学校図書館

子ども読書の街<学校図書館の取組事例紹介>

前へ 07.さいたま市立大谷場東小学校・大谷場中学校(埼玉県)
小・中学校が連携し、子どもたちが本を読みたくなるような学校図書館をつくる取組

 「中学生や大人の間で人気のあの本を読んでみたいなあ。」本が好きで、小学生用の面白そうな本はあらかた読んでしまった小学校6年生。「国語が苦手なので、難しい漢字がいっぱいで字がぎっしりの本なんて読めないよ。」という仲学生。こんな二人の願いを同時に実現できる学校図書館がさいたま市の学校の中にあります。その名は「ふみくら」。「ふみくら」とは、1つの校舎を共有しているさいたま市立大谷場東小学校と大谷場中学校の2校の中央にある共用の学校図書館の名前です。小学生、中学生双方へのニーズに応える蔵書が整備されているため、多くの児童生徒の願いに応じることができます。
 明るい館内で、普通教室6つ分の広さがあります。大きな窓の前には半円形の読み聞かせ用ステージや落ち着いて読書できる読書席、円テーブルやソファーなどがあります。また、図書検索用パソコンや3台の貸出用パソコンも設置されており、市内全小・中学校合わせた約140万冊の蔵書を検索することができ、それらの蔵書は週2回運行する書籍運搬便で学校に直接届けてもらうことができます。館内には2名の学校図書館司書が常駐し、子どもたちの本に関する質問に答えたり、本の説明をしたりするなど、司書教諭とともに常に子どもたちをサポートしています。
 大谷場東小学校・大谷場中学校では、「活きのいい、今を呼吸している学校図書館」「心がくつろげ、豊かな読書の世界で遊びたくなる学校図書館」を目指して運営しています。具体的には、朝読書をはじめ、「目指せ1万ページ!」「読書貯金通帳」等の取組、読書紹介カードの作成や各種新聞やパンフレットの展示、学校図書館通信の発行などで児童生徒の読書意欲を高めています。また、図書委員会の活動の一つとして、中学生が小学生に本の読み聞かせを行っています。更に、学校図書館は朝9時から5時まで、毎日開館し、図書の貸出をしています。1日に400冊以上貸し出すこともあり、館内は小学生と中学生が混じり合い、カウンターの前に列ができるほどです。特に昼休みは中学生が大勢来館し、小学生の図書委員が中学生に本を貸し出したりするような場面も日常的な風景です。
 このような取組の成果として、学校図書館で毎日本を読むことが日課となっているような、本が大好きな児童生徒が増えています。小・中学校で連携して学校図書館教育を推進する中で、「豊かな本の世界で遊び成長し、そして自分を表現できるような子どもたちが多く育ってきている」、そんな手ごたえを感じています。


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-- 登録:平成21年以前 --