本年秋頃にISSへの出発を控えた若田光一宇宙飛行士が末松大臣を表敬訪問

7月19日(火曜日)
科学技術・学術

  7月19日、若田光一宇宙飛行士が末松大臣を表敬訪問されました。

  若田宇宙飛行士は、本年秋頃に打上げ予定のクルードラゴン宇宙船5号機に搭乗し、国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在する予定です。

  末松大臣は若田宇宙飛行士を歓迎し、
「日本人として最多となる5回目の宇宙飛行を大変誇りに思います。宇宙環境や日本実験棟「きぼう」の特長を生かした様々な実験が予定されていると思いますが、大きな成果が得られることを期待しています。」
と話しました。
また、昨年7月にISSと日本中の子供たちをオンラインでつないで実施した「GIGAスクール特別講座」についても触れ、
「子供たちも宇宙に対して夢を抱いていますので、若田宇宙飛行士には是非先駆的な役割を果たしていただきたいです。」
と期待を述べました。

  また、面会に同席した田中副大臣は、(宇宙飛行士という仕事は)夢ではなく現実のものとなっていると述べ、
「ISSでの研究が私たちの身近なところで役に立っていることは、子供たちが夢を持って育ってくれることにも繋がります。我々も宇宙飛行士の皆さんの活動を発信するなど、子供たちが興味を持ってくれるような活動をしていきたいと思います。」
と話しました。

  若田宇宙飛行士からは、打上げに向けた準備が順調に進んでいることを報告いただきました。そして、
「野口宇宙飛行士、星出宇宙飛行士に続いて、3年連続で日本人がクルードラゴンへの搭乗、ISS長期滞在ミッションに参加することは、有人宇宙活動分野における日本への高い信頼の証だと思います。」
と話されました。

  ちょうど13年前、2009年7月19日は、日本実験棟「きぼう」が完成した日です。その日以来、「きぼう」はなくてはならない存在として、様々な成果を挙げてきたことを若田宇宙飛行士に紹介いただきました。たとえば、創薬研究や健康長寿に関する研究など、私たちの日常生活にも役立つ研究が行われています。また、人材育成のため、打上げ手段を持たない開発途上国の教育機関や研究機関に対して超小型人工衛星の放出機会を提供する場として利用されています。「きぼう」はこれまでに約50か国、300機以上の超小型人工衛星の放出に貢献したとのことです。

  若田宇宙飛行士は最後に、
「ISSは月探査に向けた技術実証や民間利用、人材育成の場として活用されています。来年、ISS長期滞在を予定している古川宇宙飛行士にも繋げていきたいです。」
と意気込みを語られました。

左から、山川JAXA理事長、若田宇宙飛行士、末松大臣、田中副大臣