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2  「みどり2」の運用異常について

1.  「みどり2」の運用異常までの経緯及び状況
 「みどり2」は、平成14年12月14日に種子島宇宙センターよりH−2Aロケット4号機により打ち上げられた。
 平成15年10月25日7時28分頃、地球観測センターで予定していた地球観測データの受信ができなかった。このため、緊急に設定した外国局(マスパロマス局)による臨時交信において、8時49分頃に「みどり2」が軽負荷モード(注)になっていることが判明した。さらに、8時55分頃、「みどり2」のバス電源電圧低下に伴う通信機器動作停止により、衛星からの通信が途絶した。
 機構は、通信途絶後、衛星との交信回復のため、国内外の追跡管制局等を使用してコマンド送信及びテレメトリデータの受信を試みたが、衛星データの受信はできなかった(図2−1−1)。
 その後、交信途絶直前の衛星状態のデータ及びドイツ応用自然科学研究協会(FGAN)高周波物理研究所(FHR)のレーダ観測結果を踏まえ、「みどり2」の姿勢等を解析し、三軸姿勢を確立するために必要な電力の発生は期待できないことから、機構は、観測運用の復旧は困難であると判断し、平成15年10月31日に観測運用を断念した。
(注)
軽負荷モード: 異常発生時に衛星が消費する電力を抑え、最低限の機能を維持し、衛星システム全体の安全を確保するモード。異常時に自動移行する

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