盛山大臣がITER(イーター)トロイダル磁場コイル納入完了記念式典に出席

7月1日(月曜日)
科学技術・学術

  7月1日、盛山大臣は、南フランスのサン・ポール・レ・デュランス市(カダラッシュ)にあるITER機構本部で開催された、ITERトロイダル磁場(TF)コイル納入完了記念式典に出席しました。

  ITERは、フュージョン(核融合)エネルギー※1の実現に向けて建設中の実験炉です。フュージョンエネルギーは、燃料を海水から生成することができ、発電の過程で二酸化炭素等を排出することが無いといったメリットがあり、エネルギー問題と環境問題を同時に解決するものと期待されています。 ITER計画には、日本、欧州、米国、ロシア、中国、韓国、インドが参加しており、ITER機構は、これらをまとめ、計画の推進を担う国際機関です。

  ITERの最重要機器の一つであるトロイダル磁場コイルは、日本及び欧州が調達を担当しており、2023年までに全数の製作及びITER機構への納入が完了しました。
  式典※2において盛山大臣は、
「技術的困難を乗り越え、トロイダル磁場コイルを完成に導いたというのは、日本のものづくりの力が存分に発揮されたことの証左であり、関係者の皆様に心から敬意を表します。」
と述べました。
  また、日本としてITERに貢献し、ITERを最大限活用していく観点から、バラバスキ機構長や、ITER機構で働く日本人職員との意見交換も行いました。

  さらに、盛山大臣は、ITER職員の子供たちの教育を行っているPACA国際学校を併せて視察しました。PACA国際学校における教育は、将来を担うITER機構の若手職員を増加させるための重要な要素です。文部科学省では、6月26日に文部科学大臣告示を改正し、PACA国際学校の欧州セクションの卒業により得られる「ヨーロピアン・バカロレア資格」を、日本の大学入学資格※3に追加したところです。

  文部科学省としては、昨年4月に策定した国家戦略(フュージョンエネルギー・イノベーション戦略)※4に基づき、ITER計画を着実に進めるとともに、フュージョンエネルギーの早期実現に向けた取組を加速してまいります。

※1 核融合エネルギーの実現に向けて(文部科学省HP)
https://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/fusion/

※2 ITERトロイダル磁場コイル納入完了記念式典の様子(ITER機構YouTube)
https://www.youtube.com/watch?v=NN7nKQsN1PQ別ウィンドウで開きます

※3 日本の大学入学資格(文部科学省HP)
https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shikaku/07111314.htm

※4 フュージョンエネルギー・イノベーション戦略(内閣府HP)
https://www8.cao.go.jp/cstp/fusion/index.html別ウィンドウで開きます