3.評価結果の政策への反映状況

1.実績評価結果の政策への反映状況

施策目標5−1 優れた科学技術関係人材の養成・確保   【主管課】   科学技術・学術政策局基盤政策課
【関係課】 高等教育局大学振興課・専門教育課、研究振興局振興企画課・研究環境・産業連携課

基本目標 達成目標 指標 評価結果の概要 評価結果の政策への反映状況
(平成18年度以降の取組)
(基本目標5−1)
 我が国の将来の研究活動等を担う優れた研究者・技術者を養成・確保するとともに、任期制の広範な普及等により流動的な研究開発システムを構築する。
第2期科学技術基本計画の方向性を踏まえ、ポストドクトラル制度等の充実を図りつつ、政府全体として優れた若手研究者に対するフェローシップ等による支援を継続的に行い、若手研究者の自立性向上等を目指す。
競争的資金によるポストドクターを確保する機会の拡充を図り、研究指導者の明確な責任の下、若手研究者の資質向上を図る。
ポストドクターの流動性向上に向けた環境の整備を促進し、学位取得後の早い段階から、多様な研究環境の選択による若手研究者自身の創造性豊かで広い視野を有する研究能力の涵養を目指す。
国研、独法研究機関、大学等において任期制の広範な普及を図る。
国研、独法研究機関、大学等の研究者の採用について原則公募を目指す。
大学院を中心に、各大学の個性・特色を踏まえた科学技術関係人材の育成機能の強化を図る。
技術士資格が欧米の同種資格と同程度に普及することを目指し、技術士登録者数の着実な増加を達成する。
海外の技術者資格との相互承認に向けた協議を進める。
大学等の産学官連携、知的財産、技術経営(MOT)に係る専門知識や経験を有する人材を5年後に5倍に増加する。
学校と科学館、大学等との連携による教育活動や教員研修の推進などにより理数教育の充実を図り、子どもの科学技術に対する興味関心を高める。
高校等と大学等とが連携して先進的な理数教育や高大接続の取組を進めることにより、生徒の科学技術に関する能力を高める。
  • 「ポストドクター等1万人支援計画」対象事業による支援人数の推移
  • 競争的資金によるポストドクターの雇用者数
  • 日本学術振興会の特別研究員(PD及びSPD)における新規採用者のうち出身研究室以外の研究室を選定した者の占める割合
  • 国研、独法研究機関における若手研究者(35歳以下)に占める任期付の割合
  • 大学における本務教員(助手)に占める任期付助手の割合
  • 技術士登録者数の推移
  • 知的財産・産学官連携専門人材の確保・養成等
  • サイエンス・パートナーシップ・プログラムに関するアンケート調査で、科学技術や理科・数学に対する興味関心が増加した又はどちらかといえば増加したと答えた児童・生徒の割合
  • 科学技術分野のコンテストにおける応募件数のSSH指定前と比べた増加率
  • SSHによってどの能力や姿勢が身についたと思いますか、との問いに対する各選択項目の選択率の平均値
 日本学術振興会の特別研究員事業において、平成17年度においてポストドクトラル制度の質的充実に向けた取組を推進しつつ、各種制度により1万人規模の支援が確保されており、また、支給される研究費等により、自立的な研究が遂行されている。
 また、国研、独法研究機関については任期制の広範な普及が図られるなど、各達成目標に係る施策の実施を通じ、若手研究者の質的向上が図られている。
 技術者の養成・確保や産学官連携や知的財産等に係る専門人材の養成などにおいても進捗が見られている。
 さらに、サイエンス・パートナーシップ・プログラム等、科学技術に関する興味・関心を高める施策を通じて、科学技術関係人材の裾野の拡大も図られている。以上から、基本目標5−1については想定どおり達成と判断した。
 今後は、若手研究者、女性研究者、外国人研究者等多様な研究者が活躍できる環境の整備を促進するとともに、博士号取得者等が社会の多様な場で活躍できるよう、キャリアパスの多様化を促進することが必要。
 また、引き続き、世界最高水準の大学づくりを推進するため、21世紀COEプログラム採択拠点に対して、必要な財政支援を適切に行うとともに、大学院における現代社会のニーズに応えられる創造性豊かな若手研究者の養成機能の更なる強化を図り、優れた研究者の育成を積極的に推進すること及びこれらのプログラムの開発・実施の充実等を図り、産学連携による高度人材育成を積極的に推進することが重要。
 さらに、国民の科学技術に対する関心と基礎的素養が高まっているか否かをより的確に評価できるようにするため、指標について、他の観点のものも利用していくことを検討し、開発・収集していく必要がある。
【概算要求】
○優れた若手研究者が主体的に研究に専念できるよう支援する特別研究員事業において、博士課程在籍者に対する支援の強化を図るための経費として、9,168百万円を概算要求に盛り込んだ。(平成19年度予算額:9,768百万円)
○18年度より開始した「若手研究者の自立的研究環境整備促進」(科学技術振興調整費)を拡充するため、5,000百万円を概算要求に盛り込んだ。(平成19年度予算額:5,000百万円)
○競争的資金の予算拡充により、競争的資金によるポストドクターを雇用する機会の拡充を図るとともに、雇用の実態の把握を引き続き行う。
○ポストドクター等が社会の様々な分野へ進出することを推進するため、18年度より開始した「科学技術関係人材のキャリアパス多様化促進事業」を拡充するため、746百万円を概算要求に盛り込んだ。(平成19年度予算額:417百万円)
○引き続き、「21世紀COEプログラム委員会」による採択拠点の中間評価も踏まえながら、これまでに「21世紀COEプログラム」において採択された拠点に対する継続的支援を行うとともに、引き続き、大学における若手研究者養成のための優れた取組を公募することにより、大学院教育の抜本的強化を図るため、27,764百万円を概算要求に盛り込んだ。(平成19年度予算額:23,245百万円)
○産学連携による高度人材育成をさらに積極的に推進するため、平成18年度からは、「派遣型高度人材育成協同プラン」の対象を博士(後期)課程にも拡充する。そのための経費として371百万円を概算要求に盛り込んだ。(平成19年度予算額:234百万円)
○平成18年度より、世界最高水準のIT人材として求められる専門的スキルを有するとともに、社会情勢の変化等に先見性をもって柔軟に対処し、企業等において先導的役割を担う高度IT人材を育成するための教育拠点の形成を目的とした「先導的ITスペシャリスト育成推進プログラム」を実施すべく、1,050百万円を概算要求に盛り込んだ。(平成19年度予算額:798百万円)
○技術士制度の普及を図るなど技術士登録者数の着実な増加を図る。
○海外の技術者資格との相互承認に向けた取組みを進める。
○大学等の海外特許出願支援を推進するとともに、大学等における技術移転業務に携わる人材の専門能力向上のための研修や、新たに研究成果の応用・発展性の評価分析等により「つなぐ仕組み」の構築を推進するなど優れた研究成果の技術移転活動を総合的に支援するため、3,518百万円を概算要求に盛り込んだ。(平成19年度予算額:2,642百万円)
○産学官連携活動に必要不可欠な専門知識や実務経験を有する支援人材(産学官連携コーディネーター)を大学等のニーズに応じて配置し、大学等から産業界・地域社会に対し、知識の移転、研究成果の還元を果たすため、1,204百万円を概算要求に盛り込んだ。(平成19年度予算額:906百万円)
○研究者・技術者や大学院生等を小学校理科授業に活用し、授業の充実を図るため、「理科支援員等配置事業」として、6,000百万円を概算要求に盛り込んだ。(平成19年度予算額:2,000百万円)
○中学校理科教員の観察・実験活動等に関する実践的指導力の育成・向上を図るため「ティーチャーズ・サイエンスキャンプ(理科教員指導力向上研修)」として500百万円を概算要求に盛り込んだ。(平成19年度予算額:200百万円)
○理数に対して強い学習意欲を持つ学生の意欲・能力をさらに伸ばすことに重点をおいた学部教育を行う取組を充実するため「理数学生応援プロジェクト」として、400百万円を概算要求に盛り込んだ。(平成19年度予算額:50百万円)
○科学技術コンテストの参加者数の拡大や広報の充実を図るため、「国際科学技術コンテスト支援」について拡充要求し、500百万円を概算要求に盛り込んだ。(平成19年度予算額:250百万円)。
○地域住民全般に、身近な場で科学技術や理科に触れる機会を充実させるため「地域の科学舎推進事業」として962百万円を概算要求に盛り込んだ。(平成19年度予算額:807百万円)

【機構・定員要求】
○理数学習の支援に係る取組の促進のため、課長補佐(理数学習支援担当)を1名、理数学習支援係長を1名、それぞれ新設を要求することとした。(課長補佐(理数学習支援担当)1名、理数学習支援係長1名措置)
○優れた研究成果からのイノベーション創出推進体制の強化のため、新技術革新係長1名を新設要求することとした。(新技術革新係長1名措置)

【事業の実施】
○研究者の流動性向上のため、引き続き日本学術振興会の特別研究員(PS及びSPD)は、採用時、研究に従事する研究室が大学院在学当時の所属研究室(出身研究室)以外の研究室であることを条件とする。
○大学の教員や国研、独法研究機関の任期制の状況について継続的に調査を実施する。

施策目標5−2 創造的な研究開発システムの構築   【主管課】   科学技術・学術政策局調査調整課・計画官
【関係課】 科学技術・学術政策局基盤政策課、研究振興局学術研究助成課・基礎基盤研究課・情報課、研究開発局海洋地球課・原子力研究開発課、高等教育局大学振興課

基本目標 達成目標 指標 評価結果の概要 評価結果の政策への反映状況
(平成18年度以降の取組)
(基本目標5−2)
 競争的資金の改革及び充実等により競争的な研究開発環境を整備するとともに、所要の研究開発資源の中でより優れた成果を上げるという観点から研究開発評価システムの改革を進め、創造的な研究開発システムを構築する。
総合科学技術会議等の方針を踏まえ、文部科学省における競争的資金の拡充を図る。
総合科学技術会議等の方針を踏まえながら、競争的資金において公正で透明性の高い評価の確立を図るとともに、評価に必要な体制を整える。
競争的資金における間接経費を拡充する。
創造へ挑戦する研究者を励まし、優れた研究開発を見出し、伸ばし、育てるための研究開発評価を効果的・効率的に実施するための評価システムを整備する。
  • 競争的資金予算額
  • 間接経費
  • 文部科学省が実施する国内外の有識者による研究開発評価研修等への参加者数
  • 研究開発評価研修及び研究開発評価シンポジウム参加者の満足度
  • 評価活動の実態を把握するために行ったヒアリングの機関数
  • ホームページに公開した実例集へのアクセス件数 (総件数)
 PO・PDの配置・拡充などによる公正で透明性の高い評価に必要な体制整備や、間接経費の措置対象プログラムの増加、研究開発評価システムの整備等が図られている。しかし、文部科学省における競争的資金の拡充については、概ね順調に拡大したものの倍増には至らなかったため、一定の成果は上がっているものの、一部については想定どおり達成できなかったと判断。
 競争的資金については、今後とも、科学技術基本計画及び「競争的研究資金制度改革について(意見)」の方針を踏まえ、競争的資金の拡充、透明性の高い評価の実施、間接経費の拡充などの課題に取り組むことが必要である。また、研究開発評価については、今後、研修等の一層の内容充実、効果的・効率的な評価システムの構築に寄与する評価手法等の研究を行う高度な評価人材の育成、及び研究開発の発展段階や特性に応じた評価方法の開発・明確化への早急な着手が必要である。また、評価の実態調査を着実に推進していくことが重要である。
【概算要求】
○競争的資金の拡充を着実に実施するため、4,261億円を概算要求に盛り込んだ。(対平成18年度予算比率 約19パーセント増。平成19年度予算額:3,689億円。)
○公正で透明性の高い評価の確立を図るとともに、評価に必要な体制整備を着実に実施するため、戦略的創造研究推進事業において340百万円を要求するなど、評価に必要な体制整備のための額を概算要求に盛り込んだ。
○科学技術基本計画の趣旨に則り、競争的資金の間接経費30パーセントの措置をできるだけ早期に達成するべく、科学研究費補助金において、比較的小規模な研究種目等について間接経費を措置するため、168億円を新規に要求するなど、多くの制度が間接経費の30パーセント措置に向けた額を概算要求に盛り込んだ。
○評価の専門知識を有し、研究開発マネジメントの高度化を担うマネジメント人材の体系的・組織的な養成・確保を目的とする「評価人材高度化推進事業」100百万円を概算要求に盛り込んだ。(予算編成過程で廃止)

【その他】
○「文部科学省における研究及び開発に関する評価指針」の周知や研究開発評価研修等の開催を通じて、関係機関に研究開発評価に関する有用な情報等を提供した。
○独立行政法人や国立大学法人等の研究開発評価活動に関する調査を行い、平成18年12月及び19年2月に研究開発評価実例集を作成し、関係機関に配付するとともに、ホームページに公開した。

施策目標5−3 科学技術振興のための基盤の整備   【主管課】   研究振興局研究環境・産業連携課
【関係課】 研究振興局情報課・基礎基盤研究課・ライフサイエンス課、大臣官房文教施設企画部計画課

基本目標 達成目標 指標 評価結果の概要 評価結果の政策への反映状況
(平成18年度以降の取組)
(基本目標5−3)
 独創的・先端的な研究開発を進めるため、施設整備はもとより、知的基盤(1研究用材料、2計量標準、3計測方法・機器等、4データベース)研究情報基盤などの研究開発基盤の整備を図る。
2010年を目途に、知的基盤整備計画(科学技術・学術審議会阿部前会長より遠山大臣に平成13年8月30日に答申)に記載された重点的に整備する知的基盤(1研究用材料(微生物等の生物遺伝資源等)、2計量標準、3計測方法・機器等、4データベース)の整備について、1指標に示されているような整備目標を達成する。
多様な物質・材料の構造解析をはじめとして、従来の光源では達成できない未踏の科学技術領域の開拓に寄与する施設である大型放射光施設(SPring-8:Super Photon ring 8GeVの略称)の共用を促進し、さらに優れた研究成果を社会に還元するため、本格利用期にあたり施設の高度化や活用方策を進め、研究成果の質的向上及び産業利用の拡大を図る。
先端的研究機関を最速10Gbps(ギガビットパーセカンド)の回線で接続するスーパーSINETのノード(接続拠点)数を平成15年度までに28機関において整備し、さらに順次拡充して、観測実験・シミュレーション等で大容量のデータを扱い、超高速・広帯域のネットワークを必要とする高エネルギー・核融合科学をはじめとする先端分野の研究を一層推進する。
先端研究施設の幅広い利用者による活用(共用)により優れた研究開発成果が創出されることを促すため、代表的な先端研究施設において、基準年度より高い産業利用率を確保する。
国立大学等施設緊急整備5か年計画に基づき、平成17年度までに約600万平方メートルの国立大学等の施設整備を重点的・計画的に行う。
  • 微生物数
  • 動物細胞数
  • 動物(マウス系統)数
  • 作物遺伝資源数
  • シロイヌナズナ数
  • 計量標準・標準物質
  • ライフサイエンス分野の計測方法・機器
  • ゲノム配列等のデータベース
  • タンパク質構造の解析データに関するデータベースのデータ数
  • 材料物性データベースのデータ数
  • 大型放射光施設(SPring-8)の利用者数及び産業利用率
  • スーパーSINETのノード(接続拠点)数
  • 大型放射光施設(SPring-8)の産業利用者数
  • 国立大学等施設緊急整備5か年計画の達成状況
 広く経済社会活動を安定的に支える知的基盤(研究用材料等)の整備は順調に進捗している。
 また、先端研究施設であるSPring-8及び地球シミュレータについては、順調に産業利用が拡大しており、高度な研究を支える基盤となるスーパーSINETのノード(接続拠点)の整備も順調に進捗している。
 国立大学等の施設整備については、「国立大学等施設緊急整備5か年計画」に基づく整備により、計画の約7割を達成した。整備対象別に見ると、「老朽化した施設の改善」については目標を下回ったが、優先的目標とした「大学院施設の狭隘解消等」、「卓越した研究拠点等」、「先端医療に対応した大学附属病院」については、想定どおり達成しており、大学等の教育研究基盤の整備・充実は一定程度推進された。
 しかし、「老朽化した施設の改善」については、目標を下回り、経年による老朽改善需要とあいまって、老朽施設は増加した。また、新たな教育研究ニーズによる施設の狭隘化への対応が必要であり、今後も老朽化対策を中心として施設の整備の計画的・重点的な推進を図っていくことが必要である。
【概算要求】
○第3期科学技術基本計画に挙げられている「2010年までに世界最高水準の知的基盤の整備・活用」を目指すために、平成19年度から23年度の5年計画とする「ナショナルバイオリソースプロジェクト」として2,132百万円を概算要求に盛り込んだ。(平成19年度予算額:1,776百万円)(再掲)
○独創的な研究活動を支える世界初のオンリーワン/ナンバーワンの計測分析技術・機器の開発を推進するための「先端計測分析・技術機器開発事業」として6,240百万円を概算要求に盛り込み、総合科学技術会議の評価を経て、平成19年度から新たにユーザーを取り込んだ応用領域(ものづくり)の産学協働開発を推進するため、平成19年度予算において4,800百万円が計上された。
SPring-8が、より優れた、より多くの成果を上げる「本格利用期」に対応した施設となるべく、平成18年度においては、戦略活用プログラムによる産業利用の拡大、本格的利用期に適した大型放射光施設(SPring-8)の運営体制の構築に関して国際的視点から評価を仰ぐ国際諮問委員会の開催等に係る経費を措置したところである。
 今後は、研究成果の量的・質的拡大や産業利用及び新規利用者の拡大等を図るため、高度利用実験技術の開発等の施設の活用方策や多様化する利用ニーズに応じた施設・設備の整備を一層推進する。
 なお、本格利用期に適した大型放射光施設の運営体制の構築として106億円を概算要求に盛り込んだ。(平成19年度予算額:94億円)
○「スーパーSINETの整備」について、最先端学術情報基盤(サイバー・サイエンス・インフラストラクチャ)の構築に向けて、大学等の学術情報基盤であるSINETと、先端的研究拠点を超高速回線で接続した先端的学術情報基盤であるスーパーSINETとを統合し、より信頼性・安定性が高く、柔軟かつ効率的な回線利用が可能な次世代学術情報ネットワーク(SINET3)を構築、運用するために必要な経費を、平成19年度予算に計上した。
(大学共同利用機関法人情報・システム研究機構運営費交付金の内数)
○我が国の大学・独法等の有する先端研究施設の共用を進めるため、適切な施設利用時間を確保して産学から共同研究や産業利用等の提案を募るとともに、その共用に係る体制を構築するための経費を支援し、具体的な技術課題の解決等を行い、共用を通じたイノベーション創出を加速させる「先端研究施設共用イノベーション創出事業」として新規に4,500百万円を概算要求に盛り込み、総合科学技術会議の評価を経て、平成19年度予算において3,180百万円が計上された。
○国立大学等の施設整備について、「国立大学等施設緊急整備5か年計画」に引き続き、平成18年4月に老朽化した施設の再生を最重要課題とした「第2次国立大学等施設緊急整備5か年計画」を策定した。
 この計画に基づき、重点的・計画的な整備を推進するために平成19年度概算要求において、113,335百万円を要求した。(平成19年度予算額:90,621百万円)

【その他】
○科学技術・学術審議会知的基盤整備委員会において、知的基盤整備計画の見直し作業を引き続き実施。

施策目標5−4 科学技術関係の国際活動の戦略的推進   【主管課】   科学技術・学術政策局国際交流官

基本目標 達成目標 指標 評価結果の概要 評価結果の政策への反映状況
(平成18年度以降の取組)
(基本目標5−4)
 国際的な取組が必要とされている研究を国際協力プロジェクトとして推進するとともに、研究成果等の積極的な海外発信を行い、我が国の科学技術活動を認知させる。また、研究者国際交流を促進するとともに、国内の研究環境を国際化する。
地球規模の問題の解決を目指した研究や国際的な取組が必要となる基礎研究等について、国際協力プロジェクトを推進する。
研究者間のネットワークを構築し我が国の研究成果、研究水準を世界に発信するため、海外で開催される国際会議等で研究発表を行う研究者の派遣の拡充、我が国の主導により開催する国際会議に対する支援を拡充する。
研究者国際交流を促進し、我が国の研究環境を国際化するため、外国人研究者の受入れ、日本人研究者の派遣を拡充する。
  • 国際研究集会派遣研究員による海外で開催される国際会議への派遣人数
  • 研究者国際交流状況調査(短期派遣、短期受入)
  • 文部科学省が支援する国際シンポジウムの件数
  • 外国人特別研究員制度(日本学術振興会)による受入人数
  • 研究者国際交流状況調査(受入、派遣)
 政府間合意プロジェクトの機動的な実施の支援や、各国との科学技術協力協定等に基づいた共同研究の実施等により、国際的な取組が必要とされている研究を国際協力プロジェクトとして着実に実施。また、国際会議等のための研究者の往来の増加や、外国人研究者の受け入れの増加等、国内の研究環境の国際化は着実に進んでおり、基本目標は想定どおり達成と判断。
 今後、第3期科学技術基本計画に基づき、国際活動の体系的な取組、アジア諸国との協力、国際活動強化のための環境整備と優れた外国人研究者受入れの促進等の施策を推進することが必要である。
【新規施策】
アジアとのパートナーシップを更に強化すべく、科学技術振興調整費において、「アジア科学技術協力の戦略的推進」を平成18年度に開始した。この制度を活用し、中国、韓国、東南アジア諸国、インドとの共同研究プロジェクトを新たに開始、支援した。

【概算要求】
○JST戦略的国際科学技術協力推進事業を着実に実施するため、前年比1,730百万円増の2,200百万円を概算要求に盛り込んだ。(19年度予算額:1,000百万円)
○優秀な外国人研究者の日本定着を図り、我が国での外国人研究者の活躍拡大を着実に推進するため、「外国研究者日本定着促進プログラム」について187百万円を概算要求に盛り込んだ(19年度予算額:30百万円)。
○海外への日本人研究者の派遣に関して、JSPS「若手研究者への国際研鑚機会の充実(ITPプログラム)」を平成19年度概算要求に盛り込んだ(19年度予算額:476百万円)。

【制度改正への働きかけ】
外国人研究者の受入れ促進・活躍拡大を図るため、出入国管理制度や査証発給のあり方に係る必要な見直しや運用改善を推進。平成18年度においては研究者の短期の往来(派遣、受入)を促進するため、アジア太平洋経済協力(APEC(エイペック))ビジネス・トラベル・カード(ABTC)の研究者交付についてAPEC(エイペック)関連会合で提案。
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-- 登録:平成21年以前 --