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愛知学院大学歯学部所属教員による研究活動上の不正行為(捏造・改ざん等)の認定について

【基本情報】

番号

2017-08

不正行為の種別

捏造、改ざん、不適切なオーサーシップ

不正事案名

愛知学院大学歯学部所属教員による研究活動上の不正行為(捏造・改ざん等)の認定について

不正事案の研究分野

保存治療系歯学

調査委員会を設置した機関

愛知学院大学

不正行為に関与した者等の所属機関、部局等、職名

愛知学院大学 歯学部 講師、准教授、元教授

不正行為と認定された研究が行われた機関

愛知学院大学

不正行為と認定された研究が行われた研究期間

告発受理日

平成29年2月27日

本調査の期間

平成29年4月24日~同年10月6日

不服申立てに対する再調査の期間

平成30年1月18日~同年2月15日

報告受理日

平成30年3月2日

不正行為が行われた経費名称

科学研究費補助金、学内経常予算
※ 科学研究費補助金については、捏造・改ざんと直接的に因果関係が認められる経費の支出はなかった。

 

 

【不正事案の概要等】

◆不正事案の概要

1.告発内容の概要
 本件は、愛知学院大学歯学部講師を責任著者とする1報の論文について、捏造及び改ざんの疑いがあるとして同大学歯学部関係者より匿名の通報があったものである。この通報を受け、愛知学院大学における研究活動上の不正行為に関する取扱い規程にのっとり、予備調査を経て本調査委員会を設置し、対象者への聞き取り調査及び書面調査により事実関係の調査を行った。

 

2.愛知学院大学における本調査の体制、調査方法及び調査結果等について
(1)本調査委員会による調査体制
  6名(内部委員3名、外部委員3名)

 

(2)調査の方法等
 1)調査対象
  ア)調査対象者:歯学部講師、薬学部准教授、歯学部元教授(現名誉教授)、歯学部教授、歯学部非常勤助教2名、薬学部助教、大学院歯学研究科元学生
  イ)調査対象論文:匿名通報者から特定不正行為の疑いがあるとの指摘があった論文1報
 2)調査方法
  匿名通報者から特定不正行為の疑いがあると指摘があった1報の論文について、予備調査で収集した資料及び論文の責任著者等から提出を受けた資料の書面調査、第三者機関による画像解析並びに調査対象者への聞き取り調査を行った。

 

(3)本事案に対する本調査委員会の調査結果を踏まえた結論
匿名通報者から特定不正行為の疑いがあると指摘があった1報の論文に関し、本調査委員会が実施した調査結果を踏まえた結論は以下のとおりである。

 

 (結論)
  調査対象論文に掲載された3図について、研究活動上の不正行為である「捏造」及び「改ざん」があったと認められた。

 

 (認定理由)
  認定した不正行為は、次のとおりである。
 1)PCR画像の階調を反転させレベル補正後、Western Blot画像に転用されているもの 14件(「捏造」と認定)
 2)PCR画像を180度回転又は上下拡大させレベル補正後、別のPCR画像に転用されているもの 2件(「捏造」と認定)
 3)PCR画像の上に別のPCR画像が切り貼りされているもの 4件(「改ざん」と認定)
  ※ 1)~3)の画像に関する生データや実験ノートの保存に著しい不備があったこと、上述の不正行為の疑義を覆しうる科学的根拠が提出されなかったこと、第三者機関から1)~3)の行為が行われた可能性が極めて高いとの画像解析結果が得られたこと、調査対象者全員への聞き取り調査の回答から総合的に判断し、上述の不正行為に本学歯学部講師が関与したと認定した。また、調査対象論文の共著者である本学薬学部准教授及び本学歯学部元教授(現名誉教授)について、前者は研究統括・論文作成担当、後者は講座主任(当時)及びラストオーサーでありながら、当該論文の作成過程において生データを確認する等といった上述の不正行為を防ぐ措置をおろそかにしていたことが明らかとなり、両者を「不正行為に関与していないものの、不正行為が行われた論文の内容について責任を負う者」と認定した。さらに、調査対象者のうち3名から「上記講師以外の者が不正行為に関与した可能性がある。」とする不服申立書が提出されたが、申立て内容の信ぴょう性が乏しいこと及び調査結果を覆すに足る科学的根拠が提示されなかったことから、再調査を終了した。

 

 (特定不正行為以外に調査の過程で判明した不正行為)
  調査対象論文を精査した結果、上述の「捏造」及び「改ざん」に加えて、実験に主体的に関わっておらず研究計画の立案や論文の執筆作業も行っていない者を筆頭著者としていたことが判明し、不適切なオーサーシップに当たると判断した。

 

 (その他)
  調査対象論文と同じ研究グループが発表した他の論文についても、今後追加調査を実施していく。

 

3.認定した特定不正行為に直接関連する経費の支出
捏造及び改ざんを認定した論文は、学内経常予算より論文投稿料が支出されていた。

◆研究機関が行った措置

1.競争的資金の一時執行停止
 調査対象者のうち平成29年度に科学研究費を採択されている5名に対し、同研究費の執行を一時停止する措置を講じた。なお、本調査の終了に伴い、「不正行為には関与せず、不正行為が行われた論文の内容について責任は負わない者」と認定された者(5名のうち3名)については、一時執行停止の措置を解除した。

 

2.論文の取下げ勧告
 責任著者に対して調査対象論文を取り下げるよう勧告した。また、調査対象論文を引用している論文の責任著者に対して当該論文が取り下げられる旨を報告するよう、責任著者に対して勧告した。

 

3.学内処分(措置)
 被認定者に対する処分又は措置について、懲戒委員会を立ち上げて審議する。

◆発生要因及び再発防止策

1.発生要因

(1)調査対象論文に係る研究は「実験班」、「統括・論文作成班」及び「研究補佐班」の完全分業体制で行われ、実験で得られた結果に対し生データ・実験ノートを確認せずに論文を執筆する体制が採用されていた。
(2)実験を担当した研究者が皆、生データ・実験ノートの取扱いをおろそかにしていた。
(3)研究の統括者が,実験を担当した研究者の生データ・実験ノートの確認を意図的に回避した。また,通報論文の最終確認者も生データ・実験ノートを確認しなかった。
(4)調査対象論文の著者全員が「愛知学院大学における研究者等の行動規範」を遵守していなかった。
(5)調査対象論文のオーサーシップを責任著者一人が提案し,その提案に対し他の共著者も異論なく同意した。

 

2.再発防止策
(1)特定不正行為に関与した研究者が所属する研究室における再発防止策
 1)実験ノートの作成と保管及び生データを保管することの重要性を改めて周知徹底する。
 2)論文公表に当たって責任著者はもとより、全著者は公表するデータの基となる生データ・実験ノートを再度確認し、公表しようとする内容の正確性を担保し、学術研究成果の信頼性及び公正性を確保することに努める。
 3)論文のオーサーシップを決定する際、責任著者は国際医学雑誌編集者委員会(International Committee of Medical Journal Editors: ICMJE)の投稿統一規程を尊重したオーサーシップを提案し、あらかじめ共著者全員の了承を得ることによってオーサーシップに関して常に説明責任を果たすことを可能にする。

 

(2)大学全体における再発防止策
 1)「愛知学院大学における研究者等の行動規範」の周知徹底に努め、当該規範の内容を再確認するとともに遵守するよう研究に従事する全教職員に対し求める。
 2)通常の研究打合せ時における生データ・実験ノートの確認やICMJEの投稿統一規程を尊重したオーサーシップ等を、研究に従事する全教職員に対して求める。
 3)特定不正行為(捏造、改ざん、盗用)を行わないよう注意喚起するだけでなく、競争的資金への参加制限、研究費の返還、学内懲戒処分等といった、不正行為を行うことによるリスクを具体的に伝え、学内研究者の不正行為防止への意識を高める。

 

 

 

 

◆配分機関が行った措置

 科学研究費助成事業について、捏造、改ざんと直接的に因果関係が認められる経費の支出はなかったため、返還を求めるものではないが、科学研究費助成事業の成果として執筆された論文であることから、当該資金への申請及び参加資格の制限の対象となる。このため、資金配分機関である文部科学省及び日本学術振興会において、資格制限の措置(講師:平成30年度~平成35年度(6年間)、准教授:平成30年度~平成32年度(3年間)、元教授:平成30年度~平成31年度(2年間))を講じた。

 

お問合せ先

科学技術・学術政策局人材政策課

研究公正推進室
電話番号:03-6734-3874

(科学技術・学術政策局人材政策課研究公正推進室)