学校教育法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備及び経過措置に関する政令等の公布について(通知)

30文科初第1314号 
平成30年12月27日 

各都道府県教育委員会教育長
各指定都市教育委員会教育長
各都道府県知事
附属学校を置く各国立大学法人の長
附属学校を置く各公立大学法人の理事長 殿
小中高等学校を設置する学校設置会社を
所轄する構造改革特別区域法第12条第1項
の認定を受けた各地方公共団体の長


文部科学省初等中等教育局長
永山 賀久



学校教育法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備及び経過措置に関する政令等の公布について(通知)


 この度,学習者用デジタル教科書の制度化に関して,学校教育法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備及び経過措置に関する政令(平成30年政令第355号),学校教育法施行規則の一部を改正する省令(平成30年文部科学省令第35号)及び学校教育法第三十四条第二項に規定する教材の使用について定める件(平成30年文部科学省告示第237号)が平成30年12月27日付けで公布されました(別添1~3)。
 これらの政令等の概要及び各条の内容等は下記のとおりですので,十分に御了知ください。
 また,各都道府県教育委員会におかれては,所管の学校及び域内の市町村教育委員会に対して,各指定都市教育委員会におかれては,所管の学校に対して,各都道府県知事及び小中高等学校を設置する学校設置会社を所轄する構造改革特別区域法(平成14年法律第189号)第12条第1項の認定を受けた地方公共団体の長におかれては,所轄の学校及び学校法人等に対して,附属学校を置く各国立大学法人及び各公立大学法人の長におかれては,その管下の学校に対して,御周知願います。
 なお,「学習者用デジタル教科書の効果的な活用の在り方等に関するガイドライン」を策定し,文部科学省ホームページにおいて公開しましたので,別途通知する予定です。




第1 政令等の概要

 学校教育法等の一部を改正する法律(平成30年法律第39号。以下「改正法」という。)により,「学習者用デジタル教科書」(改正法による改正後の学校教育法(昭和22年法律第26号。以下「新法」という。)第34条第2項に規定する教材。)が制度化されたことに伴い,関係法令について,規定の整備等を行うものである。


第2 各条の内容等

1 学校教育法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備及び経過措置に関する政令

(1)関係政令の整備(第1章関係)

1内容
 文部科学省著作教科書の出版権等に関する法律施行令(昭和24年政令第271号),学校教育法施行令(昭和28年政令第340号)及び義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律施行令(昭和39年政令第14号)について,改正法の施行に伴う所要の規定の整備を行ったこと。

(2)経過措置(第2章関係)

1内容
 著作権法(昭和45年法律第48号)の規定により,文化庁長官が新法第34条第1項に規定する教科用図書(以下「検定済教科用図書等」という。),学習者用デジタル教科書及び教科用拡大図書等に係る掲載補償金の算出方法について,改正法の施行の日前においても,文化審議会への諮問を行った上でこれらを定めることを可能としたこと。

(3)施行期日(附則関係)

1内容
 この政令は,平成31年4月1日から施行すること。ただし,(2)に関する規定については,公布の日から施行すること。

2 学校教育法施行規則の一部を改正する省令

(1)学習者用デジタル教科書について(第56条の5第1項関係)

1内容
 学習者用デジタル教科書は,検定済教科用図書等の発行者が,その発行する検定済教科用図書等の内容の全部(電磁的記録に記録することに伴って変更が必要となる内容を除く。)をそのまま記録した電磁的記録である教材としたこと。

2補足事項
 ○ 動画・音声やアニメーション等のコンテンツは,学習者用デジタル教科書に該当しないこと。また,電子黒板等の大型提示装置において主に教師が補助教材として提示して使用する指導者用デジタル教科書(教材)とは異なり,学習者用デジタル教科書は学習者用コンピュータにおいて児童生徒一人一人が使用するものであること。
 ○ 教科用特定図書等である音声教材やPDF版拡大図書については,学習者用デジタル教科書に該当しないが,障害のある児童生徒の様々な学習ニーズを満たすため無償提供されており,年々需要が高まっていること。
 ○ 平成31年度使用教科書に関する学習者用デジタル教科書の発行予定については,追って送付する予定であること。平成32年度以降使用教科書に関する学習者用デジタル教科書の発行予定については,教科書目録に掲載する予定であること。

(2)学習者用デジタル教科書の使用に当たっての基準(第56条の5第2項及び第4項関係)

1内容
 新法第34条第2項及び第3項の規定による学習者用デジタル教科書の使用は,文部科学大臣が別に定める基準を満たすように行うものとしたこと。

(3)視覚障害,発達障害その他の事由(第56条の5第3項関係)

1内容
 新法第34条第3項に規定する文部科学大臣の定める事由を,1視覚障害,発達障害その他の障害,2日本語に通じないこと,3これらの事由に準ずるもの(色覚特性や化学物質過敏症等)としたこと。(以下,これらの事由により検定済教科用図書等を使用することが困難な児童生徒を「特別な配慮を必要とする児童生徒等」という。)

(4)第56条の5の規定の準用(第89条第2項等関係)

1内容
 第56条の5の規定は,新法附則第9条第2項において準用する同法第34条第2項又は第3項の規定により使用する教材について準用することとしたこと。

(5)施行期日(附則関係)

1内容
 この省令は,平成31年4月1日から施行すること。

3 学校教育法第34条第2項に規定する教材の使用について定める件

(1)新法第34条第2項に基づき,検定済教科用図書等に代えて学習者用デジタル教科書を使用するに当たっての基準(第1条関係)

一 検定済教科用図書等に代えて学習者用デジタル教科書を使用する授業時数等(第1項関係)

1内容
 検定済教科用図書等を使用する授業と検定済教科用図書等に代えて学習者用デジタル教科書を使用する授業を適切に組み合わせた教育課程を編成すること。また,当該教育課程において検定済教科用図書等に代えて学習者用デジタル教科書を使用する授業の授業時数が,各学年における各教科及び特別の教科である道徳のそれぞれの授業時数の二分の一に満たないこと。

2補足事項
 検定済教科用図書等を使用せず,学習者用デジタル教科書のみを使用する授業について,授業時数の制限を設けるものであること。したがって,検定済教科用図書等を使用しつつ,これに加えて学習者用デジタル教科書を補助教材として使用する授業については,授業時数の二分の一の算定に含まれないこと。

二 検定済教科用図書等に代えて学習者用デジタル教科書を使用する授業の基準(第2項関係)

1内容
 (イ) 児童生徒がそれぞれ検定済教科用図書等を使用することができるようにしておくこと。
 (ロ) 児童生徒がそれぞれの学習者用コンピュータにおいて学習者用デジタル教科書を用いること。
 (ハ) 採光及び照明を適切に行うことその他児童生徒の健康を保護する観点からの適切な配慮がなされていること。
 (ニ) 学習者用コンピュータその他の機器の故障により学習に支障を生じないよう適切な配慮がなされていること。

2補足事項
 (イ) 検定済教科用図書等については,机上に置いておく必要はなく,机の中などに入れておいても良いこと。
 (ロ) 全児童生徒に一人一台の学習者用コンピュータが整備されていない場合には,クラス間における利用調整等を行い,当該授業において一人一台の学習者用コンピュータを用意すること。
 (ハ) 学習者用コンピュータの画面の見えにくさの原因やその改善方策,児童生徒の姿勢に関する指導の充実等について,「児童生徒の健康に留意してICTを活用するためのガイドブック」(平成26年,文部科学省)を参考にすることが考えられること。
 (ニ) 学習者用コンピュータ等の機器の故障に備え,予備の学習者用コンピュータの準備,ICT支援員の配置及び教職員への研修等を行うことが考えられること。また,学習者用コンピュータ等の機器の故障等が生じた場合には,必要に応じて他の手段を用いて指導を行うなど,学習者用デジタル教科書の使用に固執せず,児童生徒の学習に支障が生じないよう配慮すること。

三 検定済教科用図書等に代えて学習者用デジタル教科書を使用した指導方法の改善等(第3項関係)

1内容
 検定済教科用図書等に代えて学習者用デジタル教科書を使用した指導方法の効果を把握し,当該指導方法の改善に努めること。

(2)新法第34条第3項に基づき学習者用デジタル教科書を使用するに当たっての基準(第2条関係)

一 学校教育法施行規則第56条の5第3項各号に掲げる事由に応じた適切な配慮(第1項関係)

1内容
 検定済教科用図書等に代えて学習者用デジタル教科書を使用した指導において,児童生徒の学習上の困難の程度を低減させる観点から,当該児童生徒に係る学校教育法施行規則第56条の5第3項各号に掲げる事由に応じた適切な配慮がなされていること。

2補足事項
 特別な配慮を必要とする児童生徒等については,一人一人の障害等の状態や学習ニーズによって,文字・図形等の拡大や音声読み上げ等を使用する必要性や使用方法に違いがあることから,学習者用デジタル教科書及び学習者用コンピュータ等の機能等や使用方法が児童生徒にとって適切なものか確認しつつ使用すること。

二 児童生徒の学習及び健康の状況の把握(第2項関係)

1内容
 検定済教科用図書等に代えて学習者用デジタル教科書を使用する授業の授業時数が,各学年における各教科及び特別の教科である道徳のそれぞれの授業時数の二分の一以上となる場合には,児童生徒の学習及び健康の状況の把握に特に意を用いること。

2補足事項
 特別な配慮を必要とする児童生徒等については,教育課程の全部においても,検定済教科書等に代えて学習者用デジタル教科書を使用することができることから,学習者用デジタル教科書の長期間の使用による学習及び健康への影響について把握することが一層重要となること。

(3)新法附則第9条第2項において準用する同法第34条第2項又は第3項の規定により使用する教材(第3条関係)

1内容
 (1)及び(2)の規定は,新法附則第9条第2項において準用する同法第34条第2項又は第3項の規定により使用する教材について準用することとしたこと。

(4)施行期日(附則関係)

1内容
 この告示は,平成31年4月1日から施行すること。

お問合せ先

初等中等教育局教科書課

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