平成20年度帰国・外国人児童生徒受入促進事業に係る報告書の概要 神奈川県相模原市
実施団体名【 相模原市教育委員会 】
平成20年度に実施した取組の内容及び成果と課題
1.研究事項(テーマ)
『帰国及び外国人児童・生徒と保護者、学校、関係機関を含めた総合的な教育体制の確立』
~帰国及び外国人児童・生徒への日本語指導活動と就学支援活動の更なる充実を図る~
2.事業の実施体制(地域連絡協議会の構成員等)
別添参照
3.研究内容 〈具体の取組内容〉
1.地域連絡協議会
本事業の統括的な役割をもたせることで研究の方向性を定め、より効果的な外国人児童・生徒支援教育の構築をめざす。(年間3回)
- 地域連絡協議会で企画・検討した研修会等
国際教室担当者会(年3回)
国際教育担当者研修会(年2回)
授業研究会(年6回)
2.就学支援
- 「外国人児童・生徒の手引き」(10言語)の作成。
<19年度作成 4言語>
タガログ語 中国語 スペイン語 韓国・朝鮮語
<20年度作成 6言語>
ポルトガル語 タイ語 ベトナム語 カンボジア語 ラオス語 英語
- 「言語別初期日本語指導用単語集」(12言語)を作成
タガログ語 中国語 スペイン語 韓国・朝鮮語 ポルトガル語 タイ語 ベトナム語 カンボジア語 ラオス語 英語 ロシア語 インドネシア語
3.受入体制の整備
市内2校の小学校に、それぞれ1名の日本語指導教員を通年で配置することで、国際教室の支援体制の充実を図る。
4.指導補助者
市内4校の小学校に、国際教室担当教員を補佐することを目的に、バイリンガルの指導補助者を計5名配置し、充実した支援体制づくりをめざす。
- 大島小学校<外国人児童在籍数18名>
・カンボジア籍の指導補助者を1名派遣 H20年度実績:100回派遣
- 光が丘小学校<外国人児童在籍数14名>
・カンボジア籍の指導補助者を1名派遣 H20年度実績:111回派遣
- 清新小学校<外国人児童在籍数14名>
・中国籍の指導補助者を1名派遣 H20年度実績:149回派遣
・スペイン語の堪能な指導補助者を1名派遣 H20年度実績: 14回派遣
- 富士見小学校<外国人児童在籍数11名>
・中国籍の指導補助者を1名派遣 H20年度実績:108回派遣
※派遣回数は、H21年1月31日現在までのもの
4.成果と課題
- 地域連絡協議会では、NPO団体をはじめとする関係諸機関と協議を重ねたことにより、外国人児童・生徒の受入体制や、本研究の方向性等に係わる有用な情報を交換することができた。
- 日本語巡回指導講師、日本語指導等協力者から代表コーディネーターとして地域連絡協議会に参加いただいたが、それぞれの組織内で協議内容等が十分周知するまでに至らなかった。
- 市内に小学校1校、中学校1校のセンター校を設置したことで、指導教材や受入体制等の情報を各校に発信することができた。また、日本語巡回指導講師、日本語指導等協力者、国際教室担当教員を対象に、授業研究会を開催し指導技術の向上に取り組むことができた。
- 本年度「外国人児童・生徒の手引き」6カ国版を作成し、昨年度作成分を含め10言語揃えることができた。
- 外国人児童・生徒が在籍する各校の教員向けに、「初期日本語指導用単語集」を12言語作成することができた。
- 指導補助者が学校に長期間派遣されていることで、常に子どもたちに支援の手が差しのべられ、結果として子どもの自尊感情も高まり、意欲的に学ぶようになった。
- 指導補助者が学校に常駐することで、日常の日本語支援以外に、学校便り・あゆみ等の翻訳作業等にも関わることができ、保護者への支援に寄与することができた。
- 国際教室を併設しない学校に指導補助者を派遣するためには、一人ひとりの個に応じた指導内容や指導時間帯等をコーディネートするための役割を担う職員が必要である。
5.その他(今後の取組等)
- 国際教室に在籍する児童・生徒の保護者が、子育てや学校教育に係る情報を自由に交換できる場づくりの検討。
- これまで作成してきた「外国人児童・生徒の手引き」及び「初期日本語指導用単語集」を、紙媒体だけでなく学校間ネットワーク上に掲載するなど、より実用的な情報提供方法について検討。
- 一人ひとりの児童の実態の把握と情報を共有していくための、担任を中心とした関係者との綿密な連携のあり方。
- 各校に派遣している日本語巡回指導講師及び日本語指導等協力者を対象とした、より充実した研修会の開催と情報交換会の設定。
- 地域連絡協議会に代わる、NPO団体等を交えた協議会の創設について検討。
