「令和の日本型学校教育」を担う新たな教師の学びの姿の実現に向けて(審議まとめ)のとりまとめについて

11月15日(月曜日)
教育

  11月15日、中央教育審議会「令和の日本型学校教育」を担う教師の在り方特別部会(第5 回)・初等中等教育分科会教員養成部会(第126回)合同会議が開催されました。
  その中で、「『令和の日本型学校教育』を担う新たな教師の学びの姿の実現に向けて」(審議まとめ)がとりまとまり、渡邉部会長と加治佐委員(教員免許更新制小委員会主査)から末松大臣、池田副大臣並びに鰐淵大臣政務官へ報告されました。

  この特別部会は、本年3月の文部科学大臣による、「教師の養成や採用・研修等の在り方について」の諮問を受けて設置されたものです。大きな社会的変化を踏まえて、教師の養成・採用・研修についてどのような在り方が望ましいのかが審議されています。
  この度の審議まとめでは、公立学校の教師について、どのような研修を受講したのかについての履歴を教育委員会が記録して管理するとともに、その履歴を活用して教育委員会や校長が教師と対話しながら適切な研修を受講することを奨励するなどの制度改正を行うこと、また、現職教師の研修をさらに充実していくため、国による指針を改正することが求められています。また、研修の更なる高度化に向けて、研修受講履歴を管理するためのシステムやその情報を一元的に取り扱うことを可能とするプラットフォームなど、新たなシステムを構築していくことなどが盛り込まれています。

  渡邉部会長からは、審議の過程において次の3点の重要な指摘があったことの説明がありました。
① 教師の主体的な姿勢を重視する必要があり、その上で個別最適な学びと協働的な学びを、教師の学びにおいても取り入れることが必要
② 教師と管理職が積極的な「対話」を行い、具体的な目標などを共有した上で、体系的・計画的な学びを進めていくことが重要
③ 質の高い有意義な学習コンテンツを整備することなどを通じて、令和の日本型学校教育を担う教師にふさわしい「新たな教師の学びの姿」を確立していくことが重要

  中でも関心の高かった教員免許更新制の見直しについては、現場から多くの指摘を受けたことを踏まえ、先行して結論を得られるように検討してきたということです。
  渡邉部会長からは、教員免許更新制は一定の成果を上げてきたが、検討した結果、新たな教師の学びの姿を実現するためには阻害要因となることも否定できないため、従来の大学等の免許状更新講習などの成果を生かしながら発展的に解消していくという結論に至った、との説明がありました。
  さらに、学びに専念する時間を確保した教師が、誇りを持って主体的に研修に打ち込むことができる環境を実現することが審議まとめの本質とし、こうした環境の実現に向けて円滑な新制度への移行準備や学校における「働き方改革」を進めることについて、文部科学省に要望がありました。

  末松大臣からは、最初に審議まとめの作成に尽力いただいたことへの感謝の意を伝えつつ、「日本の成長の種をつくってくれる」人材を育てるため、この審議まとめの内容をしっかり踏まえて取組を進めていきたい、と述べました。
  さらに、教師の「働き方改革」を進めていくことの重要性を強調するとともに、子供達が自ら問題点を考え、先生にアドバイスをもらいながら自分で解決する力を身に付けられる教育が大切であり、そのためにも「先生方の新たな学びの姿を求めていきたい」と話しました。
  文部科学省では、今回の審議まとめによる教員免許更新制の発展的な解消の方向性を踏まえ、この提言に応えられるよう、来年から始まる次期通常国会への関連法案の提出など、関連の取組を鋭意進めてまいります。

(左から)加治佐委員(教員免許更新制小委員会主査)、渡邉部会長、末松大臣、池田副大臣、鰐淵大臣政務官