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[用語解説]

◎ アクロス(震源)

 アクロス(ACROSS)は、Accurately Controlled, Routinely Operated Signal Systemの略。日本語では「精密制御定常信号システム」と呼ばれる。アクロスには、地震波(弾性波)を用いたものと電磁波を用いたものがある。そのうちの地震アクロスは偏心した錘(おもり)を精密に回転させることで、数ヘルツから数十ヘルツの周波数の微弱な振動を発生させ、地下に送信する。そして、遠く離れた観測点では、観測された長時間のデータを足し合わせることにより、この送り込まれた微弱な信号を検出する。この微弱な信号の伝わり方の時間変化を調べることにより、プレート境界の状態や断層の状態を監視しようというもの。

◎ アコースティックエミッション

 岩石や金属などに応力や熱が加えられると、内部に応力集中が生じ、これによって微小破壊などの急激な運動が引き起こされる。このような急激な運動に伴って放射される高周波の弾性波のことを言う。

◎ アスペリティ

 プレート境界や断層面において固着の強さが特に大きい領域のこと。この領域が地震時に滑ると、滑り量が周りよりも大きくなり、大振幅の地震波を放出する。アスペリティでない領域を非アスペリティといい、非地震性滑りの進行によりひずみを開放している場合もある。

◎ アスペリティモデル

 非地震性滑りの進行により固着領域(アスペリティ)に応力が集中し、やがて地震発生に至るというモデルをアスペリティモデルと言う。同一地域において異なる大きさのアスペリティが存在して階層構造をしているという考え方もある。

◎ アセノスフェア

 地球表面を覆う固い層(リソスフェア)の下に存在する、上部マントル中の流動性に富む層。

◎ アナログ物質

 研究対象とする物質に性質や構造がよく似ている物質のことを言う。研究対象の物質を使って実験を行いたいときに、研究対象の物質を用いた実験が困難であるとき、性質や構造がよく似ている物質であるアナログ物質を用いて実験を行う。

◎ アレイ観測

 地震計を並べて行う観測。それぞれの観測点の波形を重ね合わせることにより微弱な信号を検出したり、観測点ごとの地震波の到着時間の差から地震波の到来方向を推定したりする。

◎ 異方性

 一般には方向によって物性が異なることを言う。振動方向や伝播(でんぱ)方向によって地震波の伝播(でんぱ)速度が異なる現象を意味する。

◎ 宇宙線(ミューオン)

 宇宙線が大気中の原子核と反応して生成される二次宇宙線の一つで、地上に絶え間なく降り注いでいる素粒子。透過する物質の密度差によってミューオンの減衰が異なることを利用して、X線の透視撮影のように地殻内部の密度分布を調べる試みがなされている。

◎ 応力

 物体内部での力の掛かり具合を示す、物体内部に考えた仮想的な面を通して及ぼされる単位面積当たりの力。震源域の応力が破壊強度より高くなったときに地震が発生すると考えられている。三次元の物質中の任意の応力状態は互いに直交する三つの軸に平行な圧縮と引っ張りで表すことができるが、この三つの軸を応力の主軸と呼ぶ。この三つの軸を基準とし、力の働く面と力の働く方向を九つの成分で表したものを応力テンソルと言う。また、起震応力場という表記によって地震を発生させる応力の方向や状態を示すこともある。また、地震発生前後のせん断応力の応力差を応力降下量と言う。

◎ 階段図

 一つの火山や地域内を対象に、噴出時期と積算した噴出物量を両軸にとって作成される階段状の図面。その規則性から将来の噴出時期や噴出量を予想するのに用いる。

◎ ガウジ層

 断層運動に伴う破砕によって生じた細粒・未固結の物質からなる層。

◎ 火山灰の移流拡散モデル

 噴火によって噴出された火山灰の移動・拡散を予測するモデル。

◎ 火山フロント

 火山は、海溝からある距離だけ離れた位置から背弧側に向かって分布する。火山の海溝側の分布境界を、気象の前線になぞらえて火山フロントと言う。

◎ 活褶曲(かつしゅうきょく)

 地層が波状に変形した構造を褶曲と言い、この変形構造をつくる作用が現在まで継続している場合、その変形構造を活褶曲と言う。

◎ 活断層

 →断層の項を参照。

◎ カップリング

 プレート境界において沈み込むプレートとその上に横たわるプレートとの固着を指す。プレート間の固着について、完全に固着している状態から、まったく固着せずに滑っている状態までの度合いをカップリング率やカップリング係数として表記する場合もある。

◎ 火道

 地下のマグマ溜(だ)まりから地表へ至るまでのマグマの上昇経路のこと。火道でのマグマの脱ガスや上昇の仕方が噴火の様式を左右する。

◎ 間隙流体圧

 土や岩石中の空隙(くうげき)内の圧力を間隙圧と言い、その空隙を流体が占めている時の流体(水)の圧力を間隙流体圧と言う。

◎ 観測点補正

 観測点下の特異な構造のために地震波の到達時間が変わることがある。その観測点における特異な構造によって引き起こされる到達時間の遅れを補正すること。

◎ 機動型GPS火山変動リモート観測装置

 電力や通信手段のない火口周辺などにおいても地殻変動連続監視ができるように、GPS受信機、太陽電池、衛星携帯電話等を合体した観測装置。必要に応じてヘリコプターなどでも運搬できる。

◎ キネマティックGPS解析

 GPSを用いた位置の推定の手法で、移動体の時々刻々の位置を相対測位によって決定する解析方法。

◎ 逆解析

 観測データから、それを生じさせる原因となる現象や物質の性質等を推定する解析手法。

◎ 逆断層

 →断層の項を参照。

◎ 強震計

 強い地震動でも振り切れない、強い揺れを記録するための地震計。

◎ 強震観測網

 (K-NET)

 防災科学技術研究所が日本全国約1,000か所に整備した強震観測網。地表に設置された三成分加速度型強震計は、計測震度計としての機能も有しており、地震発生時の波形データの収集が行われている。

 (KiK-net)

 防災科学技術研究所が日本全国700か所に整備した強震観測網。Hi-netに併設される形で、深さ約100m程度の縦孔の底部と地表の両方に、三成分加速度型強震計が設置され、地震発生時の波形データの収集が行われている。

◎ 強震動

 強震動とは、建物に被害を及ぼす強い揺れを指し、各地点の揺れ方は、震源の大きさや断層の破壊の進行方向、地震波が伝わる経路、観測点の地盤の特性などによって大きく変わる。

◎ 共同利用・共同研究拠点

 文部科学省が、平成20年7月に科学技術・学術審議会学術分科会研究環境基盤部会の報告を踏まえて学校教育法施行規則を改正し、国公私立大学を通じた、共同利用・共同研究を推進するシステムとして、新たに文部科学大臣によって設けられた認定制度。

◎ 空振計

 火山などの噴火の際には、急激な気圧変化による空気の振動が発生する。このような空気の振動を捉える計測器。

◎ クラック

 岩盤の中に存在する割れ目。

◎ クリープ現象

 地震のように、急激で大規模な運動(地震)とは異なり、非地震性の非常にゆっくりとした滑りや変形を継続して起こすこと。

◎ 傾斜計

 岩盤の傾きの程度を測定する計器。

◎ コア試料

 掘削により採取した岩石試料。

◎ 広角多重散乱

 散乱が一回限りでなく複数回散乱されるものとし、個々の散乱の際の散乱の角度が大きい場合を考慮した散乱。

◎ 高感度地震観測網

 防災科学技術研究所が日本全国約800か所に整備した地震観測網(Hi-net)。深さ100メートル程度の縦孔の底部に、固有周期約1秒の三成分高感度速度型地震計が設置され、連続データのリアルタイム収集が行われている。

◎ 孔井式地震計

 地下に掘られた掘削孔のなかに設置する目的で開発された地震計。地表に比べ地下で観測を行ったほうがノイズの軽減が期待できるため、このタイプの地震計の開発が行われた。

◎ 構造探査

 ダイナマイト等人工震源を用いて、振動を発生させ、その振動をいろいろな地点で観測して、地震波の伝播(でんぱ)速度や減衰などを調べることにより地下の構造を明らかにする調査手法。

◎ 広帯域地震観測網

 防災科学技術研究所が日本全国約70か所に整備した広帯域地震観測網(F-net)。奥行き50m程度の横坑の最奥部に、固有周期120秒または360秒の三成分広帯域速度型地震計、及び三成分速度型強震計が設置されており、連続データのリアルタイム収録が行われている。

◎ 国際GNSS事業

 国際GNSS事業 (International GNSS Service)はIGSとも呼ばれ、国際協力の下にGPSなどの測位衛星の観測や解析を行い、主に衛星の軌道情報や地球回転パラメータなどを計算し、インターネット等で公開している、国際測地学協会(International Association of Geodesy)の事業である。

◎ 国際VLBI事業

 VLBIは巨大なパラボラアンテナを使って、地球上での正確な位置を求め、日本列島のプレート運動を監視しているほか、地球の姿勢情報など地球環境自体に関する基本量を提供している。VLBI観測は、高度な技術と長期の国際協働を必要とする国家事業であり、VLBIの国際観測を推進するための組織として、国際VLBI事業(IVS)は1999年に設立された。IVSには主要国の測量・宇宙関連機関が参加しており、日本では国土地理院が設立当初から参加し、IVSの中核機関として、観測や技術向上に大きく貢献している。

◎ 国際レーザー測距事業(ILRS)

 ILRSはInternational Laser Ranging Serviceの略。SLR(衛星レーザー測距であり、離れた地上の2点からレーザー光線を発射し、人工衛星からの反射時間を測定することにより、衛星の軌道が詳しく分かっている場合には、2点間の距離を1~2cmの精度で測定することができる。)の観測成果を測地学や地球物理学の研究に有効に活用するため、国際レーザー測距事業が組織されている。ILRSでは、SLRの観測データが均質となるようSLR観測の標準化が進められ、測地学的・地球物理学的成果がより豊富に得られるよう観測する衛星の優先度や観測方法を推奨している。また、ILRSの下でSLRデータの収集と解析がなされ、地球回転パラメータ、地球基準座標系をはじめ、様々な解析結果が出されている。

◎ 古地震調査

 地震発生の長期予測を行うにあたり、過去における地震の履歴を知ることが大変重要であるが、近代的な地震観測が開始されてから100年程度であるため、計測学的な資料が得られる期間は、ごく最近に限られる。そのため、それよりも古い時代の事柄について歴史学、考古学、地形学、地質学、地球物理学等様々な方法を駆使して、過去に発生した地震を調べることを言う。

◎ コックステールジェット

 火口から灰色のもくもく噴煙が上昇するマグマ噴火に対して、水蒸気爆発のように、水が関与する噴火では、黒っぽい土砂混じりの噴煙が火口から放出される。その飛跡がおんどりの尾のように見えることからコックステールジェットと呼ばれている。

◎ 個別要素法

 個別要素法は、解析の対象を自由に運動できる多角形や円形・球の要素の集合体としてモデル化し、要素間の接触・滑動を考慮して、各時刻におけるそれぞれの要素の運動を逐次追跡して解析する手法。

◎ サイト増幅係数

 地震の時の各地点(サイト)の地盤の揺れは、地震動の周波期や、その土地ごとの表層の地盤の性質や厚さに関係してくる。地震波が地表面に達する時、表層地盤と呼ばれる、浅い地下にある地層の構造や地震波の入射角度によっては、振動振幅(揺れ)が大きく増幅されることが判明している。このような各地点の増幅の度合いを算出したもの。

◎ 散乱トラップ

 地震波が構造による不均質物質と衝突あるいは相互作用して方向を変えられることを散乱といい、その散乱現象によって波のエネルギーが周囲に余り伝播(でんぱ)されずに閉じ込められること。

◎ 地震・火山噴火予知研究協議会

 地震及び火山噴火予知研究を行っている全国の大学・研究機関が、「地震及び火山噴火予知のための観測研究計画」(科学技術・学術審議会 平成20年7月17日建議)で立案された研究を、連携と協力関係を強化して推進するために設立された組織。

◎ 地震サイクル

 広域の応力によって歪(ゆが)みが蓄積した断層面が破壊してずれ動き、地震が発生する。その後にも地震前と同様な広域の応力が働き続けることによって再びひずみが蓄積され、次の地震が発生するまでの一連の過程。また、地震の規模によってプレート境界面での地震発生間隔が異なり、同一地域においても、地震の大きさによって発生間隔が異なることがあり、地震の大きさに伴った発生間隔の階層性を形成する。このことをサイクルの階層性と呼ぶ。

◎ 地震調査研究推進本部

 行政施策に直結すべき地震に関する調査研究の責任体制を明らかにし、この調査研究を一元的に推進するため、地震防災対策特別措置法に基づき総理府に設置(現・文部科学省に設置)された政府の特別の機関。

◎ 地震波干渉法

 地震波干渉法は、物理探査における信号処理技術の一つである。地中の波動場を異なる2地点で同時に観測した場合、それらの地震波形の相互相関処理を行うことにより、地下構造のイメージングや物性解析など様々な解析が行える手法。

◎ 地震波形逆解析

 地震波形インバージョン解析とは、初期モデルを与え理論波形を計算し、観測波形との差を最小化するようにモデルを更新することにより正しい解を求める手法。

◎ 地震発生過程

 広域の応力によって非弾性的な変形が進行して、特定の震源断層に応力が集中し地震に至る過程。

◎ 地震波トモグラフィー

 地震波を用いて地中の二次元または三次元の物理量の分布を求める手法。地震波速度や減衰構造の推定によく用いられる。近接する地震の走時の差を利用することにより、震源域周辺の地震波速度構造を高精度で推定する方法を二重時間差トモグラフィーと言う。

◎ 沈み込み帯

 プレートの収束境界で、一方のプレートが他方のプレートの下へと沈み込む地帯。冷たくて重い海洋プレートが、大陸プレートなどのより軽いプレートの下へ沈み込む。

◎ 斜長石

 斜長石は、地殻を構成する主要な鉱物の一つで、火山岩に多く含まれる。ナトリウムとカルシウムを含む長石。

◎ 蛇紋岩

 主に蛇紋石からなる岩石。上部マントルの主要な鉱物であるかんらん石が、水を含んで変質し蛇紋石になる。蛇紋石化すると強度が小さく変形しやすくなる。

◎ 重力

 重力とは、物体に働く力で、地球による引力と地球回転による遠心力を合わせたもの。物体の下にある地球を構成する物質の質量の分布と、物体の周辺の質量分布による。

(絶対重力)

 観測点における重力加速度を指す。

(相対重力)

 ある地点、あるいはある時刻での重力値を基準として、そこからの重力の変化量の値を指す。

◎ 準静的

 ゆっくりと時間変化する系において、ある瞬間においては静釣合いが成立している状態を言う。

◎ 準備過程

 (地震準備過程)

 地震発生直後から次の地震発生に至るひずみエネルギーの蓄積と応力集中の過程。

 (火山噴火準備過程)

 火山噴火は、火口から溶岩や火山ガスが急激に地表に放出される現象である。その過程としては、地下深部で発生したマグマが、マントルや地殻内を上昇し、地殻浅部にマグマ溜(だ)まりとして蓄積される。さらに、内部の圧力が高まる等の理由で、マグマが地表へ移動し溶岩や火山ガスとして噴出する。このように噴火に至るまでの一連の過程のこと。

◎ 震源核形成過程

 地震が発生する前に断層面上で準静的に成長すると考えられている地震の種を震源核と呼び、震源核が作られる過程を言う。

◎ 震源過程

 地震は震源域内部で、ある種の破壊が発生することにより起こる。この破壊過程のことを震源過程と言う。

◎ 震源断層

 →断層の項を参照。

◎ ステップ変動

 連続している観測データが、地震など他の原因により観測値が階段状に跳んで記録されること。

◎ 滑り欠損

 プレート境界の変位を考えた時、プレートの収束運動から期待される量から、実際に生じているずれの大きさを減じた量。欠損が大きいとはプレート間が固着していることを意味する。

◎ スラブ

 マントル内部に沈み込んだ海洋プレートをスラブと言う。

◎ 静岩圧

 重力による力だけを考えたときに地下の岩石に働く3つの法線応力成分の平均を指す。

◎ 制御震源

 地殻構造等を調べる目的で地震波を人工的に発生させる装置。爆薬や水中に圧縮空気を放出するエアガンなどがある。

◎ 正孔電荷キャリア

 電荷キャリアとは物理学において電荷を運ぶ自由な粒子を指し、その粒子が価電子帯の空席になっている部分(正孔)を移動する。

◎ 脆性破壊(ぜいせいはかい)

 塑性変形を起こす前に破壊に至る現象。

◎ 正断層

 →断層の項を参照。

◎ 静的応力変化

 力の釣合いを考えた時に、物体の運動による影響を無視した時の釣合いを静的平衡状態と言う。静的平衡状態の下に働く応力の変化を静的応力変化と言う。

◎ 赤外多波長観測

 可視光域から熱赤外域を複数の周波数帯域に分割し、それらの帯域を用いて火山などの表面温度を調べる観測。

◎ セグメント

 巨大な断層で地震が起こる場合には、断層全体がいっぺんに動くとは限らず、幾つかの区分に分かれた振る舞いをする。このように、断層運動する際にまとまった振る舞いをする区分をセグメントと呼ぶ。

◎ 絶対重力

 →重力の項を参照。

◎ 先行過程

 地震発生の直前に発生する物理現象や化学現象の進行・発展の過程。

◎ 浅層反射法地震探査

 反射法地震探査とは、地表の近くで人工的に発生させた振動(弾性波)が、地層境界面(速度と密度が変化する面)で反射して、再び地表へ戻ってきたところを捉え、解析することにより、地下構造を解明する手法。反射波の到達時間と振幅を処理/解析することにより、地下の速度構造と地質構造形態(地層の重なり具合)が明らかになる。浅層反射法地震探査は、地下浅部を詳細に探査するもの。

◎ せん断

 物体内部のある面の平行方向に、滑らせるように作用すること。「せん断応力」とも言う。また、その力による変形を「せん断ひずみ」と言う。ある面に働くせん断応力が最大静摩擦応力より大きくなるとずれが生じる。その他、「積荷せん断応力」や「残留せん断応力」のように使うことがある。

◎ 相対重力

 →重力の項を参照。

◎ 素過程

 地殻・上部マントル構成物質の変形・破壊について、その基となる物理的や化学的な現象の進行・発展の過程。

◎ 塑性(そせい)

 物体に外力が加わったときに生じる変形のうち、外力が取り除かれた後、元に戻る変形を弾性変形と言う。これに対して、元に戻らずに残っている変形を塑性変形と言う。

◎ 大気荷重効果

 大気も重力に影響を及ぼし、観測点上の高気圧が引力として重力を小さくする方に働くとともに、大気による地殻の荷重変形の影響による効果がありこれらを大気荷重効果と呼ぶ。

◎ 大気遅延勾配

 観測点周辺の大気による伝播(でんぱ)の遅延の方位角依存性を指す。

◎ 大深度ボアホール

 地下深部の情報を取得するために掘削してできた円筒状の穴をボアホールと言う。ボアホールの直径は10~20cm程度のものが多いが、深いものほど入り口を大きくするのが普通である。ボアホールは地下の岩石を取得する目的の他、地下深部での地震計やひずみ計などの計測機器の設置、応力測定などに利用される。このボアホールのうち通常1000m以上の深いものを指す。

◎ 帯水層

 地下水によって飽和した透水性の良い地層や岩盤の割れ目帯。

◎ 堆積層補正

 各観測点下に存在する堆積層のような地震波の伝播(でんぱ)速度の遅い層は、地震波の到達時刻に大きく影響し、震源決定のような他の観測点のデータと併合処理をする際に悪影響を及ぼす。そのため、各観測点における堆積層の影響を補正する必要がある。この補正を堆積層補正と言う。

◎ 体積ひずみ計

 地下の岩盤の伸び縮みを体積変化として地上で検出する目的で作られた計測器。

◎ ダイナミックレンジ

 信号の再現能力を表す数値で、最小値と最大値の比率を表したもの。ダイナミックレンジの値は、計測器がどれだけ細かい信号まで再現できるかを示し、実質的に利用できる分解能の高さを意味するものである。

◎ 卓越周波数

 地震波のような不規則波に含まれる周期(または振動数)成分のうち、頻度または振幅が他の周期と比較して卓越しているもの。

◎ 弾性層/弾性-粘弾性構造

 地殻の上部は弾性的性質(外力によって変形した物質が、そのひずみを元に戻そうとする力を生じる性質)を持つが、深部になると粘弾性的性質(粘性と弾性の二つの性質を併せ持つこと)や塑性的性質(力を加えて変形させたとき、永久変形を生じる物質の性質)を持つ。地殻の弾性層とは、地殻のうち上部の弾性的性質をもつ領域。

◎ 弾性波

 外力によって変形した物質が、そのひずみを元に戻そうとする力を生じる性質を持つ媒質を弾性体と呼ぶ。弾性体の中を伝わる弾性変形の波を弾性波と言う。弾性波には縦波と横波とがあり、縦波は体積変化を伴う疎密波であり、横波は体積変化を伴わないずれ変形の波である。

◎ 断層

 断層とは、地下の地層もしくは岩盤に力が加わって割れ、割れた面に沿ってずれ動いて食い違いが生じた状態。

(活断層)

 地質時代で言う第四紀後期(数十万年前~現在)に繰り返し地震を発生させ地表近傍まで食い違いを生じてきた断層。今後も同様の地震を発生させると考えられる。

(逆断層)

 断層面に沿って主として上下方向にずれた断層で、上盤(断層面の上側の地塊)側が相対的に上向きにずれた断層のこと。

(震源断層)

 地震を起こした断層のことをいい、通常は地下にあり、大きな地震では複数の断層が連動して動くことがある。また、断層面から枝分かれした断層を分岐断層と言う。

(正断層)

 断層面に沿って主として上下方向にずれた断層で、上盤(断層面の上側の地塊)側が相対的に下向きにずれた断層のこと。

(横ずれ断層)

 断層面に沿って主として水平方向にずれた断層で、断層を挟んで他方を見た場合に、他方が右にずれていれば右横ずれ断層、左にずれていれば左横ずれ断層と言う。

◎ 地殻

 地球を構成する大きな成層構造のうち、一番外側の層で、地表または海底からマントルとの境界面であるモホロビチッチ不連続面までの層を指す。

◎ 長期評価

 主要な活断層で発生する地震や海溝型地震を対象に、地震の規模や一定期間内に地震が発生する確率を予測したものを「地震発生可能性の長期評価」(長期評価)と呼ぶ。

◎ 長周期地震動

 地震発生時に通常の震動とは異なり、数秒~数十秒周期でゆっくりと揺れる震動のことを言う。

◎ 超低周波地震

 低周波の地震波に卓越し、短周期地震波をほとんど放出しない地震。南海トラフ沿いに、この超低周波地震が広い範囲で分布することが知られている。

◎ 津波堆積物調査

 過去の巨大津波によって堆積された、沿岸低地の地層に残されている砂層の調査。

◎ データ同化

 複雑な現象の高精度予測のために、数値シミュレーションの結果として得られる物理量が観測データをなるべく再現できるように、適切な初期値や境界値、各種パラメータを推定すること。

◎ テレメータシステム

 遠隔地等における様々なデータを無線や電話線等の通信手段を利用して、受信器に送って記録させる計測システム。遠隔地の情報を収録地において一括して把握することができる。

◎ 透水係数

 地層や岩石などの水の通しやすさを表す係数。単位断面積を単位時間に通過する流量と水圧勾配の比として定義される。

◎ 動的破壊

 地震波を放射するような高速で伝播(でんぱ)する破壊。

◎ トレンチ調査

 断層面を横切る方向に細長い溝を掘り、断層を観察して断層のずれ方や地層の年代を測定し、断層の動いた年代や周囲の環境を調べる調査。

◎ 内陸地震

 プレートのぶつかり合いで生まれた力(ひずみ)は、プレート境界から離れた陸のプレートの内部である日本列島の内陸部にも働き、ひずみが蓄積して岩盤を破壊する地震が発生する。このような理由で発生した地震を内陸地震と言う。

◎ 粘性緩和

 地震などによって大きな力を受けた時、この力を緩和するように変形すること。

◎ 粘弾性(層)

 物質に加える力と変形量が時間に依存せず一対一に対応する弾性的性質と、力を加えると時間とともに変形が進行する粘性的性質とを併せ持つ性質。地下深部の高温化の岩石は粘弾性的性質を持つと考えられており、このような層を粘弾性層と言う。

◎ 破壊核

 大きな地震が発生する際に、震源となる断層の破壊を誘導する微小な割れ目のこと。

◎ 発震機構解

 地震の起こり方を意味するが、地震波の放射パターンなどから求められる震源断層の走向、傾斜角、滑り角を指す場合が多い。断層に働いていた力の方向を知る手掛かりになる。

◎ 反射帯

 地震波を反射する層が幾重にも重なっていること。

◎ 反射法地震探査

 反射法地震探査とは、地表の近くで人工的に発生させた振動(弾性波)が、地層境界面(速度と密度が変化する面)で反射して、再び地表へ戻ってきたところを捉え、解析することにより、地下構造を解明する手法。反射波の到達時間と振幅を処理/解析することにより、地下の速度構造と地質構造形態(地層の重なり具合)が明らかになる。

◎ 斑晶

 斑晶は火山岩中でより大きな結晶のことで、マグマが冷え固まる前に既にマグマだまり内で結晶となっていたもの。

◎ 半無限媒質モデル

 同じ物理的性質を持つ媒質が続いていることを仮定したモデル。

◎ ピクセルオフセット解析

 2枚のSAR(SARの項参照)振幅画像中の画素の位置のずれから地殻変動分布を抽出する解析。

◎ 非地震性滑り

 地震波を放出しない、断層面やプレート境界面でのゆっくりとした滑り。

◎ ひずみ

 岩盤(プレート)などが変形する際の、変形の大きさをひずみと言う。単位長さ当たりの変位で定義される、変形の度合いを表す物理量。

◎ ひずみ集中帯

 測地観測や地形から推定される地殻ひずみが大きい領域。新潟-神戸歪(ひずみ)集中帯など。

◎ 非線形

 線形でないことを意味する。線形とは、応答する量が入力の変化の量に比例する関係を言う。簡単に言うと原因と結果の間に「重ね合わせ」の関係が成り立たたないような場合を指す。

◎ 非線形応答/非線形挙動

 軟弱な地盤において地震動が非常に大きくなったり小さくなったりすること。

◎ 非弾性変形

 外力によって変形した物質が、そのひずみを元に戻そうとする力を生じる性質を弾性といい、そのような性質でないものを非弾性と言う。非弾性で媒質が変形することを非弾性変形と言う。非弾性的性質には、粘性や塑性などの性質が含まれる。地殻の上部は主に弾性的性質を持つが、深部になると粘弾性的性質や塑性的性質を持つことが知られている。内陸地震の発生のメカニズムを理解するためには、粘弾性的性質や塑性的性質を持つ層の影響を理解することが重要であると考えられている。

◎ 比抵抗

 単位断面積、単位長さ当たりの電気抵抗値。電気伝導度の逆数。

◎ 付加体泥岩

 海溝で海洋プレートが沈み込む際に、沈み込むことができなかったプレート上の堆積物等が、上盤プレートの先端に押し付けられてできた地層を付加体といい、その付加体が泥岩(泥が固結した堆積岩)であるもの。

◎ 不均質粘弾性媒質

 不均質な粘弾性(物質に加える力と変形量が時間に依存せず一対一に対応する弾性的性質と、力を加えると時間とともに変形が進行する粘性的性質とを併せ持つ性質)媒質。

◎ 不透水層

 地下水を通過させにくい、またはさせない地層。

◎ プレート境界地震

 プレート境界に沿ってずれの生ずる地震。震源断層がプレート境界に一致する地震。

◎ プレスリップ

 地震が発生する際に、本震に先駆けて起こるある程度の大きさを持つ滑り現象のこと。

◎ 噴火警戒レベル

 活動的火山に関して、火山活動の状況を噴火時等の危険範囲や必要な防災対応を踏まえて5段階に区分したもの。気象庁が火山活動度レベルに代えて平成19年12月1日より導入した。

◎ 噴火事象系統樹

 火山ごとに、複数の可能性のある噴火現象の時間的推移を分岐させて作成した噴火の推移を示す系統樹。

◎ 噴火シナリオ

 火山ごとに、噴火で想定される現象の発生推移を時系列的に整理したもの。規模や現象発生パターンなどの分岐判断について示した系統樹を指すこともある。

◎ 噴火の様式

 噴火では、上空への火山灰放出、地表を流れる火砕流や溶岩、山体陥没など様々な形態をとる。そのような様々な形態を噴火様式としている。

◎ ポアッソン比

 弾性体をある方向に圧縮すると、圧縮方向に縮むとともに、圧縮軸と直行する方向に伸びる。この時の伸びと縮みの変形量の比をポアッソン比と言う。

◎ マウントルウェッジ

 沈み込むプレートと陸域プレートに挟まれた陸側のマントル部分。通常、沈み込むプレートが角度を持って沈み込んでいるので、くさび状の形状をなしている。

◎ マグマ溜(だ)まり

 火山活動の源であるマグマが地下で蓄積されているところ。火山やカルデラの直下にあると考えられているが、その正確な形状や内部構造は分かっていない。

◎ 摩擦係数

 2つのプレートが接して運動するとき、両面間に生ずる摩擦力と接触面に直角に作用する力との比。

◎ 摩擦構成則

 摩擦力を滑り変位や滑り速度などの関数として記述したもの。断層面上の摩擦を滑り変位や滑り速度などの関数として記述したものを断層摩擦構成則、摩擦係数が滑り速度や滑りの履歴に依存するとした摩擦法則を速度・状態依存摩擦構成則と言う。

◎ マルチパス

 GPS測位において衛星からの電波が地表にある物体などに当たって反射したものが一緒に観測されることがある。このことによって測位の誤差となる。これらの誤差要因をマルチパスと言う。マルチパスによる反射波は、衛星からの直接波よりも長い経路を通ってくるために、コードの到達時間の遅れ、搬送波位相の遅れ、受信強度の変動を生じる。

◎ マントル

 地殻の下にある深さ約2,900kmまでの固体層。その上部は、かんらん岩を主成分とする岩石で構成されている。

◎ (地震)モーメント

 地震モーメントとは、地震の大きさを示す指標の一つで、断層運動によって解放されるエネルギーの大きさと関係している。地震モーメントの大きさは、断層面の剛性率と断層面積と断層面での滑り量の平均値の積で表される。

◎ モーメントテンソル

 モーメントテンソルとは、断層に働く力を、力が働く面と力の働く向きに分解して表したもの。このモーメントテンソルを用いて地震の発震機構を表す方法としてCMT解がある。

◎ モーメントマグニチュード(Mw)

 従来の地震のマグニチュードの決定においては、大規模な地震においては飽和してしまうという問題があった。そのため、従来のマグニチュードは地震を起こす断層運動のモーメント(Mo)と関係があることを利用し、新たに大規模な地震でも値が飽和しにくいスケールのモーメントマグニチュード(Mw)が定義された。MwとMoには関係式が定義されている。

◎ モホ面

 モホロビチッチ不連続面ともよばれる。地殻とマントルの境界面である。この境界面を境にして地震波の速度が大きく変わるために、屈折波や反射波などによって容易に検出できる。

◎ 有限要素法

 数値解析手法の一つ。解析的に解くことが難しい微分方程式の近似解を数値的に得る方法の一つである。構造解析分野への応用がなされ、対象の構造に外力が加わって変形する場合などを解析する際に用いられる。

◎ 有効法線応力

 面の両側から押し合う方向に働く圧力で応力の面に垂直な成分を法線応力と言い、法線応力から間隙水圧の影響を引いた値。断層のせん断強度は有効法線応力に比例すると考えられている。

◎ (短期的・長期的)ゆっくり滑り

 一時的に断層やプレート境界で生じる、地震に比べてはるかにゆっくりとしたせん断滑り。地震波を放出しない、断層面やプレート境界面でのゆっくりとした滑り。ここでは、継続時間が数カ月以上のものを長期的ゆっくり滑り、それ以下のものを短期的ゆっくり滑りと呼ぶ。

◎ 溶結凝灰岩層

 堆積した火砕流堆積物がその熱と荷重によって圧縮され溶結した凝灰岩が作る地層。不透水層となりやすい。

◎ 余効滑り

 地震の後に震源域あるいはその周辺で発生するゆっくり滑り。

◎ 余効変動

 地震の後に震源域あるいはその周囲で発生する地殻変動。

◎ 横ずれ断層

 →断層の項を参照。

◎ リフト

 マントルやマグマの上昇に伴い地殻表面に伸張作用が働いてできた、溝状の長く伸びた地形を指す。

◎ レーザー式伸縮計

 レーザー光の照射光と反射光との干渉縞(しま)を計測して反射体との間の距離変化を精密に計測することによって岩盤の伸び縮みを測る測器。

◎ レオロジー

 物質の流動と変形に関する科学。地下深部での高温高圧下での流動や変形に関する岩石の振る舞いを指す。

◎ レシーバ関数解析

 地震波が地下構造の不連続面を通過するときに、違う種類の地震波に変換する性質を利用して地下構造を詳しく調べる手法。

◎ AE

 →Acoustic Emissionの略。アコースティックエミッションの項を参照

◎ ALOS

 陸域観測技術衛星(Advanced Land Observing Satellite)の略。日本名「だいち」のこと。地図作成、地域観測、災害状況把握、資源探査等を主目的とし、2006年1月に打ち上げられた世界最大級の国産衛星。昼夜・天候によらず陸地の観測が可能なLバンド(波長23.6cm)のSARセンサー(PALSAR)および2種類の光学センサーを搭載している。

◎ AMT法

 →MTの項を参照

◎ ASTER

 可視から熱赤外までの14バンドと立体視センサーを有する国産高性能光学センサーである(Advanced Spaceborne Thermal Emission and Reflection Radiometer)の略。地形や地質、高温域までの温度分布、二酸化硫黄ガスの分布を15~90mの空間分解能で抽出することができる。

◎ A型地震

 火山体やその周辺のやや深部(1~10km)で発生するP波やS波の相が比較的明瞭な火山性地震。

◎ b値

 地震の規模(マグニチュード M)ごとの地震の発生度数n(M)はグーテンベルグ・リヒターの式であるlog n(M)=a-b M(a、bは定数)に従うことが知られている。この時の定数bの値をb値といい、通常は0.7~1.0程度の値を示す。

◎ CMT解

 Centroid Moment Tensor解の略。地震波形データを用いて震源過程全体を時空間の1点で代表させた場合のその位置、発震機構などを求めた解。

◎ CSEP

 Collaboratory for the Study of Earthquake Predictabilityの略。客観的かつ透明性のある地震予測実験を実行できる研究基盤環境を作り、その過程において地震の予測可能性を探るための国際研究計画。

◎ F-net(Full Range Seismograph Network of Japan)

 →広帯域地震観測網の項を参照。

◎ GEONET

 GNSS連続観測システム(GNSS Earth Observation Network)の略称で国土地理院が運用している。日本全国1240点の観測点(電子基準点)とデータ管理・解析処理を行うGEONET中央局からなり、地殻変動監視と測量の基準点の役割を持つ。

◎ GPS

 Global Positioning Systemの略。汎地球測位システム。地上高約20,000kmの高度を航行するGPS 衛星からの電波を地上で受信し、三次元的位置と時刻を正確に計測するシステム。地殻変動計測には干渉測位と呼ばれる電波の位相を用いた相対測位法が用いられる。

◎ GPS-音響測距結合方式

 海底の地殻変動を観測するための手法の一つ。海上の船舶やブイの位置をGPSによって精密に決定し、それらと海底に設置された基準点との距離を海中音波を用いて測定することにより、間接的に基準点の変動を推定する。

◎ Hi-net(High Sensitivity Seismograph Network Japan)

 →高感度地震観測網の項を参照。

◎ K-NET(Kyoshin Network)

 →強震観測網の項を参照。

◎ KiK-net(Kiban-Kyoshin Network)

 →強震観測網の項を参照。

◎ MT

 MTはMagneto Telluricの略。MT法は、地表において地球磁場の時間変化とそれによって地球内部に誘導される電場の変動を同時観測することにより地下の比抵抗構造を推定する方法である。火山周辺などの地表で磁場と電場の変動を同時に測定し、両者の直交成分の比から、地下の電気比抵抗構造を推定する。火山活動に伴うマグマや熱水の存在領域やその変化を捉えるのに適している。10-3 Hzから103 Hzまでにわたる広い周波数帯域を用いるものを広帯域MT法と呼び、可聴波周波数帯域(およそ105~100 Hz)の電磁場変動を信号源とするAMT法(Audio-Frequency Magnetotelluric法)もある。AMT法は比較的浅い部分の比抵抗構造を高い分解能で探査できる。

◎ NB火口

 有珠山の2000年の噴火でできた西山西麓にある火口の一つ。

◎ Pa

 PaはPascalの略。パスカルは、国際単位系(SI)の圧力・応力の単位。1パスカルは、1平方メートル(m2)の面積につき1ニュートン(N)の力が作用する圧力又は応力と定義されている。

◎ PALSAR

 PALSARはPhased Array Type L-band Synthetic Aperture Radarの略。ALOSに搭載された合成開口レーダー。高分解能モードと広観測域モードを持ち、オフナディア角(衛星の鉛直直下方向と衛星視線方向とのなす角)を変化させることができる。フェーズドアレイ式Lバンド合成開口レーダーとも言う。

◎ SAR

 SARはSynthetic Aperture Radarの略で合成開口レーダーのこと。人工衛星や航空機などに搭載されたレーダーの移動により大型アンテナと同等の高い分解能を実現したレーダーシステム。干渉SAR(Interferometry SAR, InSAR)は、2時期の観測データの差をとる(干渉させる)ことにより地表面の変動を詳細に捉える手法である。

◎ ScanSAR

 レーダーの照射方向を変化させながら観測することにより、広範囲を一度に観測するモード。「だいち」のScanSARモードでは、電波照射方向を最大5段階に変化させることにより、約350 kmの観測幅を実現している。

◎ SLR

 SLRはSatellite Laser Rangingの略で人工衛星レーザー測距のこと。人工衛星に搭載した逆反射プリズム(コーナーキューブ)に対して、地上基地局からレーザー・パルスを発射し、そのパルスの往復時間から衛星までの距離を1センチメートル程度若しくはそれより良い精度で求める技術。

◎ S波コーダ部分

 直達S波の後ろには、かなり振幅が大きく一見ランダムな位相を持った波群が、かなり長い時間に渡って続いている。この地震記録に表れる波群をS波コーダ部分と呼ぶ。

◎ VHF帯

 VHFはVery High Frequency bandの略で超短波を意味する。VHF帯は30~300MHzまでの周波数の電波の帯域を指す。

◎ VLBI

 超長基線電波干渉法(Very Long Baseline Interferometry)の略。クエーサー(準恒星状天体)から放射される宇宙電波を数千キロメートル離れた複数の観測点で同時に受信し、その到達時間差から観測点間の距離や位置関係を測定する。

◎ Vp/Vs

 地震波のP波とS波の伝播(でんぱ)速度の比のこと。通常岩石は、1.7~1.8程度の値をとることが多い。岩石の鉱物組成、割れ目の量・形状、割れ目内の流体の性質等によって、この値が変化するため、地下の岩石や流体の状態・性質を調べるための有用な情報となる。

◎ VSAT衛星通信

 VSATとはVery Small Aperture Terminalの略で、衛星通信で用いられる電波を地上で受ける基地局(地球局)のうち、口径が貴泡馬手小さなパラボラアンテナを使用する地球局の総称である。VSATで使用されるアンテナの口径は1.2m程度であり、通常の衛星通信で使用される数十mクラスのアンテナに比べると極めて小型になっている。VSATを用いた衛星通信は地震や火山の観測に用いられ、リアルタイムでのデータの伝送が行われている。

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研究開発局地震・防災研究課

(研究開発局地震・防災研究課)

-- 登録:平成24年12月 --