住宅市街地という立地環境や、生涯学習社会を見据えた学社融合の推進等を踏まえ、行政・地域・有識者が一体となって検討した基本構想に基づき、学校、公民館、図書館の複合施設として建設された。
来校者は、1階の公民館の事務室前または2階デッキへの屋外の大階段を上ったところに置かれた総合案内所のどちらかで受付をして学校に入る(写真2)。公民館及び図書館の利用者も受付する必要があるが、これにより不審者が侵入しにくい環境を構築している。
また、総合案内所を拠点として警備員を配備し、行政パートナー(有償ボランティア)が主に学校側の受付を担当している。
1階は公民館事務室から、また2階デッキは学校の職員室から監視できる。
視認性の確保のため、校舎全体にわたって透明ガラスを多用している。このことにより防犯面だけでなく、学校、公民館及び図書館の活動が2階デッキから見えることで、地域の人々が様々な活動に興味を持つ機会となる効果も期待されている(写真上、写真3)。
死角となりやすい場所に防犯カメラを設置して、職員室で監視している(写真4)。
全職員は館内用PHSを、全児童は防犯ブザーを携帯しており、不測の事態が発生した際に迅速に連絡できる体制をとっている(写真5)。また、職員室等にさすまたと透明の盾を備えている(写真6)。
学社融合を目指し、公民館や図書館など地域住民が利用する施設と複合化することが決定された。不特定多数が出入りすることから、基本構想及び設計段階で防犯対策について検討を進めてきた。
施設・設備的に可能な防犯対策は盛り込んで計画している。今後は運用について利点と欠点を洗い出し、課題を解決していくことが求められる。なお、これまでも実際の運用を通じて改善できる点はその都度改善してきている。
防犯カメラ設置による抑止効果として、学校周囲における夜間のいたずらが減少している。
開かれた学校であるため、教職員のみならず地域の人も含めて多くの人の目で守り、子どもたちを育てていこうという共通理解が深まってきている。
文教施設企画部施設企画課
-- 登録:平成21年以前 --