永岡桂子文部科学大臣記者会見録(令和4年8月26日)

令和4年8月26日(金曜日)
教育、科学技術・学術、文化

キーワード

文部科学省幹部人事,国立西洋美術館、東京国立博物館、東京文化財研究所及び新国立劇場の視察,国家公務員の服務規律に関する調査結果及び職員の懲戒処分,「ワクチン開発のための世界トップレベル研究開発拠点形成事業」公募結果

永岡桂子文部科学大臣記者会見映像版

令和4年8月26日(金曜日)に行われた、永岡桂子文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和4年8月26日永岡桂子文部科学大臣記者会見

令和4年8月26日永岡桂子文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

永岡桂子文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 本日、冒頭発言4つございます。
 1つ目でございます。本日の閣議におきまして、9月1日付け局長級以上の人事について、内閣の承認をいただきました。内容につきましては、お配りいたしました資料の通りでございます。この度、勇退いたします義本事務次官の後任といたしまして、柳文部科学審議官を起用することといたしました。同じく勇退いたします丸山文部科学審議官の後任には伯井初等中等教育局長、柳文部科学審議官の後任には増子高等教育局長をそれぞれ起用をいたします。また、局長級人事におきましては、大臣官房長に望月大臣官房人事課長、総合教育政策局長に藤江日本学生支援機構理事を、初等中等教育局長に藤原総合教育政策局長、高等教育局長に池田研究振興局長、科学技術・学術政策局長に柿田大臣官房総括審議官を、研究振興局長に森高等教育局私学部長、研究開発局長に千原科学技術・学術政策局長をそれぞれ起用をいたします。この度は、適材適所を基本といたしました人事を行ったところでございまして、柳新事務次官をはじめといたします新体制の下で、文部科学行政をより一層推進をして参りますのでよろしくお願いいたします。
 2件目でございます。8月23日に国立西洋美術館、東京国立博物館、それから東京文化財研究所を視察をいたしました。翌24日に新国立劇場、2日で4つの国立文化施設を視察をさせていただきました。各館におきまして、新型のコロナウイルス感染症への対応、入場者の減少に伴う厳しい財政状況など、現場でのご苦労を伺ったほか、それに対する各館のご努力を直接伺うことができました。私といたしましても、国民の皆様に素晴らしい美術品や文化財などを安心して鑑賞していただけるよう、これからも力を尽くしてまいりたいと考えております。
 3件目になります。7月13日(水曜日)に、全日本私立幼稚園連合会の前会長の香川氏及び前事務局長の勝倉氏が逮捕されたことを受けまして、文部科学省におきまして、両氏との関係で、国家公務員の服務規律に照らして不適切な行為がなかったか、当時の関係職員に対しまして調査を行ってまいりました。調査につきましては、総括審議官を責任者といたしまして、香川氏、それから勝倉氏と業務上関わりがあった幼児教育課、また、私学助成課の担当を中心に行いました。本日、全日本幼稚園連合会と関わりがある者について、調査がまとまりましたのでご報告いたします。今回の調査を通じまして、特に、幹部職員6名については、香川氏、勝倉氏から供応接待等を受けていた事実が判明したことから、国家公務員倫理法及び倫理規程に対します違反により懲戒処分を講じました。被処分者及びその具体的な内容は、お手元にお配りした通りでございます。今回、6名の職員が懲戒処分を受けるに至ったことを重く受け止めまして、私自身も1か月の大臣給与返納をするということといたしました。今回、国家公務員の倫理法及び倫理規程に対します違反によりまして、幹部職員の処分を行ったことは本当に極めて遺憾なことでありまして、皆様には心よりお詫びを申し上げる次第でございます。改めまして、再発防止策を講じまして、職員の服務規律の遵守について、一層の徹底を図ってまいります。なお、調査結果につきましては、後ほど事務方の方からブリーフィングを行わせていただきます。
 4件目になります。ワクチン開発のため世界トップレベルの研究開発拠点形成事業に関しまして、公募の結果をご報告いたします。本事業は、令和3年度補正予算において基金事業として新たに措置したものでございます。世界トップレベルの研究開発拠点、これはフラッグシップ拠点とシナジー効果が期待できる拠点となりますが、その整備等を行うとともに、平時から同研究拠点を中心といたしましてワクチン開発・感染症の出口を見据えた先端的な研究を持続的に推進をしております。今般、フラッグシップ拠点に東京大学、シナジー効果が期待ができる拠点に北海道大学、千葉大学、そして、大阪大学、長崎大学が選定をされました。加えまして、これらの拠点を支援するサポート機関が6機関選定をされました。今後起こり得る感染症に適切に対応すべく、今回、採択されました拠点等を中心に、国産ワクチンの研究開発に向けた幅広い取組を推進をしてまいります。以上でございます。

記者)
 冒頭発言に関連してお尋ねいたします。最後のワクチン開発の件ですけれども、今回選ばれた研究開発拠点がワクチン開発で世界トップレベルとなれるのか、なるために何が必要か、この事業で特に力を入れていくこと、大臣のお考えについてお聞かせください。

大臣)
 今般の新型コロナウイルスワクチンの開発を巡りまして、やはり、感染症分野の学問分野といたしましての層の薄さ、そして、産学官連携ですとか戦略的な研究費の配分などが十分でなかったということがあります。日頃からの備えが不足していたということであろうかと思っておりますので、そういうことが指摘されているわけでございます。こうした課題を踏まえまして、今後の感染症危機に備えるためには、やはり平時からの、世界トップレベルの研究開発拠点の整備を行いまして、人材育成を含めました基本的な研究力の向上ですとか、mRNAワクチン、それからこのような新しい手法ですね、これを生み出す、本当に先進的な研究の推進等を強化していくことが重要と考えております。このためにAMEDのSCARDAの指導の下にですね、フラッグシップ拠点が中心となって、関係機関と協力をして、やはり、ワクチンの開発・生産に資する革新的な研究開発の成果の創出ですとか、後は、産学官、そして臨床現場ですね、との連携、これを実用化に向けた体制、人材育成を含みますけれども、体制の構築などを行うこととしております。文部科学省といたしましても、AMEDとともにこの事業を推進をしてまいりたいと思っております。

記者)
 処分に関連してお尋ねなんですけれども、最初に、被処分者の方が6人いらっしゃいますけれども、それぞれ幼児教育課長時代のことだったのか、あるいは違うんであれば、どうして利害関係者というかですね、所掌の担当として関係者に当たるのかというのを説明いただけますか。

大臣)
 今、お話しました通りですね、6人の処分ということでございますが、今回の調査におきまして、幹部職員6名につきましては、香川氏、勝倉氏から供応接待を受けていた事実が判明したことから、国家公務員の倫理法、そして、倫理規程に対する違反によりまして減給、そして懲戒処分の措置を講じたわけでございます。それぞれ、6人につきましては、事案ごとにですね、国家公務員倫理規程等を踏まえまして、利害関係者から供応接待を受けたものであるか、また、利害関係者から無償の役務提供を受けたものであるか。また、社会通念上相当と認められる程度を超える供応接待を受けたものであるか。また、上司としての監督責任があるかなどを総合的に勘案をいたしまして処分を行っております。そうですね、以上です。

記者)
 わかりました。もう1点、平成30年にもですね、幹部の方が関わる汚職事件があって、それに絡んで接待が判明して、当時の事務次官をはじめ処分を受けたと思うんですけれども、再びこうした、同じ様な不祥事が発生した件について、大臣の受け止めをお願いします。

大臣)
 平成30年に実施をいたしました服務規程の調査におきまして、一部の職員につきましてですね、国家公務員倫理法及び倫理規程に対する理解が不十分のまま回答を行ったことによりまして、当時の、結果的に違反が確認できなかったものと考えられます。今回の調査におきましては、それぞれの自己がですね、負担すべき費用より少ない金額を払っているにもかかわらず、職員が当該金額の妥当性を確認せずに倫理規程に違反したケースであるとか、利害関係者に該当しないことを理由に、自己が負担をするべき費用の妥当性を十分に判断することなく社会通念上相当と認められる程度を超える供応接待を受けていたケースなどが確認されたところでございます。これを踏まえまして、今後、職員に対し、国家公務員の倫理法・倫理規程に関する理解を深めていただくように実践的な対処法を学びます機会を増やすとともに、領収書などの会食の総額ですとか自己の負担すべき費用というものを適切に支払ったこと、これを疎明できるような資料をですね、それの入手であるとか保存を推奨するなど、このようなことのないようにですね、徹底をしてまいりたいと考えている所存でございます。

記者)
 冒頭発言の最初にあった文科省の幹部人事について伺います。今回、女性の方がですね、総合教育局長、文部科学省の中では一番ランクの高いとされる局長にお就きになっているんですけれども、こうした女性の登用とですね、その狙いとか意義とかですね、それについて大臣のお考えを伺えればと思います。

大臣)
 今般の人事と言いますのも、やはり、それぞれの時にですね、適材適所ということを一番に掲げましてさせていただきました。末松前大臣の時からこの人事の検討が進められていたわけでございますけれども、最終的には、私が適材適所ということを、しっかりと気持ちを持ちまして、人事を判断をさせていただきました。以上でございます。

記者)
 すみません。女性の局長については何か。

大臣)
 それは一応ですね、これは、適材適所ということは、男性女性双方変わりがございません。まず、適材適所というところから、人事はさせていただくことにいたしました。

記者)
 幹部人事についてお伺いしたいのですが、今回、柳文科審議官が事務次官になられるということで期待されていることを教えていただきたいのと、他の省庁は、おそらくその、2か月くらい前に幹部人事を発表されていたと思うのですが、今回、文科省は遅れた、2か月後になったわけですが、なぜこのタイミングで幹部人事を発令されたのかということについて理由を教えてください。

大臣)
 文部科学省は、岸田内閣におけます最重要課題の一つである科学技術の基盤の強化及び最先端の科学技術・イノベーションへの投資の拡大、また、我が国の研究力の強化ですとか、あとはやはり、教育、スポーツ、芸術文化政策の一層の推進などの重要な施策を着実に実施する必要があります。柳新事務次官のリーダーシップの下、しっかりと取り組んでもらいたいと考えております。私といたしましては、やはり、適材適所ということを基本とした人事というところでございますので、文部科学行政をより一層強力に取り組んでいこうと考えております。また、各省庁よりも遅いこのタイミングでの幹部人事につきましては、前大臣から、当面の課題に一区切りが、一定の区切りがついた時期に人事異動を行うということをお聞きをしておりました。国際卓越研究大学の研究及び研究成果の活用のための体制の強化に関する法律案の成立、それからあとは、教育未来創造会議の第一次提言の施策ですね、また、国家公務員の服務規律に関する調査の取りまとめなど、やはり当面の課題に一区切りを迎えたことから、事務次官の交代をはじめといたします新しい体制により、文部科学行政を前進させていくことを決意したところでございます。以上です。

記者)
 幹部人事に関してなんですけれども、丸山審議官が今回勇退されるということで、ノンキャリアとして初めて次官級の役職を務めるということで、非常に注目された方だったと思います。今後、文科省として、ノンキャリアの人を含めた人事の活用に関してどういうお考えをお持ちか教えてください。

大臣)
 文部科学省では、採用区分ですとか年次、年齢にとらわれない資質、能力、適性に応じた人事配置の徹底など、人事の改革の取組を推進をしているわけでございます。丸山文部科学審議官につきましては、令和2年7月に、総合職以外の職員、つまり、いわゆるノンキャリと言われる方ですが、初めて文部科学審議官に就任をいたしました。本当に、丸山文部科学審議官には、約2年間にわたりまして、文部科学行政の事務次官級としての重責を果たしてもらいましたが、この度、後身に道を譲りたいとの意思を尊重いたしまして、勇退することとなりました。今後においてもですね、引き続きまして、採用区分や年次、年齢にとらわれない人事の改革の取組を推進してまいりたいと考えております。

(了)

お問合せ先

大臣官房総務課広報室