免許更新制高度化のための調査研究事業公募要領

1 事業名

 令和2年度免許更新制高度化のための調査研究事業

2 事業の趣旨

 教職課程の履修により免許状を取得した後の継続的な学習のための制度として、平成21年度から教員免許更新制が導入されている。この制度は、教師として必要な資質能力が保持されるよう、定期的に最新の知識・技能を身に付けることで、教師が自信と誇りを持って教壇に立ち、社会の尊敬と信頼を得ることを目的としている。
 しかしながら、今般の新型コロナウイルス感染症に伴う影響により、免許状更新講習が例年と同じようには受講しにくい状況となっており、文部科学省としては、令和2年3月31日及び4月28日に通知を発出し、免許状更新講習の実施に当たって感染症対策の徹底を求めるとともに、対面式講習について通信式講習として実施すること等の特例を認める措置をとっている。また、6月5日には、現職教員の業務量の増大等を理由として、教員免許状の更新期限の延期又は延長を行うことが可能である旨、各都道府県教育委員会に対し通知を発出したところである。
 一方で、更新講習開設者においては、各地域の新型コロナウイルス感染症の拡大状況を注視しつつ、対面式講習から通信式講習への切り替えや履修認定試験の実施方法について苦慮し、やむなく更新講習自体を廃止する状況が見られている。更新講習開設者が翌年度以降も講習を開設していくに当たり、新型コロナウイルス感染症の拡大前からの開設者の取組や負担感等の情報も収集しつつ対策を講じる必要がある。
 また、本年7月17日の中央教育審議会初等中等教育分科会新しい時代の初等中等教育の在り方特別部会においては、教員養成部会の審議まとめが報告され、Society5.0時代における教師及び教員組織の在り方について、社会の変化や義務教育9年間を見通した教科担任制の推進など多種多様な変化にさらされており、学校は多様性と柔軟性を備えた組織になっていく必要があるとし、民間企業等を経験した人材など、多様な知識・経験を有する外部人材を活用する重要性についても触れられている。
 こうしたことを踏まえ、本調査研究では、今般の新型コロナウイルス感染症に伴う更新講習への影響を含め、更新講習開設者の取組及び負担感等について調査研究を実施するとともに、教員免許状を所持している外部人材の活用を進めていくため、民間企業等勤務経験者に対して更新制に関する意識調査を実施することを通じて、教員免許更新制を含む免許制度全体の高度化に資する取組を推進する。

3 事業の内容

 以下に挙げる事業を実施すること。ただし、参加者による企画提案の内容のうち、文部科学省が事業の実施効果を高めることができると判断した内容については、追加することを妨げない。
 

(1)免許状更新講習開設者の取組及び負担感等に関する調査

 新型コロナウイルス感染症に伴う更新講習への影響、これまでの更新講習の効果検証を確認するに当たっての更新講習開設者の取組及び負担感等について調査を実施

1.  調査対象
 更新講習開設者(教育職員免許法第9条の3に規定する「大学」に限る。)

2.  調査項目・調査方法等
 現時点で想定している調査項目は以下のとおり。事業の実施効果を高めるための追加すべき調査項目及び調査方法(調査規模)等を企画・提案すること。最終的には文部科学省との協議のうえで決定することとする。
(調査項目例)
【新型コロナウイルス感染症の影響】
・ 新型コロナウイルス感染症に対応するため、更新講習(履修認定試験の実施方法を含む。)にどのような対策を講じたか。
・ 新型コロナウイルス感染症を受けて、今後の更新講習の実施方法の改善を検討しているか。

【これまでの更新講習の効果検証】
・ 更新講習の効果・必要性について、どう思うか。
・ 開設者として、更新講習を開設する意義・メリットは何か。
・ 講習開設によって、開設者や講師個人にどの程度負担が生じているか。
・ 上記のほか、更新講習を実施するに当たり、困難と感じる点はあるか。
・ 講習内容の充実と受講料の関係について意見はあるか。
・ 特に受講者のニーズや評価が高い講座はどのようなものか。また、そのような講座の開講を増やすに当たり困難なことはあるか。(例えば、開設に要する費用等)
・ 受講者のニーズを日頃から把握するよう努めているか。
・ 受講後に受講者の意向を聞き、講習の運営状況や効果を踏まえて、翌年度の講習開発・改善に反映しているか。反映している場合は、具体的にどのように改善しているか。(免許状更新講習の認定申請等要領に定められている「免許状更新講習受講者評価書」による調査以外の実施の有無)
・ 講習内容について教育委員会との調整を行っているか。

3.  分析・報告等
 上記2.  の調査結果を踏まえて分析した資料を作成・報告すること。

(2)教員免許状を所持する民間企業等勤務経験者に対する意識調査

 将来にわたって必要な教員数を確保するに当たり、教員免許状を所持している外部人材の活用を進めていくため、民間企業等勤務経験者に対して更新制に関する意識調査を実施

1.  調査対象
 教員免許状を所持(休眠・失効状態を含む。)する民間企業等勤務経験者
(民間企業等勤務経験のある現職教員を対象に含めることも可)

2.  調査項目・調査方法等
 現時点で想定している調査項目は以下のとおり。事業の実施効果を高めるための追加すべき調査項目及び調査方法(調査規模)等を企画・提案すること。最終的には文部科学省との協議のうえで決定することとする。
(調査項目例)
・ 職業としての教育職員のイメージはどうか。
・ 教育職員への転職に関心があるか。
・ 休眠・失効状態の免許状所持者について、更新講習を受講しないと教育職員になれないことを知っているか。また、その仕組みについてどう思うか。
・ 更新講習を受講できる者が、現職教員及び教員になる見込みのある者に限定されていることについてどう思うか。
・ 期待する更新講習の内容はどのようなものか。
・ 更新講習が教育職員への転職の障壁となっていないか。障壁となっている場合は、その具体的な要因(金銭的、時間等)は何か。
(以下、主に民間企業等勤務経験のある現職教員又は教員経験者に対して)
・ 更新講習の受講経験はあるか。
・ 更新講習は魅力的な内容になっているか。
・ 更新講習は社会人にも受講しやすいように配慮されていると感じるか。

3.  分析・報告等
 上記2.  の調査結果を踏まえて分析した資料を作成・報告すること。

4 事業の委託先

 公募対象は以下(1)から(4)のいずれかに該当する者とする。
(1)都道府県又は市町村(特別区を含む。以下同じ。)の教育委員会
(2)幼稚園、幼保連携型認定こども園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校又は大学を設置する法人
(3)(2)以外の法人格を有する団体
(4)法人格は有しないが、次の1.  から4.  の要件を全て満たしている団体
 1.   定款、寄附行為又はこれらに類する規約等を有すること。
 2.   団体等の意思を決定し、執行する組織が確立されていること。
 3.   自らを経理し、監査する等会計組織を有すること。
 4.   団体活動を経常的に行うための事務組織を有すること。

5 企画競争に参加する者の必要資格に関する事項

・ 予算決算及び会計令第70 条の規定に該当しない者であること。なお、未成年者、被保佐人又は被補助人であって、契約の締結のために必要な同意を得ている者は、同条中、特別の理由がある場合に該当する。
・ 文部科学省の支出負担行為担当官等から取引停止の措置を受けている期間中の者ではないこと。

6 事業規模(予算)

予算額:1,110万円限度
採択件数:1機関(予定) 採択件数は審査委員会が決定する。

7 委託契約期間

契約締結日~令和3年3月31日

8 応募方法等

 本事業の委託を受けようとする企画提案者は次項以下に定めるところにより、提出期限までに、企画提案書等を作成し、総合教育政策局長宛てに提出すること。
 なお、企画提案書等の作成等応募に係る費用は、選定結果にかかわらず企画提案者の負担とする。

(1)提出書類

【必須】
1.  企画提案書(別添 事業実施計画書)
 ※再委託を行う場合の見積書や一般管理費の算出根拠など、企画提案書の内容を補完する資料についても、あれば提出すること。
 

【該当ある場合のみ】
2.  審査基準にある「ワーク・ライフ・バランス等の推進に関する評価」における認定等又は内閣府男女共同参画局長の認定等相当確認通知がある場合、その写し
3.  応募団体の概要(別紙様式1)
 ※都道府県又は市町村の教育委員会以外の者が応募する場合は、提出すること
4.  任意団体に関する事項(別紙様式2)
 ※法人格を有しない者が応募する場合は、3.  とともに提出すること
5.  誓約書(別紙様式3)
 ※1 本企画競争に参加を希望する者は、事業実施計画書の提出時に、暴力団体等に該当しない旨の別添の誓約書を提出しなければならない。
 ※2 前項の誓約書を提出せず、又は虚偽の誓約をし、若しくは誓約書に反することとなった場合は、当該者の事業実施計画書は無効とするものとする。
 ※3 前2号は、地方公共団体、国立大学法人及び独立行政法人には適用しない。
 

<2.  の具体例>
1)評価の対象とする認定等を証する書類(当該認定等の根拠法令に基づき厚生労働省が定める各都道府県労働局長が発出した認定通知書等)として、次のものの写し。
 ○女性活躍推進法第9条に基づく認定(えるぼし認定)に関する基準適合一般事業主認定通知書 ※労働時間の基準を満たすものに限る。
 ○女性活躍推進法第12条に基づく認定(プラチナえるぼし認定)に関する基準適合一般事業主認定通知書
 ○次世代育成支援対策推進法(平成15 年法律第120 号。以下「次世代法」という。)第13条に基づく認定(くるみん認定)及び同法第15条の2に基づく特例認定(プラチナくるみん認定)に関する基準適合一般事業主認定通知書
 ○青少年の雇用の促進等に関する法律(昭和45 年法律第98 号。以下「若者雇用促進法」という。)第15条に基づく認定(ユースエール認定)に関する基準適合事業主認定通知書
 ○女性活躍推進法第8条に基づく一般事業主行動計画策定届(常時雇用する労働者の数が300人以下のものに限る)

2)女性活躍推進法、次世代法及び若者雇用促進法に基づく認定並びに女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画策定の対象とならない外国法人(以下「対象外国法人」という。)については、評価の対象とする次に掲げる認定等相当確認を証する書類(内閣府男女共同参画局長が発出したワーク・ライフ・バランス等推進企業認定等相当確認通知書)の写し
 ○女性活躍推進法第9条に基づく認定(えるぼし認定)に相当するもの ※労働時間等の働き方に係る基準を満たすものに限る。
 ○女性活躍推進法第12条に基づく認定(プラチナえるぼし認定)に相当するもの
 ○次世代法第13条に基づく認定(くるみん認定)及び同法第15条の2に基づく特例認定(プラチナくるみん認定)に相当するもの
 ○若者雇用促進法第15条に基づく認定(ユースエール認定)に相当するもの
 ○女性活躍推進法第8条に基づく一般事業主行動計画策定(対象外国法人において、常時雇用する労働者の数が300人以下のものに限る。)に相当するもの

(2)企画提案書(事業実施計画書)の提出様式

・ 企画提案書は事業実施計画書によって代えることとし、「別添 事業実施計画書」を提出すること。
・ 様式は全てA4縦判横書きとし、正確を期すため、パソコン、ワードプロセッサー等の判別しやすいもので作成すること。

(3)提出部数

 1.  ~5.   各1部

(4)提出方法

1)郵送等
・ 公印を押印した1.  の正本1部(片面印刷すること)及び2.  ~5.  の1部を、配達が証明できる方法(特定記録、小包、簡易書留等)で、期限に余裕を持って発送すること。
・ いかなる方法においても、(6)の提出期限を過ぎた場合は受け付けない。
・ 郵送上の事故(未達等)について、当方は一切の責任を負わない。

2)電子メール
・ Word又は一太郎にて作成した1.  及び2.  ~5.  を電子メールに添付の上、送信すること。(2.  ~5.  については、PDFファイルでも可とする。)
・ メールの件名は「令和2年度免許更新制高度化のための調査研究事業(団体名)」とする。
・ メール受領後、申請者に対してメールにより受領確認を送信する。送信後1日を過ぎても受領確認メールが届かない場合は、電話にて16「問合せ先」まで照会すること。
・ メール送信上の事故(未達等)について、当方は一切の責任を負わない。

(5)提出先

〒100-8959 東京都千代田区霞が関3-2-2
文部科学省総合教育政策局教育人材政策課 教員免許企画室更新係
E-mail:menkyo@mext.go.jp

(6)提出期限

 令和2年10月9日(金曜日)  
・ 電子メールは当日の送信記録があるもの
・ 郵送等の場合、当日18:00必着
※公募締切日後の企画提案書等の提出、差し替え及び訂正は認めない。

(7)その他

 事業実施計画書等の作成費用については、選定結果にかかわらず企画提案者の負担とする。また、提出された事業実施計画書等については、返却しない。

9 企画提案に盛り込む内容

 以下に挙げる項目を盛り込んだ企画提案書を作成し、提出すること。
・ 実施方針及び実施内容(分析・報告のイメージを含む。)
・ 実施体制及びスケジュール
・ 参加者の概要及び類似実績
・ 業務従事者の類似実績
・ 参考見積

10 選定方法等

(1)選定方法

  審査委員会において書類審査を実施する。

(2)審査基準

  別途定める審査基準のとおり。

(3)選定結果の通知

  選定終了後、20日以内に全ての提案者に選定結果を通知する。

11 事業に係るデータ等の提出について

 文部科学省が事業の契約期間内及び契約期間が終了した後に、本事業によって得られたデータ等(個人情報以外の原データを含む)について情報提供の依頼を行った場合、委託先は当該データ等の提出について協力を行うこと。

12 事業の成果について

 以下に挙げる成果物をそれぞれ期日までに作成し、文部科学省に提出すること。
・ 中間報告書、5部(契約期間の中間の日まで。詳細の日は事業担当課と調整すること。)
・ 事業報告書、5部(契約期間の満了の日まで)
・ 上記を収録した電子媒体(CD-R等)、1部(契約期間の満了の日まで)

13 契約締結

 選定の結果、契約予定者と企画提案書を基に契約条件を調整するものとする。なお、契約金額については業務計画書の内容を勘案して決定するものとするので、企画提案者の提示する金額と必ずしも一致するものではない。また、契約条件等が合致しない場合には契約締結を行わない場合がある。

※ 国の契約は、契約書を締結(契約書に契約の当事者双方が押印)したときに確定することとなるため、契約予定者として選定されたとしても、契約書締結後でなければ事業に着手できないことを十分注意すること。なお、再委託先がある場合は、この旨を再委託先にも十分周知すること。

14 スケジュール(予定)

 1. 公募開始:令和2年  9月9日(水曜日)
 2. 公募締切:令和2年10月9日(金曜日) 
 3. 選定   :令和2年10月中旬
 4. 結果通知:令和2年11月上旬
 5.   契約締結:順次締結
 6. 契約期間:契約締結日~令和3年3月31日

 ※ 契約書締結後でなければ事業に着手できないので、企画提案書作成にあたっては、事業開始日に柔軟性を持たせた上で作成する必要があることに十分留意すること。なお、再委託先がある場合は、この旨を再委託先にも十分周知すること。

[契約締結に当たり必要となる書類]
 選定の結果、契約予定者となった場合、契約締結のため、遅滞なく以下の書類の提出を求めることから、事前に準備しておくこと。
・ 事業計画書(審査委員から意見が提示された場合には、その指摘事項を反映した事業計画書の再提出を求める。)
・ 委託業務経費(再委託に係るものを含む)の積算根拠資料(謝金単価表、旅費支給規定など)
・ 再委託に係る委託業務経費内訳
・ 銀行振込依頼書(採択の連絡と合わせて、文部科学省から様式を別途送付する。)

15 その他

(1)採択件数は現時点の予定であり増減する場合がある。最終的な採択件数は審査委員会が決定する。
(2)公募期間中の質問・相談等については、当該者のみが有利となるような質問等については回答できない。質問等に係る重要な情報はホームページにて公開している本件の公募情報に開示する。
(3)事業実施にあたっては、契約書及び企画提案書等を遵守すること。女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づく認定など企画提案書に記載した事項について、認定の取消などによって記載した内容と異なる状況となった場合には、速やかに文部科学省へ届け出ること。

16 問合せ先

文部科学省総合教育政策局教育人材政策課教員免許企画室更新係
Tel:03-5253-4111(内線3572)
E-mail:menkyo@mext.go.jp

 

お問合せ先

総合教育政策局教育人材政策課

(総合教育政策局教育人材政策課)