令和6年度宇宙航空科学技術推進委託費の採択課題の決定について

令和6年8月29日

文部科学省では、令和6年度宇宙航空科学技術推進委託費について、公募及び所要の審査を経て採択課題を決定しましたので、お知らせいたします。

令和5年6月に閣議決定された「宇宙基本計画」において、「将来の宇宙分野の発展を支える次世代 人材の育成等に関しては、大学を始めとする教育機関においては、最先端かつ実践的な研究開発活動 への大学生や高専生などの参加機会(中略)の提供、JAXAの資金供給機能の強化等による研究の充 実等を通じて、先端・基盤研究を担う大学等における人材育成への支援等を強化する。」とされていま す。 また、同「宇宙基本計画」にて国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(以下「JAXA」という。)にお ける、民間企業や大学等への戦略的かつ弾力的な資金供給機能の強化が盛り込まれ、令和5年11月 に改正JAXA法が成立し、今後、宇宙戦略基金が設置される予定です。 これらの状況を踏まえ、今後拡大することが見込まれる宇宙人材の需要に応えるため、宇宙航空科 学技術推進委託費における令和6年度公募においては、特に、宇宙ビジネス人材育成プログラムを含 む人材育成プログラムの強化を図ることといたしました。 

1. 公募プログラムの概要

(1) 宇宙航空人材育成プログラム

主に科学技術に関心のある大学院生、大学生、高等専門学校生等の学生を、宇宙航空分野に係る高い専門性を有する人材や、多岐に渡る分野の知識・経験を有し、システム全体を理解し到達ビジョンを持って先端的かつ複雑化したプロジェクトを牽引できる人材として育成するための基盤を構築・強化し、次世代の宇宙航空人材育成を促進する。

【専門人材育成】
衛星・ロケット・航空機等の先端研究・技術開発、国際的な宇宙ビジネス展開や宇宙活動ルールの形成、AI/IoT/ビックデータ等の最新のICTの宇宙分野への応用等が可能な、宇宙分野の高度な知識・技術や他分野の専門知識を併せ持った研究者・技術者等について、講義やセミナー、ワークショップ、海外交流、体験学習や小規模プロジェクトによるPBL(Project Based Learning)の実施、及びそれらを統合したカリキュラム構築や教材作成、指導者養成といった取組を通じて、年間十数人~数十人程度の規模で育成できる基盤の構築・強化を推進する。

【アーキテクト育成】
複雑かつ高度に統合されたシステムの実現が求められる「総合工学」としての宇宙航空分野において必要とされている、多岐に渡る知識・経験のもと決断・判断を下し、到達ビジョンを持ってプロジェクトを牽引できる「アーキテクト」としての素質を有する人材を、年間数十人程度の規模で育成できる基盤の構築・強化を推進する。
座学等を通じた本質理解に加えて、設計・開発から打上げ・運用といった実践的なプロジェクト全体を1~2年程度で経験できるような機会を、大学等の研究室レベルにとどまらず学部・学科や産学官連携部門の参画、他の研究機関や民間企業、海外機関等との連携によって創出・提供することにより、将来的に宇宙航空研究開発機構 (JAXA) や大学等の研究機関、産業界等において、プロジェクトマネージャやサブシステム担当のリーダーといった役割を担い先端的かつ複雑なプロジェクトを牽引し得る人材の育成を促進する。

【「宇宙×人文社会」分野越境人材創造プログラム】

宇宙開発利用の領域が拡大し、理工学領域のみならず、人文・社会科学領域の観点での宇宙活動が求められる中、将来の宇宙分野の裾野拡大や我が国のプレゼンス強化を目的とし、宇宙ビジネスの事業開発や国際展開等を牽引すべく、人文・社会科学系の知見を宇宙分野に応用するための人材育成基盤を構築する。

(2) 航空脱炭素技術等創出プログラム

航空機の水素燃料・電動化技術や機体軽量化・効率化による温室効果ガス排出量の抜本的低減に資する技術といった、航空分野における脱炭素化に資する技術の開発・高度化への取組を推進することで、将来的なカーボンニュートラルの実現及び航空分野の新たな可能性開拓に向けた価値創出・提供を目指す。

2. 決定までの経緯等

公募実施期間:令和6年2月16日~令和6年4月10日

提案件数:22件(宇宙航空人材育成プログラム19件(【専門人材育成】4件、【アーキテクト育成】5件、【「宇宙×人文社会」分野越境人材創造プログラム】10件、航空脱炭素技術等創出プログラム3件)

3. 決定した採択課題等

外部有識者(別紙1)から構成される審査評価会での審査結果を踏まえ、採択課題(別紙2)を決定しました。

お問合せ先

研究開発局宇宙開発利用課 宇宙航空科学技術推進委託費事務局

電話番号:03-5253-4111(内線4151)