【教職大学院の概要】
近年の社会の大きな変動の中、様々な専門的職種や領域において、大学院段階で養成されるより高度な専門的職業能力を備えた人材が求められています。教員養成の分野についても、子供たちの学ぶ意欲の低下や社会意識・自立心の低下、社会性の不足、いじめや不登校などの深刻な状況など学校教育の抱える課題の複雑・多様化する中で、こうした変化や諸課題に対応しうる高度な専門性と豊かな人間性・社会性を備えた力量ある教員が求められてきています。このため、教員養成教育の改善・充実を図るべく、高度専門職業人養成としての教員養成に特化した専門職大学院としての枠組みとして「教職大学院」制度が創設されました。
教職大学院では、以下の人材を養成することを目的としています。
1. 学校現場における職務についての広い理解をもって自ら諸課題に積極的に取り組む資質能力を有し、新しい学校づくりの有力な一員となり得る新人教員
2. 学校現場が直面する諸課題の構造的・総合的な理解に立って、教科・学年・学校種の枠を超えた幅広い指導性を発揮できるスクールリーダー
パンフレット「5分でわかる!教職大学院」 (PDF:138KB)
教職大学院の標準修了年限は2年とされていますが、各大学院の判断・工夫により、現職教員の履修の便宜等に配慮して、短期履修コース(例えば1年)や長期在学コース(例えば3年)の開設も可能です。
また、学部での教員免許状未取得者を対象に、教職大学院に在学しつつ、併行して一種免許状の取得に必要な学部の教職科目を履修できるコースが開設されている大学院もあります。
2年以上在学し、45単位以上修得することが修了要件とされており、10単位以上は学校における実習が義務化されています。なお、実習は、一定の教職経験を有することにより10単位の範囲内で免除可能です。
修了すると、専門職学位として「教職修士(専門職)」が授与されます。
各教職大学院に共通するカリキュラムの枠組(体系的・共通的に開設すべき授業科目の領域)が制度上明確化されているとともに、事例研究、授業観察・分析、フィールドワーク等を積極的に導入した指導方法により、
理論と実践の融合を図る教育を行うことになっています。
修了者は、大学院修士課程修了程度に授与される「専修免許状」を取得することができます。
●教職大学院の全体構造
専門分野に関し高度の指導能力のある専任教員を一定程度置き、必要専任教員数の4割以上を高度な実務能力を備えた「実務家教員」とすることが義務付けられています。
実践的指導力育成の教育のため、市中の学校から「連携協力校」の設定が義務付けられています。
中核的・指導的な教員の養成・研修の場としての水準の維持・向上を図るため、5年ごとに認証評価機関による評価を行うことが義務付けられています。