萩生田大臣が大樋美術館、金沢大学を視察

10月23日(金曜日)
文化・科学技術

  10月23日、萩生田大臣は石川県金沢市を訪れ、大樋美術館と金沢大学を視察しました。

  大樋焼は寛文六年の初代大樋長左衛門にはじまり、現代の十代、十一代長左衛門に至るまで350年以上にわたり作品が生み出されており、大樋美術館には初代から十一代長左衛門までの作品が、加賀藩に縁の深い茶道具類とともに展示されています。
  萩生田大臣は、十一代長左衛門氏のご説明を伺いながら、ろくろを使わずに手でひねる大樋焼の作品の数々を拝見し、改めて我が国の工芸の奥の深さを感じるとともに、世の中へ作品を発信しようとされている十一代の姿勢に情熱を感じたと話しました

  続いて訪れた金沢大学では、山崎学長にお会いするとともに、文部科学省の世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)※¹の採択拠点であるナノ生命科学研究所(Nano LSI)を訪問し、細胞を生きたままナノスケールで観察できる独自開発の「原子間力顕微鏡」を用いた研究の視察や、若手及び女性研究者と意見交換を行いました。
  ナノ生命科学研究所では、優れた若手研究者を独立研究者として採用する「Jr. PI※²制度」を独自に設け、5年程度の一定の任期の後に、審査を経て安定的なポストで雇用されるテニュアトラック制の導入や、手厚いスタートアップ支援(特任助教の雇用経費や研究費)を行っており、最先端の研究に腰を落ち着けて取り組めるのも魅力です。
※¹ 世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)…大学などの研究拠点が①世界最高レベルの研究水準、②融合領域の創出、③国際的な研究環境の実現、④研究組織の改革の要件を達成するための自主的な取組を原則10年間支援し、世界から第一線の研究者が集まる、優れた研究環境と高い研究水準を誇る「目に見える研究拠点」の形成を目指すもの。
※² PI(Principal investigator)…独立した研究課題やスパースを有し、研究の遂行について責任を持つ者

  福間拠点長やJr. PIの若手研究者の皆さん等との意見交換では、ナノ生命科学研究所にはJr. PI制度や共用設備等の理想的な条件が揃っていて長期を見据えて研究できること、研究者の夫婦が離れて研究せざるを得ない環境の改善や創発的研究支援事業などの長期的な研究費の確保の重要性等が話題となり、萩生田大臣は、やる気のある若手研究者が腰を据えて安心して研究ができるよう引き続きサポートしていきたいと話しました。