シンプルな平面計画とガラスの多用により死角を少なくする

21 鹿児島県立K高等学校(鹿児島県)

校舎内の視認性を確保している

キーワード

  • 平面計画をシンプルにし、透明ガラスで死角を減らす
  • 地域開放ゾーンをまとめて配置
  • フェンスと低木で外部からの視認性を確保

基本方針と主な取組

平面計画をシンプルにし、透明ガラスで死角を減らす

 平面計画をシンプルにするとともに、透明ガラス窓を多用し、また、校舎内に吹き抜け、校舎間に光庭・中庭を設けている。見通しを確保し、死角の少ない計画とすることで、校内の人の動きに対して学校関係者の目が届き、不審者の侵入を発見しやすくしている(写真上、図2、写真3、4)。
 来校者には受付で腕章を付けてもらい、不審者を識別できるようにしている。

地域開放ゾーンをまとめて配置

 地域に開放する特別教室群をまとめて配置している。特に屋内運動場、柔道場、剣道場及び屋内プールからなる体育館棟は、利用者専用の門(写真5)や車椅子での使用を考慮した便所を設置している。

フェンスと低木で外部からの視認性を確保

 敷地境界にはフェンス・植栽を設置し領域性を確保するとともに、植栽の高さを通行人の目線以下に抑え、敷地外からの視認性を確保している(写真6)。
 中庭は下枝のない高木を植えることで豊かな教育環境を演出しながら視認性を確保している。

防犯対策に取り組むきっかけ

 全日制・定時制・通信制の課程をもつ単位制高校であり、生徒の年齢層が様々でかつ制服も無く、また地域に開かれた校風を目指しているため、常時人の出入りが多い。
 更に、定時制課程は夜9時まで授業があることなどから、学校を計画するにあたり、一般の高等学校よりもハード・ソフトの両面にわたり防犯対策を重視して取組む必要性があった。

評価と今後の課題

 平成15年度の開校以来、特に問題なく良好な運営が行われている。
 今後の改善点としては、地域との連携をさらに深め、地域と一体となった防犯対策を構築する必要があると考えている。

  1. 配置概略図
    1.配置概略図
  2. 明確化・可視化した移動空間(2階の例)
    2.明確化・可視化した移動空間(2階の例)
  3. 吹き抜けによる見通しの確保
    3.吹き抜けによる見通しの確保
  4. 保健室からの見通し。高木とすることで見通しが確保されている。
    4.保健室からの見通し。高木とすることで見通しが確保されている。
  5. 体育館棟利用者用の門
    5.体育館棟利用者用の門
  6. 敷地外からも校内が見通せる
    6.敷地外からも校内が見通せる

お問合せ先

文教施設企画部施設企画課

-- 登録:平成21年以前 --