭発言で申し上げました通り、いじめについては関係省庁(注2)の局長などによります会議において検討をさせていただきます。また、不登校につきましては、「不登校に関する調査研究協力者会議」におきましてその要因を分析するとともに、不登校の特例校(注3)の設置の促進ですとかICTなどを活用した学習活動の充実など必要な対策を進めてまいりたいと考えております。
(注1)「いじめ防止対策の推進法」と発言しましたが、正しくは「いじめ防止対策推進法」です。
(注2)「関係省庁」と発言しましたが、正しくは「関係府省」です。
(注3)「不登校の特例校」と発言しましたが、正しくは「不登校特例校」です。

記者)
 旧統一教会の対応でお尋ねします。衆参の文科委員会や文教委員会でも論戦が交わされて、2点あるんですけれども、その中で、大臣が、例えば質問の回答期限をそれぞれ区切ることができるですとか、具体的な調査手法も想定をされていらっしゃるのかなと思うので、宗教法人法の規定だと、質問権を行使する際、先方の同意があれば施設への立入りが可能だと思うんですけれども、この立入りについて可能であればやりたいとお考えなのかをお尋ねしたいのが1点です。もう1点が、議員からも質問が多くありましたが、いわゆる霊感商法対策弁護士連絡会との連携の在り方について、その後、検討状況の進捗があればお願いします。

大臣)
 前回25日(火曜日)ですね、の会見や、また、国会におきましてお話しした通りでございますが、文部科学省といたしましては、報告徴収・質問を行う内容の原案を作成するに当たっては、やはり情報収集が重要であると考えております。その観点からは、旧統一教会の問題をよく知る弁護士さんたちによります団体の皆さま方からですね、情報の提供を受けたりすることは必要だと考えてはおります。それはですね、やはりその上でですね、具体的にどのような情報を集めるのか、望ましいのかというのは、適切に判断をしてまいりたいと思っております。また、その際ですね、やはり報告徴収・質問権の行使に当たりましては、幅広く情報を得ることが重要でございますので、今お尋ねのありました点も含めまして、効果的に権限を行使できるように、宗教法人審議会の意見も伺いながら検討してまいりたいと思っております。申し訳ない、今は、立入りのことでございます。最後にお答えしましたのは立入りのこと、宗教法人審議会の意見も伺いながら検討していきたいと思っております。

記者)
 引き続き旧統一教会なんですけれども、宗務課の増強を進められておられると、大臣、朝の会議ではおっしゃられていましたけれども、現在何人くらいにされているのか。

大臣)
 定員は8名ということで一番初めにお話しいたしましたけれども、それの後に、文部科学省内、また、文化庁内で人を増強いたしまして、24名までは私は把握しておりますけれども、その後もですね、続々と強化を図っているというところでございます。細かいところは、人数を間違えるといけませんので、どうぞ事務方の方からお聞きしていただければと思っております。

記者)
 あと、専門家会議で特に異論が出なかったとは思うんですけれども、予定通り、年内行使に向けて順調に進んでいるとお考えでしょうか。

大臣)
 今回の宗教法人制度の運用などに関します調査研究協力者会議、これは11月8日ですね、次の実施を予定しております。速やかな対応を図ってまいりたいと思いますが、その後のスケジュールについては、現時点で予断を持って申し上げることは差し控えさせていただきたいと思っております。いずれにいたしましても、報告徴収・質問権の行使については、法に定めるプロセスに則りまして適切にですね、進めていきたいと思いますし、また、最大限速やかに対応することが必要だと思っておりますので、年内のできるだけ早いうちに権限を行使できるように手続を進めてまいります。

記者)
 冒頭発言で、いじめ防止対策協議会に審議要請を行うという言及がありました。大臣ご自身、重大事態の調査等について、どのような問題認識があって、どのような改善事項について審議を予定しようと考えていらっしゃるのか、お聞かせいただければと思います。

大臣)
 局長会議における具体的な検討事項ということでございますが、これは、いじめ防止対策関係府省局長会議においては、年末年初を目処に対応すべきと、再徹底の、関連の検討事項といたしまして、いじめの重大事態における総合教育会議の活用、文科省による厳格な指導、そして、犯罪行為が疑われる場合の警察連携の徹底など、関係機関との連携の強化、そして、被害児童生徒・保護者へのケアと加害児童生徒への指導・支援方策、そして、保護者と学校が共にいじめ防止対策を共有するための普及啓発方策を予定をしているところでございます。

記者)
 併せて、いじめ防止対策協議会への審議要請の方についても、どのように考えていらっしゃるかお聞かせいただいてよろしいでしょうか。

大臣)
 そちらのことは、申し訳ありません、事務方の方で対応していただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

記者)
 旧統一教会の方に戻ります。国会審議の中で、委員会審議の中で、名称変更に関して、下村大臣に説明したときの資料が2回分出てきたというお話がありました。委員会に提出するか理事会で協議はしていると思いますが、それを、理事会というか、委員会の方に提出されることになるのか、もしくは、あと、差支えのない範囲で、どういった内容が書かれていたのか、今ご説明いただけますか。

大臣)
 今、ご質問の通りですね、大臣に報告説明した用紙等のことは、これは、国会で答弁した通りですね、平成27年の旧統一教会の名称変更の認証に際して申請を受理することの報告を行った際の資料、これは確認はできております。しかしながら、認証を決定することの報告を行った際の資料については、それ自体は確認できなかったものの、担当者がメモ書きを追加したと思われる、極めて近い資料は確認できております。これらの資料、これは法人の非公知の事実に関する情報を含みまして、かつ、行政の内部の意思形成過程に関する文書であることから、文部科学省としては、この資料自体をですね、開示することは控えさせていただいているということはお話申し上げました。お尋ねになったのは、現在、その資料の取扱いについて、関係します委員会の理事会において協議をいただいているところということで私も承知をしておりますので、お答えは差し控えさせていただきたいと思っております。

記者)
 理事会で出すとなったときに、それは出せるような文書なんですか。

大臣)
 お答えは控えさせていただきたいと思っております。

記者)
 総合経済対策が、今日、閣議決定されると思うんですけれども、文科省として、どのようなことを盛り込まれているのかということ、これをどう補正予算につなげていくかということをお願いしたいです。

大臣)
 文部科学省といたしましては、総理からの指示を踏まえまして、総合経済対策に必要な事項が盛り込まれるように、与党とも連携しながら、その策定に全力で取り組んできたところでございます。経済対策が策定された際には、基金などその実現に必要な予算をしっかりと確保できるよう、省一丸となって全力で取り組んでまいります。

記者)
 旧統一教会問題について、1問、質問させていただきます。25日の野党ヒアリングで、元文科事務次官の前川喜平氏は、報告徴収・質問権について、「非常に権限が弱い」と述べ、「この権限を行使したからといって、今わかっていない新しい事実がわかるということはほとんど期待できない」、「そういう法律の立て付けになっている」と指摘されています。前川氏は、また「不法行為責任が解散命令請求の根拠になりうる」とおっしゃっており、「それを示す判決が多数ある以上は、それらの判決を根拠に、速やかに解散命令請求を行うべきだ」、「質問権の行使で新たに何かがわかれば、あとから裁判所に追加すればいいだけ、それは請求後でもできる」ともおっしゃっています。あとは、永岡文科大臣が、解散命令請求を行うと決断するだけのように思われますが、この問題に関心を寄せる多くの国民に説明をお願いできますでしょうか。

大臣)
 今の前川さんのお話は、前川さんのお話としてうかがわせていただきます。やはり、宗教法人法に基づきまして、解散命令を請求するためには、やはり、報告徴収・質問権の行使に係る疑いがあると認めているだけでは足りません。法令に違反して、「著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為をした」などに該当する事由があると認められることが必要でございます。このため、文部科学省といたしましては、宗教法人法に照らしまして、解散命令の請求の適否を判断するためにも、やはり、まずは報告徴収・質問権の行使を通じまして、行為の組織性、悪質性、継続性などについて、具体的な証拠や資料などを伴います客観的な事実を明らかにした上で、法律に則りまして、必要な措置を講じてまいりたいと考えております。以上です。

(了)

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