8月31日、永岡大臣が理化学研究所和光地区で量子コンピュータ等を視察するとともに、若手研究者と意見交換を行いました。
視察では、まず開拓研究本部の渡邉力也主任研究員より、新型コロナウイルス等を高感度で迅速に検出する技術について説明を受け、この技術を用いた診断装置を見学しました。実用化に向けた取り組みの状況を伺い、基礎研究の成果が国民の健康につながる実例を目の当たりにしました。
次に、環境資源科学研究センターの侯召民副センター長より、自己修復・形状記憶性能を持つ新規素材の開発等の研究成果について説明を受けました。
また、量子コンピュータ研究センターの中村泰信センター長及び萬伸一副センター長より、世界的にも競争が激化している量子コンピュータの研究開発状況を伺いました。加えて、我が国初となる国産量子コンピュータの整備・公開に向けて開発を行っている現場を訪れ、量子コンピュータの一部である量子チップや冷却機を見学しました。
さらに、世界をリードする若手研究者4名(武石明佳 開拓研究本部理研白眉研究チームリーダー、榎戸輝揚 同チームリーダー、川上恵里加 同チームリーダー、大岡英史 環境資源科学研究センター研究員)と、研究者としてのキャリアパス、研究者にとってより良い環境づくり等をテーマに意見交換を行いました。
研究活動と子育てを両立する研究者からは、
「理研には様々な支援制度があるものの、育児との両立は組織からの支援だけでなく周囲の理解も必要であり、日本全国的にみると安心して子どもを任せ研究を継続できる環境が整っていない面もある」
といった声を伺いました。
今後のキャリアパスに関する話題では、
「諸外国での研究環境も研究者にとって魅力的である。日本ももっと研究者の待遇に力を入れるべきではないか」
という意見を伺いました。
関連して、
「近年、若手研究者への支援は充実してきたが、今後は博士人材のキャリアパスを、民間を含めて多様化していくことも重要である」
といった意見も伺いました。
視察を終え、永岡大臣は、
「量子コンピュータの研究開発をはじめとする世界最先端の研究開発、若手研究者が研究に専念できる環境づくりをさらに進めていきたいと改めて感じました」
と話しました。
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