どういう行為をいじめと呼ぶのですか

いじめ防止対策推進法」という法律に、「いじめ」とは、「児童等に対して、当該児童等が在席する学校に在席している等当該児童等と一定の人的関係にある他の児童生徒が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛と感じているものをいう。」と定められています。

つまり、受けた側の人が嫌な気持ちになったり、痛みを感じたりすることを「いじめ」と呼びます。したがって、それを行った人が「いじめ」と考えていなくても「いじめ」になります。

いじめの範囲がすごく広い気がします

いじめはほんの小さなことから思わぬ方向に変わっていき、命に関わるなど重大で取り返しのつかない結果となってしまうこともあります。そのため、どんなに小さなことであっても、学校はいじめとしてとらえ、チームとして必要な指導を行い、速やかに解決につなげていくことが重要だと考えています。

いじめは特別な子だけの問題ですか?

いじめは一部の子だけの問題ではなく、どの子もいじめられる側にもいじめる側にもなるかもしれない問題です。国立教育政策研究所生徒指導研究センターによる「いじめ追跡調査2013-2015」によれば、「仲間はずれ、無視、陰口」について小中学生が「された経験」も「した経験」も9割の子供たちがあると答えています。

また、いじめっ子といじめられっ子のように直接の関係でなくても、周りで見ている子も「いじめ」を止められる重要なポジションにいます。なぜなら「いじめ」を知っているからです。知っていて止めないこと、何もしないことも問題だと考えています。

いじめはどれくらいあるのですか?

全国の学校での平成27年度中のいじめの件数は、小学校151,692件、中学校59,502件、高等学校12,664件、特別支援学校1,274件の合計225,132件です。

すごく多く感じます

いじめはどの学校にも、どのクラスにも、どの子どもにも起こりえるものです。発生しているいじめをできるだけ見つけた上で、その解消に向けて取り組むことが重要です。

そのため、文部科学省としては、小さなトラブルなどでも積極的にいじめを見つけ、対応している学校は、前向きなよい学校だと考えています。その取組の結果、いじめが多く見つかったとしても、それは決して悪いことではなく、いじめがひどくならないよう努力をしている学校なのです。

どうしたらいじめが解決したといえるのですか?

いじめは、単に謝罪したから安易に解消とすることはできません。いじめが「解消している」状態とは、少なくとも、(1)いじめの行為が止んでいること(少なくとも3か月間)、(2)被害を受けた子供が心身の苦痛を感じていないことを満たしている必要があります。ただし、いじめが「解消している」状態に至った場合でも、いじめが再発することは十分にあり得ますので、先生方は、当該いじめに関わった子供たちについて日常的に注意深く観察する必要があります。

いじめに流行やピークはあるのですか?

大きな事件が起きた時に世の中の関心が高まりますが、いじめは常に起こっているものであり、「流行」や「ピーク」というものは特にないと考えています。

いじめられたり、いじめを見たりしたらどうすればいいですか?

まずは、ひとりで抱え込まずに、友達、家族や学校の先生などに相談しましょう。あるいはスクールカウンセラーの方に悩みを伝えてみてください。

いじめを見たり、知ったりした人は保護者や学校の先生など信頼できる大人に伝えてください。みなさんの勇気ある行動が友達を救うことになります。

また、いじめられたり、いじめを見たときに「24時間子供SOSダイヤル」に電話することも相談方法の一つです。

「24時間子供SOSダイヤル」はどういうものですか?

いじめだけでなく、児童生徒のみなさんがSOSを出したいと思うような問題全般について、24時間年中無休で、どこからでも悩みや相談を広く受け止めるダイヤルです。家の電話でも携帯電話からでもつながります。

平成28年4月から通話料が無料になっています。

電話番号は0120-0-78310(なやみいおう)です。

もっと詳しく知りたいです

文部科学省では、いじめ問題を含む子供のSOSに対する取組をまとめたサイトを設けています。

よろしければこちらを御覧ください。

文部科学省では、24時間通話無料の
相談ダイヤルを設置しています。

0120-0-78310(なやみいおう)