第1章 4.2.(9)調べ学習用教材・単元を充実させる

 思考力・判断力・表現力等をはぐくむために文章や資料を読んだ上で知識や経験を基に自分の考えをまとめ書くといった学習活動や探求活動は有効であり、総合的な学習の時間においても各教科においてもこうした学習活動が取り込まれている。国語教科書においても基礎・基本的な知識・技能の習得に加え、こうした学習活動を積極的に行う教材、調べ学習用教材・単元については一層、充実して取組んでいくべきである。
 調べ学習においては、様々な資料から必要な資料を探し出すための技術やスキルを学ぶためだけではなく、その情報の中から主体的に目的にあった情報を選び取り、それを分析・評価して情報を再構成、検証し発表していくことが重要である。
 現在の国語教科書においても、学年の発展段階において様々な形で調べ用教材が配当されている。こうした教材を使っていかに児童が興味を持ちながら学習を進め、情報を収集し、そこから選別して、情報を構築、自分の考えを述べていくことができるかについて他教科と連動した教材開発などが必要と考えられる。
 その中では他教科と連動した教材開発も一つの手法として考えられる。例えば、3学年・4学年で社会科との関連からグラフや地図から何を読み取り、その情報をどのように整理、記述していくかといった観点からの教材開発、5学年・6学年において理科との関連から課題を設定し、それに対する仮説を立て、その検証のための実験(方法)を考え、実験して、その結果の考察を行うといった形での教材開発などが考えられる。

図表1-19 他教科と連動した教材開発について

関連させる教科 配当学年 ねらい
社会科 3学年・4学年 グラフや地図から得た情報を、どのように記述するのか。
理科 5学年・6学年 課題・予想・実験(方法)・結果・考察(分かったこと・考えたこと)の一連の過程とそれをどう記述するのか。
各学年に配当される単元の一つを取り上げ例示する教材

(鈴木 美香子)

-- 登録:平成21年以前 --