学習者用デジタル教科書とは、紙の教科書の内容の全部(電磁的記録に記録することに伴って変更が必要となる内容を除く。)をそのまま記録した電磁的記録である教材です(学校教育法第34条第2項及び学校教育法施行規則第56条の5)。このため,動画・音声やアニメーション等のコンテンツは,学習者用デジタル教科書に該当せず,これまでの学習者用デジタル教材と同様に,学校教育法第34条第4項に規定する教材(補助教材)ですが,学習者用デジタル教科書とその他の学習者用デジタル教材を組み合わせて活用し,児童生徒の学習の充実を図ることも想定されます。
新学習指導要領を踏まえた「主体的・対話的で深い学び」の視点からの授業改善や,障害等により教科書を使用して学習することが困難な児童生徒の学習上の支援のため,一定の基準の下で,必要に応じ,紙の教科書に代えて学習者用デジタル教科書を使用することができることとする「学校教育法等の一部を改正する法律」(平成30年法律第39号)等の関係法令が平成31年4月1日に施行されました。
また、「デジタル教科書の今後の在り方等に関する検討会議」(4)参照)において取りまとめられた「学習者用デジタル教科書の使用を各教科等の授業時数の2分の1に満たないこととする基準の見直しについて」を踏まえ、学習者用デジタル教科書の使用の基準を定めた「学校教育法第三十四条第二項に規定する教材の使用について定める件」(平成30年文部科学省告示第237号)の一部が改正され、令和3年4月より、学習者用デジタル教科書を各教科等の授業時数の2分の1以上使用することができることとなりました。
(1)学習者用デジタル教科書の効果的な活用の在り方等に関するガイドライン
「『デジタル教科書』の効果的な活用の在り方等に関するガイドライン検討会議」において、学校及び教育委員会等が学習者用デジタル教科書の導入を検討し,また,実際に使用する際に参考となるよう,その効果的な活用の在り方や,導入に当たっての留意点等についてまとめたガイドラインが平成30年12月に策定・公表されました。
さらに、「学校教育法第三十四条第二項に規定する教材の使用について定める件」(平成30年文部科学省告示第237号)が改正されたことや、「GIGAスクール構想」による1人1台端末環境等の整備が進められていることを踏まえ、令和3年3月に改訂版が公表されました。
※ 学習者用デジタル教科書の効果的な活用の在り方等に関するガイドラインのホームページアドレス
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/139/houkoku/1412207_00001.htm
(2)学習者用デジタル教科書実践事例集及び研修動画
「デジタル教科書の効果的な活用の在り方等に係る調査研究事業」の成果として、学習者用デジタル教科書の効果的な活用のポイントや学習効果を高める工夫について、デジタル教材や他のICT機器も活用した授業展開を例示しながら紹介した実践事例集が平成31年3月に策定・公表しました。
さらに、(1)で述べた学習者用デジタル教科書をめぐる状況の変化や、令和元年度より実施しているデジタル教科書の効果・影響等に関する実証研究事業の成果を踏まえ、令和4年5月に最新版を公表し、併せて研修動画についても策定・公表しました。
※ 学習者用デジタル教科書実践事例集のホームページアドレス
https://www.mext.go.jp/content/20220427-mxt_kyokasyo02-100002550_01.pdf (PDF:1,980KB)
※ 令和3年度「学習者用デジタル教科書の効果・影響等に関する実証研究事業」研修動画(※YouTubeへリンク)
https://www.youtube.com/playlist?list=PLGpGsGZ3lmbBY_P56Qk4G8pEm1CpLQhn_
学習者用デジタル教科書が制度化された令和元年度より、その使用による教育上の効果・影響等を把握・検証する実証研究を行っています。
令和3年度には、広く小学校5年生~中学校3年生に1教科分の学習者用デジタル教科書を提供し普及促進を図るための実証事業を行い、令和4年度には、全ての小中学校等を対象として、英語等の一部の教科で学習者用デジタル教科書を提供し普及促進を図るための実証事業を行っています。
また、「GIGAスクール構想」の進展等を踏まえ、学習者用デジタル教科書の今後の在り方等について、令和2年7月より開催している「デジタル教科書の今後の在り方等に関する検討会議」において検討を進め、令和2年12月に「学習者用デジタル教科書の使用を各教科等の授業時数の2分の1に満たないこととする基準の見直しについて」、令和3年3月に中間まとめ、令和3年6月に第一次報告が取りまとめられました。
加えて、デジタル教科書に標準的に備えることが望ましい最低限の機能や操作性等、過年度のデジタル教科書を使用できるようにするための方策など、デジタル教科書の普及促進に向けた技術的な課題について議論するワーキンググループを令和3年7月から開催し、デジタル教科書の導入・管理に関係する統一化されることが望ましい仕様等の標準化を行いました。
更に、令和6年度を見据え、令和4年1月には中央教育審議会に特別部会を設置し、教科書・教材のデジタル化の進め方等について検討頂いております。
※ デジタル教科書の今後の在り方等に関する検討会議のホームページアドレス
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/157/index.html
※ デジタル教科書の普及促進に向けた技術的な課題に関するワーキンググループのホームページアドレス
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/157/001/index.html
※ 教科書・教材・ソフトウェアの在り方ワーキンググループのホームページアドレス
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/089/index.html
初等中等教育局教科書課
-- 登録:平成26年07月 --