【整備事例】当事者参画による整備事例

東京都国立市立国立第二小学校(新築事例)

 この小学校では、国立市が掲げるソーシャルインクルージョンのまちづくりの理念のもと、バリアフリーに配慮した学習空間が整備されています。
 設計段階で障害者団体から災害時の避難にも利用できるスロープを整備してほしいという要望が出され、日常的な動線としても利用できるスロープを中央の吹き抜け空間に設置しています。

生徒数
540人22クラス(うち特別支援学級4クラス)
構造
RC造
竣工年
令和6年
工期
約1年9か月(校舎のみの工期)
費用
約42億円(旧校舎解体費、体育館棟建設費を含む)
  • 外観

(1) アプローチ・昇降口

【アプローチ】

  • 敷地内には学校の正門から職員玄関、職員玄関から校舎1階の来訪者受付まで、誘導のために点字ブロックが敷設されている。
  • 点字ブロック

【昇降口】

  • 昇降口は、車いすや松葉づえなどを使う児童も他の児童と一緒に移動できるよう、段差のない仕様とした。
  • 段差のない昇降口

(2) 階段・廊下

【階段】

  • 階段には、点状ブロックを設置している。
  • 照明のスイッチを探したり、付けたりする必要がないよう、階段やトイレには人感センサーで点灯する照明を導入している。
  • 点状ブロック

  • 人感センサー付き照明

【廊下】

  • 廊下は、車いす使用者が円滑に移動できるよう、幅員2メートル以上と、十分な幅を確保するとともに、廊下の壁にフックを設けない等、通行の安全に配慮した計画とした。
  • 車いす使用者も円滑に移動できる廊下

  • 車いす使用者の移動の支障とならないよう、消火栓や消火器は壁に埋め込む計画とした。
  • 消火栓・消火器

  • 車いすでも利用しやすいよう、廊下にある各所の手洗い場の足元にクリアランスを確保した。
  • クリアランスを確保した手洗い場

  • 障害者団体から災害時の避難経路の確保の観点からスロープを設けてほしいという意見を踏まえ、校舎の中央に勾配の緩やかなスロープを設置。災害時の使用だけでなく、全ての子どもたちが日常的に利用できる位置にすることで、車いすを使用している子ども含め、皆が一緒に移動できる環境を作り上げている。

[当事者参画の詳細は下記リンク参照]

  • 整備されたスロープ

  • 平面図 スロープ計画位置

  • 安全のため、スロープの曲がり角(踊り場)には、クッションを設置している。
  • スロープ角のクッション

  • スロープに隣接する空間は、ピアノやベンチが置かれ、児童の居場所としても利用されている。
  • スロープに隣接する空間

(3) エレベーター

  • 13人乗りのエレベーター(出入口幅:100センチメートル、かご内:幅160センチメートル、奥行き135センチメートル)を整備した。
  • エレベーターの運用としては、障害のある児童や怪我をしている児童は、1人で使用してよいこととしている。
  • エレベーターの音声アナウンスには日本語と英語、表示には日本語、英語、中国語、韓国語が使われている。
  • エレベーター

  • エレベーター内部

  • エレベーター案内

(4) トイレ

  • 校舎1階にバリアフリートイレを計画し、オストメイト用設備、大型ベッド、ベビーチェア、着替え台等を配置している。

大型ベッド等を整備したバリアフリートイレ

  • 車いす使用者用トイレは各階に計画している。

車いす使用者用トイレ

  • 男女共用トイレも各階に計画している。
  • 男子トイレ・女子トイレの両方の入り口から男女共用トイレにアクセスできる平面計画とし、児童がどのトイレに入ったのか外から分からないように配慮している。

男女共用トイレ

  • ジェンダー平等を意識し、トイレの表示には青・赤などは使わずに、黒のピクトグラムで統一している。
  • トイレの案内図

  • 特別支援学級のエリアでは、排泄等でトラブルがあった際に速やかに対応できるよう、トイレとシャワー室を一体的に整備している。
  • 整備したシャワー付きトイレ

(5) 教室

  • 車いす使用者等の移動に配慮し、教室の出入口は段差を設けない計画とした。
  • 段差のない教室入口

  • 車いす使用者に配慮して、理科室や家庭科室の机は、高さが調整できる昇降式とした。

昇降式の机

(6) 案内

案内板には、視覚障害者の利用に配慮して、点字による表示を行った。

点字による表示

(7) その他(避難器具)

  • 車いすに乗ったまま避難できる降下型避難器具をバルコニーに整備している。
  • 手すりのロックを解除すると避難者の体重でゆっくりと降下し、離れると重りの作用で自動的に上昇するため、電力を使用せずに利用できる。
  • 製品の仕様
    搭乗部の寸法:603ミリメートル×730ミリメートル
    最大使用荷重:2,200ニュートン(約224キログラムまで対応)
     ※車いす使用者と介助者の2人同時での避難も可能。
    適応階高  :2,750~6,000ミリメートル
     ※基本的に各階への設置が必要
  • 避難器具使用例