萩生田大臣が沖縄を訪れ水沢VLBI観測所VERA石垣島局や沖縄科学技術大学院大学等を視察

9月29日(火曜日)、30日(水曜日)、10月1日(木曜日)
教育・科学技術

  萩生田大臣は、29日の夕方沖縄入りし、この日は石垣市の水沢VLBI観測所VERA石垣島局と、国立天文台石垣島天文台を視察しました。
  水沢VLBI観測所は、岩手・水沢、鹿児島・入来、小笠原・父島と、この沖縄・石垣島の4つの電波望遠鏡を連動し、直径2300キロの電波望遠鏡と同じ能力を発揮させて銀河系の天体を観測しています。そして、観測により三次元立体の銀河系星空地図の作成やブラックホールの仕組みの解明等を目指すVERAプロジェクトを進めています。
  昨年、ブラックホールの撮影に成功した国際共同研究チームには水沢VLBI観測所の本間所長など4名がVERAプロジェクトの技術を生かして参加しました。
  石垣島天文台は、国立天文台・石垣市・石垣市教育委員会・NPO法人八重山星の会・沖縄県立石垣青少年の家・琉球大学の官民6者連携により運営されており、小中学生の見学や高校生向けの体験企画、大学生の卒業研究、観光普及など、様々な取組が行われています。
  VERA石垣島局視察では、VERAプロジェクトの来年度以降の存続を求めて、地元八重山高校の生徒6名が萩生田大臣の訪問に合わせて訪れ、要望書を手渡しました。
  萩生田大臣は、
「これらの施設がさらに大きな役割を果たせるように今回視察をさせていただき、文部科学省としてもしっかりサポートしていきたい」、
と述べ、日本最南端の観測所、天文台としての特性等を生かしたより一層の活用・活躍に期待を示しました。
  また、天文学をはじめとする基礎研究は我が国のイノベーションの源泉であり、しっかり応援していきたいと話しました。

  沖縄滞在2日目以降、石垣市立登野城小学校、国立沖縄工業高等専門学校、沖縄科学技術大学院大学、琉球大学医学部、琉球大学移転予定地(西普天間住宅地区跡地/旧キャンプ瑞慶覧)、沖縄ラフ&ピース専門学校、沖縄福祉保育専門学校を視察しました。

  登野城小学校では、中山石垣市長や石垣教育長、棚原校長とICTを活用した教育に関して石垣市の現状と課題等について意見交換しました。市長から、石垣市の子供たちにはICTも活用して将来役立つ力を必ず身に付けることができるよう施策に取り組んでいるとの発言があり、大臣からは、GIGAスクール構想などで国としてもしっかり応援したいとの発言がありました。その後、電子黒板などを上手に活用した授業の様子を見学しました。

  その後、沖縄本島に移動し、国立沖縄工業高等専門学校を訪問しました。沖縄高専ならではの地元の産業界としっかりと連携した航空技術者の育成プログラムや生物資源工学に関する取組についてお話を伺うとともに、新型コロナウイルス感染症への対応について意見交換を行いました。学生たちが一から製造した泡盛や、地元企業とコラボして製品化したジュースなどの製品を拝見するともに、実際の飛行機の部品を用いた指導の様子について伺うことができました。

  沖縄科学技術大学院大学(OIST)では、コロナ禍での研究活動の状況や今後の若手研究者支援の在り方等について、ピーター・グルース学長や若手研究者らと意見交換を行いました。学長から、OISTには40カ国以上の国の教員・学生が在籍していることや、安定的な5年間の資金提供により基礎研究を推進し、安心して卓越した研究に没頭できる環境を提供していることなどOISTの取組について説明いただきました。
  萩生田大臣は、優秀な人材が活躍してもらえるような環境を国内でしっかり充実させていきたいと述べました。

  続いて訪れた琉球大学は、宜野湾市のアメリカ軍西普天間住宅跡地への医学部及び附属病院の移転を予定しており、西田学長から移転計画の概要説明をいただき、移転予定地の視察も行いました。
  萩生田大臣は、アジアのゲートウェイとしての役割、医学を学ぶアジアの学生たちを受入れる最南端の窓口になっていただけると思うので、そういう意味で、国際的な視野を持った大学病院として役割を果たしてもらいたいと期待を述べるとともに、新たな感染症が起きた時も外来対応ができる病院施設を改めて検討してもらえるよう、内閣府と文科省と連携しながら応援したいと伝えました。  

  その後、沖縄ラフ&ピース専門学校と沖縄福祉保育専門学校を訪れ、両校ともにコロナ禍においても感染対策を図り生徒たちの学びを止めないという強い使命感を持って創意工夫を凝らした取組を実践されている様子を視察しました。
  沖縄ラフ&ピース専門学校では、対策を取りながら行われている実技指導の様子や、遠隔システムなどを活用した授業の様子を拝見し、沖縄福祉保育専門学校では、将来生徒たちが勤務することになる実際の福祉施設などを想定して実施している実技の様子を視察しました。また生徒とも実習の状況などについて意見交換しました。
  萩生田大臣は、各学校におけるこうした学びの継続が図られるよう必要な支援に努めていくと述べました。

水沢VLBI観測所VERA石垣島局

国立天文台石垣島天文台

石垣市立登野城小学校

国立沖縄工業高等専門学校

沖縄科学技術大学院大学

琉球大学医学部・琉球大学移転予定地(西普天間住宅地区跡地/旧キャンプ瑞慶覧)

沖縄ラフ&ピース専門学校

沖縄福祉保育専門学校