別紙2
(平成16年9月9日 総合科学技術会議)
宇宙開発利用は、長期的視点から地球システムの持続的発展を目指すため、地球環境の現状と人類活動の及ぼす影響を全地球的規模で把握するために、もっとも有効な手段である。また、フロンティアとしての宇宙への挑戦を続けることは、国民に夢と希望を与えるとともに、国際社会における我が国の品格と地位を高めることにも大きく貢献する。
多くの人々に夢や希望を与えるべく、未知のフロンティアとしての宇宙に挑む。宇宙空間を探査し、利用することにより、宇宙の起源、地球の諸現象などに関する根源的な知識・知見を獲得する。さらに、地球の有限性が語られるようになった今日、宇宙からの視点を活用して、人類の活動と地球環境との共生を目ざすとともに、更なる飛躍を求めて、宇宙における人類活動の場を拡大する。
我が国の国際的地位、存立基盤を確保するため、諸外国における宇宙開発利用の状況を踏まえつつ、我が国は人工衛星と宇宙輸送システムを必要な時に、独自に宇宙空間に打ち上げる能力を将来にわたって維持することを、我が国の宇宙開発利用の基本方針とする。
そのため、技術の維持・開発においては、信頼性の確保を最重視する。また、重要技術の自律性を高めるため、適切な選択と重点化を行った上で、ソフト面も含めた基盤的技術を強化するとともに、技術開発能力を維持する。
なお、研究開発目標の設定や研究開発計画の策定に関しては、利用者の要求を十分に反映することが可能となる仕組みを構築する。
宇宙科学研究は、真理の追究、知の創造に寄与し、多くの人に夢、誇り及び活力を与えるものであり、宇宙開発利用の柱の一つである。
我が国の独自性を重視した研究開発を推進し、国際的水準の活動を持続する。我が国として独自性を発揮できる、太陽系探査や天文観測などの分野を中心に、資源を集中する。また、国際協力の重要性に配慮した上で、我が国の独自性を発揮できる戦略をとる。欧米などの当該分野の取組みに対しては、その状況を十分踏まえた上で、競争、連携あるいは補完の形をとる。対象分野の選択に当たっては、関連コミュニティの合意と適切な外部評価(他分野の関係者も含める)の下に、透明性を持って実施する。
我が国の独自性を打ち出せる、特色ある太陽系探査や天文観測などを推進する。その際には、宇宙物理学や惑星物理学などの基礎科学研究の目指すべき長期的方向性を十分に勘案しつつ、我が国における宇宙科学研究として、知の創造に貢献できる分野に焦点を合わせる必要がある。
(平成15年9月1日 総務大臣、文部科学大臣、国土交通大臣)
未知なる宇宙及び太陽系の探査活動や宇宙環境を利用した基礎的な研究は、宇宙の起源、地球の諸現象などに関する普遍的な知識・知見を獲得するものであり、新しい価値観や新たな文化の創造にもつながるものである。
また、未知のフロンティアである宇宙に挑む姿は、次世代を担う若い世代を含めて多くの人々に、夢と希望をもたらすものである。さらに、人類の新たな活動拠点を構築するとの観点から、次の世代の選択肢を増やしていくための活動を行う。
太陽系を理解する様々なアプローチのうち、科学衛星による直接探査が最も効果的な成果を挙げると期待される「太陽系形成の歴史を探る」こと及び「太陽、太陽系空間、惑星環境を探る」ことを重点的に推進する。・・・(略)・・・
また、太陽の超高温プラズマの生成等の解明に焦点を当てた太陽観測を行うとともに、地球及び惑星の大気や磁気圏、太陽圏空間プラズマの観測的・理論的研究を推進し、宇宙空間の環境の理解及び地球環境の普遍性と特殊性の解明を行う。
より遠く、より自在な、より多面的な探査活動を実現するための工学研究を推進する。
このため、より遠くへの探査活動を可能とする、新しい宇宙推進系、高効率の電源系等の研究を進めるとともに、長遠距離通信の高効率化を可能とする研究等の基礎的研究を実施する。また、自在な探査活動を可能とするため、自律探査ロボットや極限的な宇宙環境に耐える電子部品技術等の基礎的研究を実施する。さらに、多面的な探査活動を行うため、技術観測機能の分散化・多様化・連携化を可能とする基礎的研究を推進する。
(平成17年3月18日 宇宙開発委員会 推進部会)
(平成15年10月1日 総務大臣、文部科学大臣、国土交通大臣)
水星の起源と進化、磁場の成因、磁気圏にわたる全貌解明を目指して、国際水星探査計画ベッピコロンボ(Bepi-Colombo)計画に参加し、水星磁気圏探査機及び観測装置の開発を行う。