令和5年度宇宙開発利用推進研究開発委託費の公募について

令和5年4月7日

文部科学省では、このたび令和5年度宇宙開発利用推進研究開発委託費について、下記のとおり公募を開始しましたのでお知らせします。
 

1. 事業の概要

宇宙システムによるサービスは既に日常生活に定着し、我々の経済・社会活動の重要な基盤の一つとなっている。また、我が国の安全保障上の関心対象の広がりに伴い、宇宙システムの重要性が急速に高まっている。
このような中、我が国の宇宙活動の自立性を維持・強化するために戦略的に取り組むべき優先度の高い以下の(1)~(3)の研究開発及び技術開発課題について、それぞれ提案を公募する。

(1) 宇宙機のデジタル化を実現するマイクロプロセッサ内蔵FPGAモジュールの研究開発

通信・観測・測位を中心に、多様化する宇宙ニーズに対応するため、軌道上での画像処理、柔軟な機能変更などの高度なデジタル機能を持つ人工衛星の研究開発が進んでいる。一方、デジタル化の中核となる宇宙用半導体モジュール(必要な機能を一つのチップに実装する形態、SoC化)は海外製品しか選択肢がない状況。そこで、低消費電力性能と耐放射線性能を高い水準で満足する革新的な国産の高機能計算機モジュールの研究開発を行う。

(2) 衛星オンボードPPPの実証機開発

高分解能な衛星画像は、画像処理のために高精度な衛星軌道暦が必要となる。高精度な衛星軌道暦の生成には、「測位衛星の高精度軌道暦」と「衛星が受信した測位衛星からの測位信号」が必要であり、現状は、数時間から数日の処理時間が必要である。そこで、ユーザへの画像データ提供時間の大幅な短縮に資するため、複数GNSS対応受信機と演算処理装置を搭載し、衛星搭載演算処理装置上(オンボード)でMADOCAの補正情報を使用したPPP(Precise Point Positioning: 高精度単独測位)を行ってリアルタイムにcmオーダ(1σ)の衛星軌道位置推定が行える衛星実証機の開発を行う。

(3) 高安定レーザーを用いた測位衛星搭載時計の基盤技術開発

各国では衛星測位システムの測位精度向上を目的とした研究開発が継続して進められており、日本でも宇宙基本計画において「測位能力の維持・向上」に取り組むこととしている。測位能力の維持・向上のためには、測位誤差の原因の1つである衛星搭載時計の高精度化、高安定化が必須であるとともに、現状では海外から調達している衛星搭載時計の国産化を進めていく必要がある。そこで、原子時計を凌駕する安定度をもち、小型で堅牢性が高いことから宇宙応用が期待されている、高安定レーザーを用いた測位衛星搭載時計の基盤技術開発を行う。

2. 事業期間、事業規模及び採択数

(1) 事業期間

原則として、令和7年度末までの3か年とする。ただし、毎年度、事業の実施状況等について、「3.事業の内容」のなお書きに記載した外部有識者委員会及び小委員会による評価をはじめとする評価、又は文部科学省宇宙開発利用課による確認等を行い、事業の継続の可否を判断するものとする。なお、契約の締結は年度毎に行うものとする。また、事業開始は契約日とする。

(2) 事業規模

令和5年度は、課題ごとに以下の予算額を上限とする。

宇宙機のデジタル化を実現するマイクロプロセッサ内蔵FPGAモジュールの研究開発 200百万円
衛星オンボードPPPの実証機開発 100百万円
高安定レーザーを用いた測位衛星搭載時計の基盤技術開発 100百万円

令和6年度以降の予算額等については、当該年度における予算の成立状況及び(1)に記載した評価又は確認等の結果により決定する。応募に当たっては、実施する事業計画の規模や費用対効果等を勘案して、必要と考える金額を提案すること。(過大または不必要な経費が計上されていないか等、経費の妥当性や必要性について、審査における評価項目に含まれていることに留意すること。)なお、応募時の提案金額が採択をもって認められるわけでなく、毎年の予算規模等によって変動が生じる可能性がある。加えて、令和6年度以降、予算規模等に応じて、研究成果向上等の提案の依頼を別途行う場合がある。

(3) 採択数

各課題1件、合計3件(予定)
採択件数は、7.に記載する「審査委員会」における審査を通じて決定する。

3. スケジュール

公募開始から事業開始までのスケジュールはおおむね次のようになる予定。

令和5年

 4月7日(金曜日)  公募開始
 4月28日(金曜日)12時00分   企画提案書提出期限(必着)
 5月上旬頃  審査
 5月中旬頃  採択決定
 6月上旬頃  契約締結 


詳しくは以下の公募要領を御覧ください。

お問合せ先

研究開発局宇宙開発利用課
電話番号:03-5253-4111(内線4486)
メールアドレス:uchukai@mext.go.jp

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(研究開発局宇宙開発利用課 宇宙航空科学技術推進委託費事務局)