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自然災害に対する学校防災体制の強化及び実践的な防災教育の推進について(依頼)

元教参学第31号
令和元年12月5日

各都道府県・指定都市教育委員会学校安全主管課長
各都道府県私立学校主管課長
附属学校を置く各国公立大学法人担当課長
構造改革特別区域法第12条第1校の認定を
受けた各地方公共団体の学校設置会社担当課長
各国公私立高等専門学校担当課長                                       殿
各都道府県教育委員会専修学校主幹課長
専修学校を置く各国立大学法人担当課長
厚生労働省医政局医療経営支援課長
厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課長
各都道府県・指定都市・中核市認定こども園主管課長
 

文部科学省総合教育政策局
男女共同参画共生社会学習・安全課長
三好  圭
(印影印刷)

自然災害に対する学校防災体制の強化及び実践的な防災教育の推進について(依頼)

自然災害対応における児童生徒等の安全確保については、格段の御尽力をいただいていることに感謝申し上げます。
我が国においては、気象災害、地震災害、火山災害など様々な自然災害が発生しており、今後も、気象災害の激甚化や南海トラフ巨大地震等の大規模な災害が懸念されております。児童生徒等の命を守り抜くためには、これまで以上の学校防災体制の構築及び実践的な防災教育の推進が必要です。
また、報道等で御承知のとおり、東日本大震災の津波被害に係る大川小学校事故訴訟に関して、10月10日の最高裁判決において上告が棄却され、校長等や教育委員会に過失があったとして自治体に損害賠償を命じた控訴審の判決内容が確定したところです。
こうしたことを踏まえ、これまでの学校防災体制及び防災教育が適切であったかを振り返り、点検し、次の対策につなげていくという観点から、下記の事項を十分留意の上、学校安全計画や危機管理マニュアル、学校、家庭、地域、関係機関等との連携・協働の体制等について見直しをお願いします。
各都道府県・指定都市教育委員会におかれては、所管の学校(専修学校を含む。以下同じ。)及び域内の市区町村教育委員会に対し、各都道府県私立学校主管課におかれては、所轄の学校法人及び学校に対し、各国公立大学担当課におかれては、所管の附属学校に対し、構造改革特別区域法(平成14年法律第189号)第12条第1項の認定を受けた各地方公共団体の学校設置会社担当課におかれては、所轄の学校設置会社及び学校に対し、厚生労働省の専修学校主管課におかれては、所管の専修学校に対し、各都道府県・指定都市・中核市認定こども園主管課におかれては、域内の市区町村認定こども園主管課及び所轄の認定こども園に対して、周知されるようお願いします。
 

 

1.学校保健安全法に基づく取組について

(1)学校における取組

①学校安全計画の策定・見直し
学校安全計画は学校保健安全法(以下「法」という。)第27条により、各学校が策定することが義務付けられております。各学校においては、必ず策定するとともに、年間を通じた取組で得られた成果・課題を踏まえて定期的に見直しを行ってください。
学校安全計画の策定例については、学校安全資料『「生きる力」をはぐくむ学校での安全教育』に記載しておりますので、各学校は、これを参考に、策定及び見直しをお願いします。
各学校においては、学校安全計画を基に、安全教育、安全管理等を組織的に実施していただきますようお願いします。

(参考)学校安全資料『「生きる力」をはぐくむ学校での安全教育』

②実践的な防災教育の実施
防災を含む安全に関する教育については、児童生徒等が安全に関する資質・能力を教科等横断的な視点で確実に育むことができるよう、自助・共助・公助の視点を適切に取り入れながら、地域の特性や児童生徒等の実情に応じて、各教科等の安全に関する内容のつながりを整理し教育課程を編成することが重要です。その際、学校においては、「カリキュラム・マネジメント」の確立を通じた系統的・体系的な安全教育を推進することが求められます。
また、学校は日常生活において、危険な状況を適切に判断し、回避するために最善を尽くそうとする「主体的に行動する態度」を育成するとともに、危険に際して自らの命を守り抜くための「自助」、自らが進んで安全で安心な社会づくりに参加し、貢献できる力を身に付ける「共助・公助」の視点から防災教育を推進することが必要です。
さらに、防災教育の効果を高めるためには、危険予測の演習、視聴覚教材や資料の活用、地域や校内の安全マップづくり、学外の専門家による指導、避難訓練や応急手当のような実習など、様々な手法を適宜取り入れ、児童生徒等が安全上の課題について、自ら考え主体的な行動につながるような工夫が必要です。加えて、保護者参観日に防災の学習を行ったり、地域の避難訓練に児童生徒等が積極的に関わったりするなど、学校と家庭や地域が連携した防災教育を実施することも重要です。
各学校においては、学校安全計画の見直しにおいて、こうした防災教育についても取り入れるよう検討をお願いします。

(参考)
・小学校学習指導要領(平成29年文部科学省告示第63号)解説 総則編
・中学校学習指導要領(平成29年文部科学省告示第64号)解説 総則編
・学校安全ポータルサイト

③危機管理マニュアルの作成・見直し
学校は、法第29条により、危険等発生時対処要領(以下「危機管理マニュアル」という。)を作成することが義務付けられております。各学校においては、必ず作成するとともに、防災避難訓練等の反省・課題や地域住民、関係機関の専門家等の助言等を踏まえ適時見直しを行ってください。作成及び見直しにおいては、下記に示す資料を参考に、特に次のポイント等に留意してください。
・学校における危険発生時の役割分担が明確になっているか。
・学校が立地している地形や地質などの自然環境や社会的条件から危険を明確にし、危険等発生時に対応できるものとなっているか。
・過去の災害やハザードマップなどの想定を超える危険性をはらんでいる自然災害に備え、複数の避難場所や避難経路の設定をしているか。
・事前・発生時・事後の三段階の危機管理を想定し、各段階において取るべき対応をあらかじめ整理し、教職員が迅速かつ的確な判断で対応できるものとなっているか。
・安全教育・安全管理のいずれか一方のみでは児童生徒等の安全確保の実現は難しいことから、安全教育と安全管理の一体的な活動が展開できる内容になっているか。

(参考)
・学校防災マニュアル(地震・津波災害)作成の手引き
・学校の危機管理マニュアル作成の手引

④学校環境の安全の確保
法第28条により、校長は、当該学校の施設又は設備について、児童生徒等の安全の確保を図る上で支障となる事項があると認めた場合には、遅滞なく、その改善を図るために必要な措置を講じ、又は当該措置を講ずることができないときは、当該学校の設置者に対し、その旨を申し出るものとされています。各学校においては、該当する事項があると認められた場合には、必要な措置の実施又は設置者への申出をお願いします。
 

(2)学校設置者における取組

学校の設置者は、法第26条により、児童生徒等の安全の確保を図るため、その設置する学校において、災害等により児童生徒等に生ずる危険を防止し、及び児童生徒等に危険等が現に生じた場合において適切に対処することができるよう、当該学校の施設及び設備並びに管理運営体制の整備充実その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとするとされています。
各設置者においては、設置する学校の学校安全計画、危機管理マニュアルの内容を定期的に点検し、必要に応じて指導・助言をしていただくようお願いします。
また、法第28条により、校長は、児童生徒等の安全の確保を図る上で支障となる事項があると認めた場合で、その改善を図るために必要な措置を講ずることができないときは、当該学校の設置者に対し、その旨を申し出るものとされています。設置する学校の校長から申出があった場合は、その内容を確認し、必要な措置を講じていただきますようお願いします。
さらに、都道府県・市町村教育委員会は、教職員の職務内容に応じた研修を実施し、特に校長、教頭などの管理職における、平常時及び緊急時のそれぞれに求められる資質・能力の向上を図るようお願いします。

2.水防法、津波防災地域づくりに関する法律等に基づく取組について

(1)学校における取組

近年、気象災害による大きな被害が発生しており、今後も気候変動による水害(洪水・高潮)の発生、土砂災害等の頻発化、激甚化が懸念されます。このことから、防災教育や避難訓練の重要性を再認識し、気象災害を想定した避難訓練の実施、防災教育の指導が行われるようお願いします。
また、要配慮者利用施設(水防法及び土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律に規定する「要配慮者利用施設」をいう。)又は避難促進施設(津波防災地域づくりに関する法律に規定する「避難促進施設」をいう。)に該当する学校は避難確保計画の作成及び避難訓練の実施が義務付けられていることから、当該学校については、危機管理マニュアルに上記に関する必要関係事項を記載するようお願いします。
要配慮者利用施設または避難促進施設として地域防災計画に定められていない学校においても、中小河川等に隣接する場合や津波による浸水が想定される場合においては、その想定等を超える災害が発生することに備えた検討を行い、児童生徒等の命を守るための適切な対応を行っていただきますようお願いします。

(参考)
・水防法又は土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律に基づく避難確保計画の作成及び訓練の実施の徹底について(通知)
・平成30年7月豪雨を踏まえた水害・土砂災害からの避難のあり方について(報告)
・津波防災地域づくりに関する法律に基づく津波対応に係る避難確保計画の作成及び訓練の実施について(通知)
・警戒レベルに係る広報用チラシ
 

(2)学校設置者における取組

地震・津波・気象災害が生ずれば地域全体に被害をもたらすことから、学校のみで対応を図ることは困難であり、学校防災については、災害や防災に関する最新の知見に基づく対応を進める必要があり、こうした災害への対策については、学校設置者が事前・発生時・事後の各段階で積極的に学校を支援するようお願いします。
その際、防災部局とも連携し、防災の取組、災害発生時の学校の安全の取組を進めていただきますようお願いします。
各設置者におかれては、設置する学校が所在する地域のハザードマップの確認や、設置する学校が浸水想定区域(水防法第15条第1項第4号に規定する「浸水想定区域」をいう。)、土砂災害警戒区域(土砂災害警戒区域等における土砂災害の防止対策の推進に関する法律第7条に規定する「土砂災害警戒区域」をいう。)、津波災害警戒区域(津波防災地域づくりに関する法律第53条に規定する「津波災害警戒区域」をいう。)に所在しているかどうかを確認してください。これらの区域に所在している学校がある場合には、当該学校に対し、避難確保計画(水防法第15条の3、土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律第8条の2、津波防災地域づくり法第71条に規定する「避難確保計画」をいう。)を作成することを指導・助言してください。

3.家庭、地域、関係機関との連携・協働について

自然災害は、児童生徒等が学校にいる時間帯のみならず、家庭や地域にいる間に発生する可能性も高く、日頃から家庭や地域全体で備えをしておく必要があることから、家庭、地域、関係機関等が連携・協働できるよう体制を構築し、それぞれの責任と役割を分担しつつ取り組むことが重要です。例えば、コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)を導入している場合、地域と連携・協働した防災の取組についても協議し、地域学校協働本部と協働して防災教育を行うことや地域の防災訓練と合同で避難訓練を行う等の取組を行うことが考えられます。また、セーフティプロモーションスクール(SPS)等の先進事例を参考に、学校、地域、関係機関が一体となった組織的な学校安全の取組を行うことも有効です。
また、学校は、学校安全計画や危機管理マニュアルの作成・見直しを行う場合に、家庭や地域住民、関係機関等に意見・助言を聴取することや、作成した学校安全計画及び危機管理マニュアルに基づき協力体制を整備することが重要です。地域の実情に応じ、適宜、家庭、地域住民とも連携した防災の取組を進めていただきますようお願いします。

(参考)
・コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)について(「学校と地域でつくる学びのみらい」ウェブサイト)
・セーフティプロモーションスクールについて(国立大学法人大阪教育大学学校危機メンタルサポートセンターウェブサイト)
 
(参考)関係条文
学校保健安全法(昭和33年法律第56号)
(学校安全に関する学校の設置者の責務)
第二十六条 学校の設置者は、児童生徒等の安全の確保を図るため、その設置する学校において、事故、加害行為、災害等(以下この条及び第二十九条第三項において「事故等」という。)により児童生徒等に生ずる危険を防止し、及び事故等により児童生徒等に危険又は危害が現に生じた場合(同条第一項及び第二項において「危険等発生時」という。)において適切に対処することができるよう、当該学校の施設及び設備並びに管理運営体制の整備充実その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

(学校安全計画の策定等)
第二十七条 学校においては、児童生徒等の安全の確保を図るため、当該学校の施設及び設備の安全点検、児童生徒等に対する通学を含めた学校生活その他の日常生活における安全に関する指導、職員の研修その他学校における安全に関する事項について計画を策定し、これを実施しなければならない。

(学校環境の安全の確保)
第二十八条 校長は、当該学校の施設又は設備について、児童生徒等の安全の確保を図る上で支障となる事項があると認めた場合には、遅滞なく、その改善を図るために必要な措置を講じ、又は当該措置を講ずることができないときは、当該学校の設置者に対し、その旨を申し出るものとする。

(危険等発生時対処要領の作成等)
第二十九条 学校においては、児童生徒等の安全の確保を図るため、当該学校の実情に応じて、危険等発生時において当該学校の職員がとるべき措置の具体的内容及び手順を定めた対処要領(次項において「危険等発生時対処要領」という。)を作成するものとする。
2 校長は、危険等発生時対処要領の職員に対する周知、訓練の実施その他の危険等発生時において職員が適切に対処するために必要な措置を講ずるものとする。
3 学校においては、事故等により児童生徒等に危害が生じた場合において、当該児童生徒等及び当該事故等により心理的外傷その他の心身の健康に対する影響を受けた児童生徒等その他の関係者の心身の健康を回復させるため、これらの者に対して必要な支援を行うものとする。この場合においては、第十条の規定を準用する。

(地域の関係機関等との連携)
第三十条 学校においては、児童生徒等の安全の確保を図るため、児童生徒等の保護者との連携を図るとともに、当該学校が所在する地域の実情に応じて、当該地域を管轄する警察署その他の関係機関、地域の安全を確保するための活動を行う団体その他の関係団体、当該地域の住民その他の関係者との連携を図るよう努めるものとする。


 

(参考)学校安全計画・危機管理マニュアルの策定・作成状況(平成27年度)
  学校安全計画を策定している学校の割合 危機管理マニュアルを作成している学校の割合
公立学校 99.9% 99.9%
私立学校 83.8% 87.0%
国立学校 98.5% 100%
96.5% 97.2%

※学校には小学校・中学校・高等学校・中等教育学校・特別支援学校・幼稚園・幼保連携型認定こども園が含まれる。
(出所)学校安全の推進に関する計画に係る取組状況調査(平成27 年度実績)
https://anzenkyouiku.mext.go.jp/report-gakkouanzen/index.html

(参考)参考資料リンク集
・学校安全資料『「生きる力」をはぐくむ学校での安全教育』
http://www.mext.go.jp/a_menu/kenko/anzen/1416715.htm
学校安全計画作成例は付録(126ページ~)に記載されています。
・小学校学習指導要領(平成29年文部科学省告示第63号)解説 総則編
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/03/18/1387017_001.pdf
防災を含む安全に関する教育(現代的な諸課題に関する教科等横断的な教育内容)については、付録(224ページ~)に記載されています。
・中学校学習指導要領(平成29年文部科学省告示第64号)解説 総則編
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/03/18/1387018_001.pdf
防災を含む安全に関する教育(現代的な諸課題に関する教科等横断的な教育内容)については、付録(240ページ~)に記載されています。
・学校安全ポータルサイト 
https://anzenkyouiku.mext.go.jp/
各都道府県の様々な防災教育の実践が掲載されております。
・学校防災マニュアル(地震・津波災害)作成の手引き
https://anzenkyouiku.mext.go.jp/mextshiryou/data/saigai02.pdf
・学校の危機管理マニュアル作成の手引
https://anzenkyouiku.mext.go.jp/mextshiryou/data/aratanakikijisyou_all.pdf
・水防法又は土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律に基づく避難確保計画の作成及び訓練の実施の徹底について(通知)
http://www.mext.go.jp/a_menu/kenko/anzen/1416128.htm
・平成30年7月豪雨を踏まえた水害・土砂災害からの避難のあり方について(報告)
http://www.bousai.go.jp/fusuigai/suigai_dosyaworking/pdf/honbun.pdf
・津波防災地域づくりに関する法律に基づく津波対応に係る避難確保計画の作成及び訓練の実施について(通知)
http://www.mext.go.jp/a_menu/kenko/anzen/1422067.htm
・警戒レベルに係る広報用チラシ
http://www.bousai.go.jp/oukyu/hinankankoku/h30_hinankankoku_guideline/index.html
・コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)について(「学校と地域でつくる学びの未来」ウェブサイト)
https://manabi-mirai.mext.go.jp/torikumi/chiiki-gakko/cs.html
・セーフティプロモーションスクールについて(国立大学法人大阪教育大学学校危機メンタルサポートセンターウェブサイト)
http://nmsc.osaka-kyoiku.ac.jp/sps

お問合せ先

総合教育政策局男女共同参画共生社会学習・安全課

安全教育推進室 防災教育係

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(総合教育政策局男女共同参画共生社会学習・安全課)