永岡桂子文部科学大臣記者会見録(令和4年9月6日)

令和4年9月6日(火曜日)

永岡桂子文部科学大臣記者会見映像版

令和4年9月6日(火曜日)に行われた、永岡桂子文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和4年9月6日永岡桂子文部科学大臣記者会見

令和4年9月6日永岡桂子文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

永岡桂子文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 本日は冒頭、まず、私から2件お話申し上げます。
 まず、1件目でございます。本日の閣議におきまして、「高等教育の資格の承認に関する世界規約」を承諾することが決定をされました。本規約につきましては、大学の入学資格や学位などの高等教育の資格につきまして締約国が承認する基準等につき規定するものでございます。世界の各地域から我が国への外国人留学生の受入れや、また、日本人学生のこれらの地域への留学の送り出しに寄与するとともに、高等教育におけます国際協力の促進、そして強化ということが期待されるということでございます。今後、本規約が早期に発効されることを期待しておりまして、文部科学省といたしましても、高等教育分野の国際化の発展に一層取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
 2件目でございます。学制150年を記念いたしまして、文部科学省の主催によりまして、4日に「記念シンポジウム」を開催いたしました。また、昨日5日になりますけれども、「記念式典」を開催をさせていただきました。このシンポジウムでは、近代化を支えた明治期の教育を振り返るとともに、「スポーツを通じた豊かな人生」と題しました室伏スポーツ庁長官の講演、また、「教育の未来」をテーマといたしましたパネルディスカッションを行いました。昨日の記念式典では、天皇皇后両陛下のご臨席を賜りまして、岸田総理をはじめ三権の長などのご来賓に加えまして、都道府県の教育長や教育関係者の代表らをお招きいたしまして、教育の発展を祈念し、今後の更なる飛躍を期するとともに、令和4年度の教育者表彰を併せて実施をしたところでございます。また、学制150年記念の関連行事といたしましては、旧庁舎の情報ひろばにおきまして、9月30日まで記念の展示を行うことになっております。また、学制150年を振り返る書籍といたしまして、「学制150年史」を作成をいたしまして、昨日、当省のウェブサイトに掲載をさせていただきました。明治以来、教育の発展に尽力されました先人の努力に思いを致すとともに、これからの教育の未来を考える契機としていきたいと考えているところでございます。以上になります。

記者)
 北海道旭川市内で、昨年、凍死した女子中学生へのいじめ問題について伺います。いじめについて調査をしている市教委の第三者委員会が8月末に最終報告書案を遺族側に提出しましたが、死亡といじめの因果関係の有無などの記載がない未完成版だったことが明らかになっています。文科省の定めるいじめ重大事態の調査に関するガイドラインでは、調査を、可能な限り速やかに実施するよう努めることなどが留意事項として明記されていますが、今回の第三者委員会の一連の対応について、大臣の受け止めと文科省として何か指導や助言などをするお考えがあるのかお聞かせください。

大臣)
 昨年の3月に北海道の旭川市の中学2年生の女子生徒が遺体で発見されたという事案につきまして、先月末に、旭川いじめ防止等対策委員会の方から、最終報告書案をご遺族に提示されたと承知をしているところでございます。今後につきましては、ご遺族の確認を経まして、最終的に報告書ですね、これがまとめられ、また、旭川市の教育委員会に答申されることが予定であると思っております。また、北海道の教育委員会より報告を受けておりますので、きちんと報告を受けさせていただきたいとまずは思っております。いじめの重大事態調査に当たりましては、やはり、調査の進捗状況につきまして、定期的に、そして適時のタイミングでですね、経過報告を行うなどして、丁寧に説明を尽くして、本当にご遺族の皆様方に寄り添いながら迅速かつ適切に調査を進めるということが大変重要だと考えております。これまでも、ご遺族に寄り添いながら調査を迅速かつ適切に進めるように、北海道の教育委員会であるとか、また、旭川の市教育委員会に指導・助言をしてきたところでございます。引き続きまして、必要な指導・助言をしてまいりたいと思っております。何しろ、いじめにつきましては、早い段階から積極的に認知をするとともにですね、いじめの重大事態の対応に当たりましては、本当に可能な限り速やかに対応すること、初期対応だと思いますが、それが本当に重要であると、大事であると思っております。文部科学省といたしましては、重大事態の調査の初期対応の改善、いじめに対します体制整備の更なる充実に努めてまいる所存でございます。以上です。

記者)
 部活動のガイドラインについて伺います。昨日、千葉県柏市の市長が大臣と面会されまして、部活動の活動時間を平日2時間、休日3時間としている現在のガイドラインは、高校の部活動の実態に合っていないので見直してもらえないかという要望があったかと思います。こうしたガイドラインは中学校も対象としていますけども、やはり高校にも原則適用するとなっていますので、要するに、2時間と3時間ではなかなか短いんじゃないかというお話です。こうした要望をどのように受け止めてらっしゃるのか、また、高校向けに部活動のガイドラインを見直すお考えがあるのかどうか伺いたいと思います。

大臣)
 部活動の在り方に関しますガイドラインにおける休養日ですとか、また、活動時間の取扱いにつきましては、高校生を含めて、成長期にあります生徒さんがバランスのとれた生活を送ることができるような基準設定ということになっております。ガイドラインはですね、今、部活の地域移行ということが行われておりますので、有識者会議の方々の提言をですね、踏まえた改訂を予定しておりますが、今回、千葉の柏市の方から要望がありました休養日ですとか、また、活動時間に関して変更するという予定はございません。ガイドラインというのは、それぞれ基本的な考えを、学校ですとか先生方にですね、お示しをするものでございまして、それこそ高校、中学違いますよね、確かに。それと、あとは地域と、それから学校の部活、学校でも違うわけでね、それぞれ本当に、クラブ活動というのは、部活というのは、それぞれ本当に、たくさん、全ての学校が全く同じというわけにはならないんですね。ですから、そこのところでは、やはり設置者の方々にそれぞれ違う思いがあると思いますので、高校などの部活についても、原則として適用はしておりますけれども、実情において適切に判断をしていただきたいと、そういうふうに考えているところでございます。

記者)
 次世代原子炉について伺います。先日、英国政府が、高温ガス炉の開発事業者に日本原子力研究開発機構などの日本や英国の合同チームを選んだと発表しました。こうした海外への次世代原子炉の開発に日本の原子力研究開発機構が関わることの意義について、大臣の所感を伺えればと思います。

大臣)
 この度、英国の高温ガス炉の実証計画の実施事業者に、日本原子力研究開発機構が参画することになりました。これは、英国の国立原子力研究所の研究チームの中でということでございますので、選ばれたことというのは大変喜ばしいことと思っております。高温ガス炉は、安全性の面で優れた機能を有するとともにですね、高温熱ですね、すごく温度の高いということでございますが、を用いました効果発電の高い、発電が大変効率よくできるということになりますけれども、その水素製造の過程における熱源としての利用も可能であることから、2050年のカーボンニュートラル実現への貢献が期待をされているところでございます。文部科学省といたしましては、今般のJAEAによります英国の実証計画への参画などの取組も通じまして、引き続き、高温ガス炉に関します研究開発ですとか人材育成を推進していきたいと考えているところでございます。以上です。

記者)
 冒頭発言にあった学制について質問します。国民皆学の理念を掲げた学制公布から150年の節目を迎えた文部科学大臣として、学制から始まった教育制度の意義と現在の課題、今後の学びの大きな方向性についてどのように考えていらっしゃるか、この節目に大臣の見解をお聞かせいただいてもよろしいでしょうか。

大臣)
 我が国の教育は学制の公布以来、明治から大正、昭和、平成、そして令和へと著しく発展を遂げてきたと思っております。当時の国民の方々の努力と熱意に支えられて整備された近代的な学校教育制度、その後の我が国の発展の礎となったと考えている次第でございます。今、我が国は、人生百年時代を迎えようとしておりまして、本当にSociety5. 0であるとか、また、AIとか、あとビッグデータの活用ですね、本当に科学技術の革新、技術革新というのが急速に進んでおりますので、また、この度のコロナウイルスの感染症の拡大ですとか、やはり国際情勢も非常に不安定だというのが今現在になります。本当に、今の不確実性が高く将来の予測が困難な時代にありまして、この機会にですね、本当に「故きを温ね」そして「新しきを知る」という、そういうことが非常に大事だなと思っております。そこで、学制150年の歩みを振り返ることを通じてですね、教育の未来に対して、改めて、考える機会を得たなというふうには思っている次第でございます。やはり、これからの教育というのは国民一人一人の多様な幸せ、多様というところがやはり重要だと思っておりますけれども、そして、社会全体の幸せを実現するためにあるべきと考えております。またやはり、中教審の方ではですね、次期教育振興基本計画の策定に向けました議論が行われておりますので、やはり、共生社会、本当に共生社会の実現、持続可能な社会の展望ですね、発展、それから、私もそうなんですけれども、やはりアナログ世代に生まれ育った人間にとりましては、今の教育のデジタル化というのはなかなか推進しにくいなと思いますけれども、これが本当に必要なので、そこのところの推進ですね、教育のデジタル化の推進にも、本当に様々なテーマ、本当に幅広いテーマになりますが、進めていきたいなと思っております。何しろ、私が嬉しかったのは、やはり学制150年でございます、記念の年でございます。そんな中で、私が文部科学大臣として就任をさせていただいたと、その節目の年に私が、今、大臣をやっているということを本当に嬉しいと思いますし、教育の大きな節目ということを本当に皆さんと一緒に考えさせていただきたいと、そういうふうに思った次第でございます。以上です。

記者)
 昨日、静岡県の牧之原市のですね、認定こども園で女児がバスに取り残されて亡くなるという事案がありましたが、これについての大臣の所感とですね、あと、昨年ですね、福岡県で同じような事案があって通知を出したりしてますけれども、園児の点呼とか出席確認がきちんと園で行われているか、調査をしたりですとか、改めて検討して通知を出したりとか、今のところ考えている方針などあればよろしくお願いします。

大臣)
 まずは、亡くなられました園児とそのご家族の皆様方には、心よりお悔やみを申し上げます。今、お話ありましたように、昨年、福岡県の保育所で起きました子供のバスへの、車内への置き去り事案、これは本当に大変な、お気の毒な事故でございましたけれども、内閣府、そして厚生労働省と文部科学省の連名でですね、令和3年の8月25日に通知を出しております。内容といたしましては、まず、子供の欠席連絡等の出欠状況ですね、に関する情報につきまして、保護者への速やかな確認及び職員間における情報共有を徹底すること、そして、送迎バスを運行する場合におきましては、事故防止に努める観点から、運転を担当する職員の他に子供の対応ができる職員の同乗ですね、を求めることが望ましいこと、また、子供の乗車時、そして乗降時ですね、に座席、それから人数の確認も実施をいたしまして、その内容を職員間で共有することに留意をしていただくということなどの事務連絡、依頼する事務連絡というものを注意喚起を行ってきたところでございます。しかしながらですね、このように痛ましい事案が再度起きてしまったことは、本当に、極めて遺憾でございます、断腸の思いであります。とても悲しいし、一体あの通知は何であったのかというふうにも思うような次第でございます。二度とこのような悲劇が繰り返されないように、再度ですね、再発防止に向けまして、内閣府、厚生労働省と連携いたしまして、様々な機会にですね、注意喚起を行い、送迎バスなどにおけます子供の安全確保に努めてまいりたいと思っております。以上です。

記者)
 通知とかそのあたりの対応というのは、今後。

大臣)
 させていただきます。

記者)
 通知はする、したいということですか。

大臣)
 はい。検討しております。

記者)
 大学ファンドについてお尋ねします。8月31日の大学研究力強化委員会で、認定に関する基本方針案が示され、これまでの実績や蓄積のみで判断するのではなく、変革へのビジョンを重視する考えが盛り込まれています。認定の基準がどのくらいシビアなのか、卓越大の申請を検討する大学にとっては非常に関心が高く、どのくらいの大学が手を挙げるかにも大きく関わると思います。認定の入り口のハードルの高さ、間口の広さという意味で、認定の基準の在り方に関する大臣のお考えをお聞かせください。

大臣)
 大学ファンドの制度設計につきましては、現在、国際卓越研究大学法に基づきまして、基本方針の策定に向けた検討を、今、進めているところでございます。8月31日の大学研究力強化委員会では、基本方針の素案につきまして、活発な議論が行われたと承知をしているところでございます。国際卓越研究大学の選定に当たりましては、世界最高水準の研究大学を育成するという目的に照らしまして、その実現可能性を有する大学かどうかということを、国公私立問わずしっかりと確認していく必要があります。その際ですね、これまでの実績ですとか蓄積のみならずですね、申請大学の「変革」への意思と将来構想の提示ということに基づきまして判断することが重要と考えている次第でございます。このような基本的な考え方に基づきまして、引き続きまして、大学研究力強化委員会の議論、そして各方面との意見交換を通じまして、詳細を検討してまいりたいと考えているところでございます。以上です。

(了)

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