多様な学習を支援する高等学校の推進事業(平成29年度)(2)

長崎県

【調査研究課題名】
高等学校における遠隔教育の普及推進に関する調査研究~Web会議システムを用いた遠隔授業による教育効果について~

【調査研究成果】
 [調査研究校:長崎県立対馬高等学校,長崎県立豊玉高等学校,長崎県立島原高等学校]
本県では,安価なWeb会議システムを活用した遠隔教育について,調査研究を行った。この研究を通じて,遠隔教育は離島山間地域に所在する学校における教育不均衡の是正に有効であり,Skype等の汎用性の高いシステムを用いた遠隔教育は多方面との接続が可能であり,大きな可能性があることも分かった。通信基盤の脆弱性が課題となるが,各種サーバーを通さない無線ルーターを用いたシステム構築など工夫の余地があることも確認できた。一方,遠隔教育の可能性を確認するために音楽や家庭など実技や実習を伴う遠隔授業にも取り組んだが,これらの教科においては有用性を十分に指摘できなかった。なお,「遠隔教育サミットin長崎」の総括として,慶應義塾大学SFC研究所には「高等学校・遠隔授業における安全な学習系システム運用ガイドブック Vol.2.0」を作成していただいた。これらをもとに,引き続きWeb会議システムを活用した高大連携について実践研究を続けていきたい。

山形県

【調査研究課題名】
定時制・通信制課程における支援・相談体制の構築

【調査研究成果】
 [調査研究校:山形県立霞城学園高等学校]
本研究では,1.進路アドバイザーやキャリアカウンセラーなどの外部人材の活用が,定時制・通信制高校で学ぶ生徒の社会力向上や進路実現にどの程度有効か,2.外部機関との連携と協働により,定時制・通信制高校の組織的な問題解決能力をいかに向上させるか,をねらいとする。
この事業による生徒側の成果としては,進路未決定で卒業する生徒が減ったこと,原級留置や退学者が大幅に減少したことなど,粘り強い生徒が増えたことがあげられる。また,教員側の成果としては,外部機関の協力による校内研修により,「わかる授業」「考える授業」を意識するようになったことがあげられる。
この事業を通して教員の生徒に対する見方が変化し,それが心のメッセージとして生徒に良い影響を与え,生徒がより高い次元の課題に取り組むようになったことが一番の成果と考えられる。

神奈川県

【調査研究課題名】
定時制・通信制課程における支援相談体制の構築 -外部機関とのネットワークづくりや重層的支援の充実を通して-

【調査研究成果】
 [調査研究校:神奈川県立横浜修悠館高等学校,神奈川県立厚木清南高等学校]
横浜修悠館高等学校では,「横浜修悠館支援データベース」を完成させ,基本的運用指針を定めて運用を開始し,教職員間並びに修悠館サテライト相談員,SSW,SC等とのきめ細かな情報交換を行うことで,生徒への適切な支援に役立てることができた。「修悠館サテライト」では,複数回の相談を経て他機関につながるだけでなく,速やかに他機関につなぐことで,次のステップへ進む成果も見られた。上級学校への進学を目ざす生徒への学習支援(スーパートライ教室)は,進路希望を実現する大きな力になった。厚木清南高校では,フレキシブルスクールの特性を活かした教育環境の整備が進み,授業のユニバーサルデザイン化に伴う各種授業ツールの共通化,専門医による相談会等を通じて積極的なアプローチを図ることができ,教育相談の連携が強化された。また,外部との連携強化による,生徒一人ひとりの課題,状況に応じたキャリア支援の充実を図ることができた。

お問合せ先

初等中等教育局参事官(高等学校担当)付

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(初等中等教育局参事官(高等学校担当)付)