第1章 4.2.(8)到達度・目標を可視化させる

 現職教員や保護者向けアンケートの自由意見の中に到達度、何をどこまで教えれば良いのかの目標が見えにくいという声がある。三領域一事項ごとに、どこが課題であり、どこまで到達させることが目的であるのかということがはっきりとわからないというものである。基礎・基本の到達として何をどこまで目指すべきなのか具体的な到達度や目標を明確にする形で示していくことで指導における迷いを取り除く教科書を作っていくべきである。

1 到達度・目標の可視化

a.教科書単元名について

  • 1:具体的な言語活動がわかるような表現の仕方(次頁表参照)。
  • 2:各単元でどのような学習内容があり、どのようなことが身に付くか、子どもや保護者に分かるような表記のしかた
  • 授業実践より
     さいたま市立K小学校6学年では単元名を次のように変え、作者:宮沢賢治の伝記から生き方をとらえ、その生き方から生まれた物語について読むことの授業実践が行われた。

図表1-16 A社「国語」6年下

単元名 表現を味わい、豊かに想像しよう→賢治の世界を味わい、豊かに想像しよう
教材名 「やまなし」(物語)<資料>「イーハトーブの夢」(伝記)

b.教科書目次について

  • 1:各領域での学習で、どのような国語の力が身に付くか系統的に分かるように、シラバス型の表記で明示する。

図表1-17 シラバス型の表記

「話すこと・聞くこと」でできるようになること。 スピーチ、司会、進行、質問、インタビュー、説明、討論、座談会、等。
「書くこと」でできるようになること。 エッセイ、依頼文、礼状、招待状、暑中見舞い、メモ、取材したことを書く、引用、主張、ガイド、等。
「読むこと」でできるようになること。 シリーズ読書、様々なジャンルの読書、読書報告会、民話を語る、詩を声に出して読む、等。

図表1-18 目次のシラバス型の表記例

(鈴木 美香子)

-- 登録:平成21年以前 --