1 |
共通事項
(1) |
個に応じた指導や多様な学習・生活集団の編成に柔軟に対応し,学習・生活内容にふさわしい環境を構成できる面積,形状等とすることが重要である。その際,健康で快適かつ安全な環境を確保するとともに,幼児児童生徒の学習への集中を高めるために光,熱,音等の環境づくりに配慮した計画とすることが重要である。
情緒障害,自閉症又はADHD等の障害との重複に対応した施設とする場合は,十分な安全性を確保するとともに,外部からの刺激が少なく落ち着いた環境を確保した計画とすることが重要である。
【聴覚障害に対応した施設】: |
グループ学習など集団学習で利用する室・空間は,相手の口元や表情が見やすいよう机等を配列できるように計画することが重要である。 |
|
(2) |
各室・空間は,学習や指導等に必要な教材・教具,機器,設備等に加え,幼児児童生徒の障害の状態や特性等に応じ必要となる生活上の諸行為のための機器,設備等を,機能的に配置できるような面積,形状等とすることが重要である。
【病弱に対応した施設】: |
休息するための家具等を設置するスペースを計画することが重要である。 |
|
(3) |
小規模校等において,建物面積を有効に活用するために,各室の機能を確保しつつ,特別教室・教科教室の各室を再編し,統合する計画も有効である。 |
(4) |
情報化の進展に対応し,障害に対する情報保障としての環境を確保するため,普通教室,多目的スペース,自立活動関係諸室,特別教室・教科教室,専門教育関係教室,講義室,教育相談・生活指導・進路指導・履修指導室等は,コンピュータ,視聴覚教育メディア等教育機器の導入が可能な面積,形状等とすることが重要である。
【聴覚障害に対応した施設】: |
集団補聴システムとともに,視覚的な情報保障のための校内LAN端末を設置し,リアルタイム文字情報システムを配置することができるよう計画することが望ましい。 |
|
(5) |
各室・空間は,学習等に利用する教材・教具,各資料等の種類及び量に応じた十分な収納スペースを,空間内又は隣接して計画することが重要である。 |
(6) |
特別教室・教科教室,自立活動関係教室に付設される準備室は,実験等の準備,教材作成,教材研究等教科に係る教員の執務及び教材・教具等の収納,管理等に必要な面積,形状等とすることが重要である。 |
(7) |
特別教室・教科教室等は,幼児児童生徒の主体的な学習を支援するとともに,必要に応じ,部活動,地域の小・中学校等との交流及び共同学習,学校開放などにおける利用を考慮して,地域住民等の多様な学習需要に対応できるような面積,形状等とすることが望ましい。 |
(8) |
幼児児童生徒が自然環境に親しみやすくするため,周辺環境となじむ形態を取り入れ,温かみのある雰囲気を計画することも有効である。 |
|
2 |
普通教室
(1) |
多様な学習形態に対応し,机その他の家具,教材・教具,学習機器・設備などの配置や,各種教材・教具等の収納のための家具等の設置が可能な面積,形状等とすることが重要である。 |
(2) |
十分な面積の掲示板を設けることが重要である。 |
(3) |
幼児児童生徒の持ち物を収納するための家具を,収納動作のための空間とともに,教室周辺部の日常的に目の届く位置に計画することが重要である。 |
(4) |
観察台,展示台等を,幼児児童生徒の活動空間とともに窓側等に計画することが望ましい。 |
(5) |
幼稚部の保育室は,多様な保育の内容や方法に対応することができるとともに,園具,遊具等を弾力的に配置できるような面積,形状等とすることが重要である。 |
(6) |
小学部の普通教室は,水栓,流しなどの設備を設置することができる空間を計画することが望ましい。
言語障害との重複に対応する場合は,主たる障害の特性に配慮しつつ,正しい構音の練習に利用する鏡,練習後の手洗いやうがい等のための設備を,動作空間とともに教室の周辺部に計画することが重要である。
【聴覚障害に対応した施設】: |
発音・発語の練習に利用する鏡,練習後の手洗いやうがい等のための設備を,動作空間とともに教室の周辺部に計画することが重要である。 |
【知的障害に対応した施設】: |
更衣スペースや更衣ロッカーの設置スペースを確保するなど,日常生活に関する学習の指導を考慮して計画することが重要である。 |
|
(7) |
小学部低学年用の普通教室は,生活,図画工作等の教科学習や合科的な内容の学習が行われることを考慮して計画することが望ましい。
【知的障害に対応した施設】: |
中学部及び高等部の普通教室は,生活単元学習等の領域・教科を合わせた指導が行われることを考慮して計画することが望ましい。 |
|
(8) |
普通教室内でのコンピュータ活用を考慮して,情報用のアウトレットやコンセントを設けたり,多様な情報機器が接続可能な設備を計画することが重要である。 |
(9) |
教科教室型の運営の場合においてホームベース等の生徒の生活空間を計画するときは,持ち物,学級の備品等を収納し,保管することのできる家具を配置できる面積,形状等とすることが望ましい。 |
|
3 |
多目的教室・プレイルーム等
(1) |
学習内容・形態等に応じ様々なコーナーを形成したり,各種の机,家具や教材・教具,遊具等を弾力的に配列し,収納したりできるような面積,形状等とすることが重要である。 |
(2) |
多様な学習内容・形態に対応するとともに,教育活動全体を通じた自立活動や総合的な学習活動の場として,個に応じた指導に加え,少人数指導による学習,グループ学習等にも対応できる計画とすることが重要である。その際,安心して体を自由に動かせるゆとりのある面積,形状等とすることが望ましい。
また,移動間仕切り等により分割することのできる計画とすることも有効である。 |
(3) |
幼稚部及び小学部の遊戯室,プレイルーム等は,活動の内容や方法等に応じ,各種の園具,遊具等の配置を換えたり,様々なコーナーを形成できるような面積,形状等とすることが望ましい。 |
(4) |
全校又は教科等の学習・メディアセンターを計画する場合は,利用人数や利用内容等に応じ,各種教材・教具等の配置及び収納空間,個別学習,グループ学習等のための学習空間を確保することのできる面積,形状等とすることが望ましい。
また,簡単な観察,実験等が可能となるような水栓,流し等を設置することのできる空間を計画することも有効である。 |
|
4 |
理科関係教室
(1) |
実験用机や観察・実験等に必要となる各種設備を,編成する集団の数,規模等に応じ適切に配置することのできる面積,形状等とすることが重要である。 |
(2) |
教育機器の提示・設置スペースや収納スペースを適切に確保できるような面積,形状等とすることが重要である。また,観察,実験等に用いる器具,材料,教材等を収納するための空間を計画することが重要である。 |
(3) |
実験机等を可動なものとし,流し,ガス栓その他の設備を設置するコーナー等と組合せて配置する計画も有効である。 |
(4) |
観察,飼育・栽培等のためのコーナー等の空間を日照の得られる室内外の適切な位置に計画することが望ましい。 |
(5) |
薬品を安全に収納し管理することのできる空間を準備室内に設けることが重要である。その際,地震等による薬品の落下及び薬品棚の倒壊等が起こらないように計画することが重要である。 |
(6) |
2室を計画する場合には,総合的な利用も考慮しつつ,分野別に分化させて計画することも有効である。 |
|
5 |
生活科のための施設
(1) |
生活科の学習における児童の活動場所は,学校の全ての施設が対象となるため,学校施設全体を生活科の実施に対応する環境として計画することが重要である。 |
(2) |
低学年の学習空間の周辺に,他の学習関係諸室や屋外教育環境施設との役割分担や連携を考慮しつつ,生活科教室や生活科のために準備する教材・教具等を集約配備する室・スペースを計画することが重要である。
【知的障害に対応した施設】: |
日常生活学習関係教室との関係を考慮して計画することが望ましい。 |
|
(3) |
地域の社会環境,自然環境の実態や周辺の地域施設等との連携に配慮して施設環境を計画することが重要である。 |
|
6 |
音楽関係教室
(1) |
各部又は各障害の多様な学習内容・指導方法に対応できるよう適切な面積,形状等を計画することが重要である。 |
(2) |
学習の機能別に室・空間を分化させること,個別学習用の個人練習室,グループ練習室等を設けること,又は,複数の学習集団を同時に収容できる小音楽ホール等として計画することも有効である。
【視覚障害に対応した施設】: |
音楽科等においては,楽器別のレッスン室等を設けることも有効である。 |
|
(3) |
視聴覚教材・教育機器の設置及び保管のための空間や,幼児児童生徒が日常的に利用する楽譜・楽器等や各種教材・教具等の収納のための空間を計画することが重要である。 |
(4) |
遮音性,吸音性等を考慮しつつ,良好な音響的環境となるように空間の形状,構造等とすることが重要である。また,床の振動による音の伝達を行う場合には,床の振動性状や他の室・空間への影響等に留意した形状,構造等とすることが有効である。 |
(5) |
準備室内には,視聴覚機器の操作及び保管並びに音楽教室内に収納できない多種類の楽器,小道具の収納等のための空間を設けることが重要である。 |
(6) |
幼児児童生徒による歌唱,演奏等の発表の場となるようなステージを設けることが望ましい。 |
|
7 |
図画工作・美術・工芸・書道関係教室
(1) |
小学部における図画工作のための教室,中学部・高等部の美術,又は高等部の工芸のための教室は,教育機器の活用に留意しつつ,表現活動の内容や児童生徒の作業動作,利用する用具等に応じた適切な仕様の机や諸設備等を活動しやすいように配置することが重要である。
また,美術・工芸作品の掲示・展示空間,材料,用具等の収納空間や流し等をコーナー等として設置できるような面積,形状等とすることが重要である。 |
(2) |
必要に応じ,平面的作業を行う空間と立体的作業を行う空間とに区分して計画することが望ましい。 |
(3) |
高等部の書道のための室・空間は,床面の利用にも配慮しつつ,適切な大きさの机等を活動しやすい間隔で配置することができ,かつ,作品の展示空間,用紙,用具等の収納空間や流し等を設置することのできるような面積,形状等とすることが重要である。 |
(4) |
工作用の機械等を児童生徒が安全に利用できるような動作空間を計画しつつ,危険防止の防護柵等で区分けした空間にまとめて設置することのできる面積,形状等とすることが重要である。
【知的障害に対応した施設】: |
児童生徒の実態等を考慮し,作業空間,運搬・移動のための空間,材料及び製作途中の作品の置き場等を計画する場合は,床面に各作業区域を表示することが有効である。 |
|
(5) |
揮発性の高い塗料等の危険な材料,各種工具等を安全に保管し,また,制作途中の作品等を一時的に保管することのできる空間を準備室内に設けることが重要である。 |
(6) |
図画工作又は美術・工芸関係教室に直接出入りできる位置関係で,戸外に,流し等の設備を設けた作業空間を計画することが望ましい。 |
(7) |
製図室を設ける場合は,個別学習と教員の机間巡視に対応可能な机の配列とし,用紙類その他の材料,用具等の収納,完成品等の保管,展示等のための家具等を設置することができる面積,形状等とすることが重要である。 |
|
8 |
家庭関係教室
(1) |
必要な机,台,設備,機器を,編成する集団の数及び人数並びに児童生徒の作業時の姿勢等に応じ,適切に配置できるような面積,形状等とすることが重要である。
【知的障害に対応した施設】: |
騒音や塵埃等に配慮しつつ,作業学習関係諸室との関連を考慮して計画することが望ましい。 |
|
(2) |
調理や被服に係る実習のための器材,道具,教材・教具等を収納できる空間を,室内にコーナー等として計画することも有効である。 |
(3) |
食物に係る実習のための教室は,児童生徒の摂食機能の状態に留意しつつ,試食机を配置できる空間を計画することが望ましい。 |
(4) |
被服に係る実習のための教室は,手芸品の製作に必要な設備の設置及び作品の展示のための空間を計画し,また,必要に応じ,仮縫い,試着等を行うことのできる空間を計画することが望ましい。 |
(5) |
住空間に関する実験のためのコーナー等の空間及び電気機器の仕組みやコンピュータの操作等に関する学習のできる空間を計画することが望ましい。 |
(6) |
家庭関係実習,介護福祉や保育に関する実習のための空間は,実習内容に応じて多目的に利用できるように計画することが望ましい。 |
(7) |
実習のための教室に隣接して,教材等の準備,材料や用具,機器等の収納のための準備室を計画することが重要である。また,必要に応じ,被服に係る実習における製作途中の作品等を一時的に保管できる空間を準備室内等に設けることが望ましい。 |
|
9 |
技術関係教室
(1) |
中学部の技術関係教室は,学校規模や指導内容に応じ,木材加工,金属加工,機械,電気等についての学習活動の適切な組合せにより空間を区分して計画することが望ましい。
【知的障害に対応した施設】: |
中学部の「職業・家庭」の指導における利用を考慮して技術関係教室を計画することが望ましい。また,作業学習関係諸室との関連を考慮して計画することが望ましい。 |
|
(2) |
小規模校等において1室として計画する場合は,十分な面積的余裕を確保し,実習机の配列に留意しつつ,各種工作機械,工具等を利用する空間を十分に確保することのできる面積,形状等とすることが重要である。 |
(3) |
生徒の作業時の姿勢等に応じた机等を活動しやすいように配置し,また,視聴覚教材や教育機器,日常的に使う工具及び材料,完成品等の保管,収納等のための家具等を利用しやすく設置することができる面積,形状等とすることが重要である。 |
(4) |
各種工作機械等を,機械相互の距離,方向に留意し,また,安全に利用するための動作空間を確保しつつ,危険防止のための防護柵等で区分した空間にまとめて設置することができる面積,形状等とすることが重要である。 |
(5) |
塗装を伴う実習等における利用のため,教室から直接出入りすることができる位置に,流し等の設備を設けた戸外の作業空間を計画することが望ましい。 |
(6) |
危険な材料,各種工具等を安全に保管し,また,製作途中の作品等を一時的に保管することのできる空間を準備室内に計画することが重要である。 |
|
10 |
作業学習関係諸室:【知的障害に対応した施設】
(1) |
作業学習関係諸室を計画する際には,社会の変化や時代の進展等を踏まえつつ,木工,金工,印刷,コンクリート作業,調理・食品加工,被服・縫製,クリーニング,農業関係,流通・サービス関係,福祉関係,軽作業などの作業種目ごとの指導内容及び指導計画等に応じて,それぞれの作業に必要な作業室(温室等を含む),作業準備室,倉庫,材料置き場,給排水・給湯設備などを計画することが重要である。 |
(2) |
特に衛生面・安全面,換気等に留意し,十分な移動空間及び作業空間が確保できるような面積,形状等とするとともに,適切な照度を確保できるよう計画することが重要である。 |
(3) |
機械等を安全に利用できるようにするために,危険防止の防護柵等で区分けした空間にまとめて設置できる面積,形状等とすることが重要である。また,機械等の電源は,集中的に管理できるようにするとともに,機械等の種類及び作業内容等を考慮し,適切な床仕上げとすることが重要である。 |
(4) |
作業及び機械等の使用に伴う振動,騒音及び塵埃等の発生を十分防止できるような計画とすることが重要である。 |
|
11 |
自立活動関係諸室
(1) |
視覚障害に対応した施設における自立活動関係教室等
 |
感覚機能に関する指導のための室は,指導に必要な各種機器,机,いす等の家具などを適切に配置でき,標本や模型など各種資料,器具等を収納・管理するための十分な家具等を設置できる面積,形状等とすることが重要である。 |
 |
視機能を評価するための室や視覚的な認知力に関する指導のための室は,評価や指導に必要な各種機器,机,いす等の家具などを適切に配置でき,各種資料,器具等を収納・管理するための十分な家具等を設置できるような面積,形状等とすることが重要である。 |
 |
点字などの言語指導のための室は,グループ指導及び個別指導に対応でき,指導に必要な資料等を収納・管理するための十分な家具等を設置できる面積,形状等とすることが重要である。 |
 |
日常生活技能に関する指導のための空間は,様々な補助用具の活用や指導者の動きなどに留意した面積,形状等とすることが重要である。 |
|
(2) |
聴覚障害に対応した施設における自立活動関係教室等
 |
聴力検査のための室は,検査に必要な各種機器,机,いす等の家具などを適切に配置でき,各種資料,器具等を収納・管理するための十分な収納家具等を設置できるような面積,形状等とすることが重要である。 |
 |
言語指導のための室は,グループ指導及び個別指導に対応でき,指導に必要な支援機器や資料等を収納・管理するための十分な収納家具等を設置できる面積,形状等とすることが重要である。 |
 |
聴覚活用を促すための室は,指導に必要な各種機器,机,いす等の家具などを適切に配置でき,各種資料,器具等を収納・管理するための十分な収納家具等を設置できるような面積,形状等とすることが重要である。 |
 |
日常生活技能に関する指導のための空間は,様々な補助用具の活用や指導者の動きなどに留意した面積,形状等とすることが重要である。 |
|
(3) |
知的障害に対応した施設における自立活動関係教室等
 |
コミュニケーションの学習等に関する指導のための室は,個別指導に対応でき,指導に必要な資料等を収納・管理するための十分な家具等を設置できるような面積,形状等とすることが重要である。特に,外部からの視覚的・聴覚的な刺激の防止に配慮した計画とすることが重要である。 |
 |
身体の動きに関する指導のための室・空間は,指導等に必要な各種機器,設備,遊具などを適切に配置したり,天井吊りとして設置でき,かつ,これらを収納・管理するための空間を計画できる面積,形状等とすることが重要である。 |
 |
水中での身体の動きに関する指導のための室・空間は,指導者の指導・介助を行うスペースに留意しつつ,必要な規模の水槽や準備スペース,更衣スペース等を利用しやすいように配置できる面積,形状等とすることが重要である。 |
 |
行動観察のための室を設ける場合は,幼児児童生徒の実態を把握できるよう,自立活動関係諸室と一体的に計画することが望ましい。 |
 |
自閉症等の障害との重複に対応する場合は,教室内の各々の区画の果たす機能が見てわかりやすいように整える,いわゆる「教室の構造化」(注)に配慮して計画することが望ましい。
|
(注)いわゆる教室の構造化… |
本指針においていわゆる「教室の構造化」とは,「自閉症等のある幼児児童生徒が見通しを持って円滑に活動するため,家具等により仕切りを設けたり,色分けをしたりすることにより,空間ごとに役割を持たせること」とする。 |
|
|
(4) |
肢体不自由に対応した施設における自立活動関係教室等
 |
身体の動きに関する指導のための室・空間は,指導に必要な各種機器,設備,遊具などを適切に配置でき,かつ,これらを収納・管理するための十分な空間を計画できる面積,形状等とすることが重要である。 |
 |
コミュニケーションや認知学習に関する指導のための室は,個別指導に対応でき,指導に必要な支援機器や資料等を収納・管理するための十分な家具等を設置できるような面積,形状等とすることが重要である。特に,外部からの視覚的・聴覚的な刺激の防止に配慮した計画とすることが重要である。 |
 |
水中での身体の動きに関する指導のための室・空間は,指導者の指導・介助を行うスペースに留意しつつ,必要な規模の水槽や準備スペース,更衣スペース等を利用しやすいように配置できる面積,形状等とすることが重要である。 |
 |
出入口部分は,車いすの乗降や補助用具の脱着等を円滑に行うことができる十分な面積,形状等とすることが重要である。 |
|
(5) |
病弱に対応した施設における自立活動関係教室等
 |
心理的な安定や身体の動きに関する指導のための室・空間は,指導に必要な各種機器,設備,遊具などを適切に配置でき,かつ,これらを収納・管理するための十分な空間を計画できる面積,形状等とすることが重要である。 |
 |
健康の保持に関する指導のための室・空間は,病気の種類や程度に応じグループ指導及び個別指導に対応でき,指導に必要な支援機器や資料等を収納・管理するための十分な収納家具等を設置できる面積,形状等とすることが重要である。 |
 |
水中での身体の動きに関する指導のための室・空間は,指導者の指導・介助を行うスペースに留意しつつ,必要な規模の水槽や準備スペース,更衣スペース等を利用しやすいように配置できる面積,形状等とすることが重要である。 |
 |
出入口部分は,車いすやストレッチャー等の乗降や補助用具の脱着等を円滑に行うことができる十分な面積,形状等とすることが重要である。 |
|
|
12 |
専門教育関係教室
(1) |
高等学校に準ずる専門教育に関する各教科・科目における実験・実習に必要な家具,工作機械,実験器具・装置等を配置でき,かつ,それらを安全に使用するための動作空間を確保できる面積,形状等とすることが重要である。 |
(2) |
実験・実習に必要な教材・教具や図面,図書等を収納するための家具,ディスプレイ装置,視聴覚機器を設置できる面積,形状等とすることが重要である。なお,必要に応じ,薬品を安全に保管できる空間を計画することが重要である。 |
(3) |
机,機器等の配置に留意しつつ二重床,床ピット等による配線,配管のための空間を計画することが望ましい。 |
(4) |
実験・実習等の内容に応じ,光,音,熱等に関する環境条件を確保できるように,空間の形状等に留意して計画することが重要である。 |
(5) |
廃液・排気ガス,粉塵等を発生する実験・実習室は,排水や換気を考慮した空間の形状や処理設備等の設置に留意して計画することが重要である。 |
(6) |
将来の学習方法等の進展や機器等の更新等に柔軟に対応できるように計画することが望ましい。 |
(7) |
このほか,各障害における専門学科を設置する場合は,以下の点についても留意することが重要である。
【視覚障害に対応した施設】: |
理療等の資格・養成に関わる学科における各教科・科目に対応する場合は,実習に必要な標本や実物模型等の各種資料等の展示・収納のための家具等を適切に配置でき,かつ,それらを安全に使用するための動作空間を確保できる面積,形状等とすることが重要である。また,外来者がマッサージ治療等を受けるために必要な面積,形状等も計画することが有効である。 |
【聴覚障害に対応した施設】: |
理容・美容,歯科技工,調理等の資格・養成に関わる学科における各教科・科目に対応する場合は,実習に必要な標本等の各種資料・機器等の展示・収納のための家具,設備等を適切に配置でき,かつ,それらを安全に使用するための動作空間を確保できる面積,形状等とすることが重要である。また,外来者が理髪等を受けるために必要な面積,形状等も計画することが有効である。 |
【知的障害に対応した施設】: |
知的障害の専門学科における各教科・科目に対応する場合は,作業学習関係諸室との関係を考慮しつつ,専門性の高い実習等に必要な家具,設備等を配置でき,かつ,それらを安全に使用するための動作空間を確保できる面積,形状等とすることが重要である。 |
|
|
13 |
図書室
(1) |
多様な利用に対応可能な閲覧机を配置し,必要な規模の書架等を利用しやすいように配列できる面積,形状等とすることが重要である。また,幼稚部や小学部低学年では,低年齢児の利用を考慮した図書コーナー等を設けることも有効である。
【視覚障害に対応した施設】: |
必要に応じ,ボランティアによる点字図書の整理等の作業や打合せ等のためのスペースを計画することも有効である。また,図書等の点字化,点字印刷,製本等のためのスペースを,図書室内あるいは隣接して計画することが望ましい。
また,視聴覚教室や教材・教具空間との役割分担に留意しつつ,点字情報ネットワークの端末,点字・音声教材の作成・編集のための機器等を備えた学習センター的な空間を計画することも有効である。
弱視児に必要な照度を確保するとともに,視覚補助具等の機器の設置を検討することが望ましい。 |
【肢体不自由又は病弱に対応した施設】: |
車いす等で移動する幼児児童生徒が,円滑に図書の出し入れや閲覧などを行うことができるように計画することが重要である。 |
|
(2) |
幼児児童生徒の様々な学習を支援する学習センター的な機能,必要な情報を収集・選択・活用する能力を育成する情報センター的な機能,学校における心のオアシスとなり,日々の生活の中で生徒がくつろぎ,自発的に読書を楽しむ読書センター的な機能について計画することが重要である。 |
(3) |
幼児及び小学部低学年の児童が使用するための空間として,落ち着いてゆったりとした雰囲気の絵本の閲覧コーナーを計画することも有効である。 |
(4) |
司書や司書教諭,図書委員等が,図書室の運営,図書その他の資料の分類,整理その他の作業等を行うための空間を計画することが望ましい。 |
(5) |
視聴覚機器・情報機器を設置したブースなどを設けることのできる空間を計画することが望ましい。 |
(6) |
情報化の進展に対応するため,図書その他の資料の検索及び管理,他の学校や地域の図書館等との連携等のための情報機器の導入に対応できる面積,形状等を計画することが望ましい。また,地域産業等と連携した職業情報の提供などに対応できる面積,形状等とすることも有効である。 |
(7) |
児童生徒の自習のための空間を,類似する他の空間等との役割分担や連携に配慮しつつ,閲覧室内あるいは隣接した位置等に計画することも有効である。 |
(8) |
図書を分散して配置する場合は,役割分担を明確にし,相互の連携に十分留意して計画することが重要である。 |
(9) |
学校開放を行う場合は,開放時の図書室の管理・運営の方法等に応じ,出入口,受付部分等の位置,仕様等に留意して計画することが重要である。 |
|
14 |
視聴覚教室
(1) |
類似する視聴覚機能を有する他の室・空間との役割分担や連携,将来の機器の更新等を考慮しつつ,各種機器をそれぞれの機能,特性等に応じ効果的に配置し,多目的に利用できる面積,形状等とすることが重要である。 |
(2) |
幼児児童生徒が映像を見やすいようスクリーン,TV等の機器や幼児児童生徒の座席を配置できる面積,形状等とすることが重要である。 |
(3) |
良好な音響的環境となるよう,空間の形状等を計画することが望ましい。 |
(4) |
各種視聴覚教材の作成,編集及び保管並びに各種視聴覚機器・機材の点検,調整,修理,保管等のための準備室,調整室,作業室等の空間を計画することが望ましい。 |
(5) |
二重床,床ピット等による配線空間を計画することが望ましい。 |
(6) |
視聴覚機器を分散配置する場合は,視聴覚教室の計画に準じて,各種視聴覚教育メディアを効果的に活用できるように,設置する室・空間を計画することが重要である。 |
|
15 |
コンピュータ教室
(1) |
情報機器や情報ネットワークの将来の更新,増設等も考慮し,コンピュータ機器,机等を利用しやすいよう配置できる面積,形状等とすることが重要である。
また,幼児児童生徒の様々な学習活動を支える学習・メディアセンターとしての機能を持たせた計画とすることも有効である。 |
(2) |
教材・教具,消耗品等の収納空間や,教員がプログラム作成等を行うための準備室を計画することが重要である。また,教室内に幼児児童生徒のプログラム作成,情報に関する資料等の閲覧などのための空間を設けることが望ましい。 |
(3) |
二重床,床ピット等による配線空間を計画することが望ましい。 |
(4) |
必要に応じ,白板の設置を計画することが望ましい。 |
(5) |
コンピュータを分散配置する場合は,コンピュータの利用目的や利用計画を明確にし,児童生徒の障害の状態や特性等に応じたコンピュータ教室を含め相互の密接な連携に留意して計画することが重要である。 |
(6) |
コンピュータ教室との役割分担及び連携を考慮した上で,教科「情報」のための教室を,利用人数,利用内容等に応じコンピュータ機器,机等を利用しやすいように配置できる面積,形状等とすることが望ましい。 |
|
16 |
教材・教具等の作成・収納空間
(1) |
教材・教具,幼児児童生徒の作品や教育機器,補助用具等を,陳列・保管・管理することのできる面積,形状等とすることが重要である。 |
(2) |
各種の教材及び視聴覚教材の作成のための機器,設備等を設置した作業コーナー等の空間を確保できるような面積,形状等とすることが望ましい。
【視覚障害に対応した施設】: |
教員等による触覚教材,拡大教材,音声教材などの作成のための作業を考慮した面積,形状等とすることが望ましい。 |
|
|
17 |
教育相談・生徒指導・進路指導・履修指導室
(1) |
教育相談のための室・空間は,個別及び少人数での相談が可能な空間を構成できる面積等とし,ゆったりとした心休まる雰囲気を備えたラウンジ的な空間となるように配慮して形状及び家具・設備等を計画することが望ましい。また,幼児児童生徒又はその保護者等のプライバシーを保護するとともに,カウンセリングに必要な静寂な環境を整えるため,遮音性・吸音性等に配慮することが望ましい。 |
(2) |
教育相談のための室・空間は,幼児児童生徒の立ち寄りやすい位置に保健室との連携を考慮し計画することが望ましい。 |
(3) |
生徒指導,進路指導,履修指導のための室・空間は,個別指導やグループ指導が可能な面積,形状等を確保することが望ましい。また,必要に応じ空間を仕切ることができるよう計画することも有効である。 |
(4) |
指導に必要となる資料等の閲覧,収納・保管のための空間や応接のための空間を室内又は隣接して計画することが重要である。 |
(5) |
進路に関する情報を児童生徒自ら検索できるよう,掲示板,書架,各種視聴覚教材,コンピュータ等を適切に配置できる面積,形状等とすることが重要である。 |
(6) |
教員や専門の相談担当者が常時業務に従事したり,アドバイザーを交えた関係者による事例研究ができるように計画することも有効である。 |
(7) |
不登校児童生徒の居場所としての適応指導教室は,学校内で他の学習空間から独立した場所となるように配置し,暖かい家庭的な雰囲気で個別学習を行うことのできる空間として計画することが有効である。 |
|
18 |
特別活動室
(1) |
特別活動の内容に応じ必要な面積,形状等とすることが望ましい。 |
(2) |
必要に応じ,和室の部分を設けることも有効である。 |
|
19 |
放送室
(1) |
児童生徒及び教員等の利用内容,設備等に応じ,必要な空間を構成することのできる面積,形状等とすることが重要である。
【聴覚障害に対応した施設】: |
文字放送等が可能な校内放送システムの設置を考慮するとともに,教材作成のため,字幕の挿入ができる設備の設置を考慮した計画とすることが重要である。 |
【病弱に対応した施設】: |
専用の校内LAN回線等を使って外部から見ることができないテレビ会議システム等を設置する場合は,必要に応じ,テレビ会議用サーバーやその中継局として必要な設備等の設置を考慮した計画とすることが重要である。 |
|
(2) |
スタジオを計画する場合は,テレビカメラ等を用いた放送活動も可能な面積,形状等とするとともに,必要な音響的環境を確保できる室の形状,構造等とすることが重要である。 |
(3) |
二重床,床ピット等による配線空間を計画することが望ましい。 |
|
20 |
地理歴史科・公民科関係教室
(1) |
地理歴史科・公民科関係教室・スペースを計画する場合は,利用人数,利用内容等に応じ,机,いす,視聴覚教育メディア等を適切に配置し,各種資料等を掲示・展示するためのコーナー等を設置できる面積,形状等とすることが重要である。 |
(2) |
教材作成,資料等の保管のための準備室を隣接して計画することが重要である。 |
(3) |
標本室・スペースは,各種資料等の展示のための家具等を適切に配置できる面積,形状等とすることが重要である。 |
|
21 |
保健体育関係教室
(1) |
保健体育関係教室・スペースを計画する場合は,利用人数,利用内容等に応じ,机,いす,視聴覚教育メディア等を適切に配置し,各種資料等を掲示・展示するためのコーナー等を設置できるような面積,形状等とすることが重要である。 |
(2) |
教材作成,資料等の保管のための準備室を隣接して計画することが望ましい。 |
|
22 |
外国語関係教室
(1) |
中学部・高等部に外国語関係教室を計画する場合は,必要に応じ,機能別に室・空間を分化させつつ,多様な学習活動に対応できる面積,形状等とすることが重要である。 |
(2) |
生徒の身体の動きや意思の伝達の状態等に応じ,教育機器の活用や個別指導,グループ指導等に対応できるよう計画することが重要である。 |
(3) |
視聴覚機器や情報機器を有効に活用できるよう音響的環境にも配慮の上,計画することが重要である。 |
(4) |
会話学習のために,学習形態や学習集団の規模等に応じた家具を配置できるような面積・形状等の室・空間を計画することも有効である。 |
(5) |
外国語教室に隣接して,教材等の作成,各種資料等の収納のための準備室を計画することが重要である。 |
(6) |
外国についての関心と理解を高め,国際理解を促すため,諸外国の文化などに関する資料等の掲示・展示のためのスペースの確保に配慮して計画することが望ましい。なお,諸外国の資料等を掲示・展示する専用の室・空間を計画することも有効である。 |
|
23 |
学習センター・自習室等
(1) |
学習センター・自習室等を計画する場合は,利用人数,利用内容等に応じ,各教科の学習に関連する各種教材,自学・自習等の個別学習やグループ学習等のための学習空間,担当教員等の執務空間等を確保できる面積,形状等とすることが望ましい。 |
(2) |
多目的な利用に配慮し,弾力的な利用ができる多目的スペースとして計画することも有効である。 |
(3) |
高等部等の生徒のための自習室は,生徒が落ち着いて学習できるよう,遮音性・吸音性等に配慮の上,学習のための家具を適切に配置できるような面積,形状等とすることが望ましい。 |
(4) |
視聴覚機器や情報機器を設置できる空間をコーナー等として計画することも有効である。 |
|
24 |
講義室
(1) |
講義室を計画する場合は,利用人数,利用内容等に応じ,机やいす,視聴覚教育メディア等を適切に配置できる面積,形状等とすることが重要である。なお,教員用の実験の場等の準備スペースを計画することも有効である。 |
(2) |
大空間の講義室を設ける場合は,移動間仕切り等により空間を分割できるように計画したり,階段状の室・空間とすることも有効である。なお,講師のための控え室を計画することも有効である。 |
|
25 |
ゼミ室
(1) |
ゼミ室を計画する場合は,多様な利用形態に応じ机の配列や黒板の設置などを行うことができるような面積,形状等とすることが重要である。 |
(2) |
視聴覚機器,コンピュータ,実験用設備等の設置に配慮した面積,形状等とすることも有効である。 |
|
26 |
日常生活学習関係教室
(1) |
和室,浴室,調理室等の日常生活上必要な技術・技能を獲得するために必要な室・空間を計画する場合は,幼児児童生徒一人一人の障害の状態や特性等を踏まえ,利用人数,利用内容等に応じた適切な面積,形状等とすることが重要である。
その際,家具,設備等の設置スペースを幼児児童生徒の実態等に応じ利用しやすいように配置できる面積,形状等とすることが重要である。 |
(2) |
幼児児童生徒相互及び教師と幼児児童生徒間の交流を促進し,地域住民との学習・文化活動や交流を推進する観点から,団らんの場,催しの場として多目的に利用できるように計画することも有効である。 |
|