萩生田大臣とブライデンスタインNASA長官が日米月探査協力に関する共同宣言に署名しました

7月10日(金曜日)
科学技術

  7月10日、米国とテレビ会議システムでつなぎ、萩生田大臣とブライデンスタインNASA長官が「月探査協力に関する文部科学省と米航空宇宙局の共同宣言」に署名しました。

  月探査について日本は、昨年10月、米国提案の国際宇宙探査(アルテミス計画)に参画することを政府決定しており、日本人宇宙飛行士の月面での活動機会を含めた日米両国の協力内容を具体化すべく文科省とNASAで調整を進めてきました。アルテミス計画において、米国は、2024年の月面着陸、2028年頃の月面活動の本格化を目指しています。

  共同宣言では、日本側として、月周回有人拠点(ゲートウェイ)の居住棟への機器等の提供や補給、月面データの共有、月面を走行するための与圧ローバ開発を中心に協力するとし、日本人宇宙飛行士をゲートウェイ及び月面に送る方向で詳細はさらに日米間で調整をすることで合意しました。これは、日本人が史上初めて月面に降り立つことに向けて大きな一歩を踏み出したものと考えています。

  萩生田大臣は、ブライデンスタイン長官とともに共同声明に署名できることをうれしく思うと述べるとともに、
「本日の共同宣言を機に、両国の月探査協力の具体化が加速するとともに、今後の双方の宇宙協力が一層深化するよう期待しています」
と伝えました。

  ブライデンスタイン長官は、アルテミス計画への日本の強力なサポートに謝意を示すとともに、国際宇宙ステーション(ISS)で培った強固なパートナーシップを、月やその先の深宇宙に広げていくことへの期待を述べられ、引き続き協力関係を強化していくことで一致しました。

  また、同日行われた記者会見で、萩生田大臣は、「宇宙というフロンティアへの挑戦を続けていくことは、全人類に夢や希望を与えるのみならず、外交・安全保障、科学技術及び産業の振興、人材育成などの様々な観点から意味がある」と言及し、例えば今日の異常気象等の課題の解明、先端分野での挑戦的な技術開発の促進等、様々な成果を生むことにも大いに期待していると述べました。

月の周回軌道に建設を目指す有人拠点(ゲートウェイ)のイメージ JAXA提供

月面での将来の取組みイメージ JAXA提供