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4.近年発生した地震及び火山現象に関する重要な観測研究成果

1.主な地震

(1)2007年(平成19年)能登半島地震

 2007年3月25日に2007年能登半島地震(M6.9)が発生し、石川県北部で最大震度6強を観測し、能登半島周辺に大きな被害をもたらした。この地震の余震は陸域のみならず能登半島西方沖にも広がって発生し、震源域は海域から能登半島の内陸にまで広がっている。SAR干渉解析によってこの地震に伴う陸域地殻変動が面的に得られ、震源断層面の推定に大きく貢献した。本震の震源断層の走向は東北東-西南西方向で、傾斜角65度であり、能登半島西岸の深さ約10kmの地点から破壊が開始し、そこから浅い方に滑りの大きな領域が広がっていることが分かった。また、この地震断層の平均滑り量は1.1m、Mw6.6、破壊継続時間は約9秒であると推定された。
 この地震では特徴として以下のことが挙げられる。まず、前震が二つあったことである。一つは、本震の約12分前に本震破壊開始点のごく近傍で発生したM2.2の地震であり、もう一つは主要破壊開始0.6秒前に発生した本震の初期破壊過程と思われるM4.4の地震である。次に、震源域の構造の特徴である。地震波トモグラフィーの結果から震源域近傍は速度が遅い領域であることが、また、電磁気探査からは本震及び余震域より深い領域に低比抵抗領域が存在し、断層北東端の余震活動が低調である領域は高比抵抗であることが明らかになった。これらは、この地震の発生に地殻流体が関与している可能性を示唆するものである。さらに、発震機構解から断層面上で応力場が変化しており、断層面上の浅部では横ずれ型の応力場であるが、深部では逆断層型の応力場へ変化していることが明らかとなった。
 能登半島とその周辺では、これまで1600年以降M7を超える地震が発生したことは知られていなかったが、能登半島西方沖には、北東-南西方向に延びる長さ20kmの逆断層型の活断層があることが知られていた。精度よく再決定した余震分布と活断層の位置を比較すると、能登半島地震の震源断層とこの海底の活断層の深部延長が一致し、この海底活断層が能登半島地震の震源断層であることが明らかになった。これは将来起こり得る内陸地震の規模を推定する際、陸上の活断層だけでなく沿岸の海底にある活断層についても調査することが必要であり、陸上の断層と海底の断層が同時に滑る可能性も考慮する必要があることを示している。

(2)2007年(平成19年)新潟県中越沖地震

 2007年7月16日に新潟県中越沖地震(M6.8)が発生し、新潟県と長野県の一部で最大震度6強を観測した。震源は2004年(平成16年)新潟県中越地震(M6.8)から北西に約30km離れた場所に位置する。本震の発震機構解は、西北西-東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型であり、地殻変動データ・強震動記録による本震の滑り量分布の推定や、海陸合同の高密度な観測網による精密な余震分布や地下構造などの解析が行われた。
 この地震の特徴は、単一の断層面の破壊ではなく、傾斜方向の異なる2つの震源断層が破壊したことである。多くの余震は南東に傾斜する面状に分布しているが、破壊開始点(震源域北東部)の近傍では北西傾斜の分布をしている。地殻変動データの解析から、南東傾斜の断層に加えて北西傾斜の断層も存在するモデルが、データをより良く説明できることが分かった。震源近傍の強震動観測点では、滑り量の大きな領域から放射されたと考えられる明瞭な2つのパルス状の地震波(卓越周波数が約1Hz)が観測された。これらのパルスの発生源は、破壊開始点付近と断層の南西部に位置することが分かった。また、海域での構造探査によると、震源域北西側には南東傾斜の震源断層とほぼ同じ方向に延びる活断層や活しゅう曲構造が見られた。
 本震発生後には、断層の浅部と深部で余効滑りが生じていた。また、SAR干渉解析により、震央から15km内陸側の西山丘陵西側斜面で、急速な活しゅう曲の成長を示す地殻変動が生じたことを見出した。さらに、高密度な余震観測網により極めて高い空間解像度で推定された地震波速度構造によると、日本海拡大時に形成されたリフト構造が中越地域の分厚い堆積層の下に埋もれていることが明らかとなった。
 これらのことから、この地震と2004年新潟県中越地震は、共に過去の日本海拡大によって造られた正断層が、現在のプレートの沈み込みによる圧縮場により逆断層として再活動した可能性が高いことが示唆される。さらに、両者の震源域直下には低速度域が局在し、低比抵抗領域が広がっていると推測されている。また、広域の地震波トモグラフィーの解析によれば、低速度域は最上部マントルの深さまで延びていることが示され、この地域で採取された地下水のヘリウム同位体比にもマントル起源物質の特徴が見られることから、マントルからの流体が上昇し、それが両地震の発生に関与している可能性が高いことが示された。
 地質調査や地震波トモグラフィー解析に基づいた構造モデルを用いて、断層運動のシミュレーションを行った。その結果、下部地殻の粘性変形の効果により、2004年新潟県中越地震が2007年新潟県中越沖地震を誘発した可能性があることが分かった。

(3)2008年中国四川地震

 2008年5月12日に中国四川省においてM7.9の四川地震が発生し、震源域に甚大な被害をもたらした。震源断層は、四川-雲南活動帯のチベットブロックと南中国ブロックの境界である鮮水河-安寧河-小江断層帯から、北東に派生した北東-南西の走向を持つ龍門山断層帯に位置する。GPS観測から、この断層帯を境界とするブロックは数mm/年の速度で相対運動を行っていると推定されており、四川地震はこれらブロックの相対運動によるひずみの蓄積が原因となって発生したものと考えられる。ブロックの相対運動速度と地震時の滑り量を考慮すると、同程度の規模の地震は千~三千年程度の繰り返し間隔で発生する可能性があると考えられる。遠地地震波形と強震動波形を用いた震源過程解析から、震源域の南西部に滑りが大きい領域があり、最大滑り量は9mであると推定された。
 SAR干渉解析では、数メートルを超える変動を捉えることは困難であるため、四川地震による断層近傍の大きな変位を正確に推定することは難しい。ピクセルオフセット解析により、四川地震の断層周辺の大きな変位の分布を、高い空間解像度で推定した。この解析から、滑りは断層の北東部では右横ずれ、南西部では右横ずれと逆断層の成分を持ち、北東部では一枚の断層が、南西部では複数の断層が活動したことが分かった。さらに、この解析と通常のSAR干渉解析を組合せて、四川地震に伴う広域の地殻変動が高解像度で求められ、震源断層の形状や断層の滑り分布の推定に利用された。

(4)2008年(平成20年)岩手・宮城内陸地震

 2008年6月14日に、岩手県と宮城県の内陸県境付近で2008年岩手・宮城内陸地震(M7.2)が発生した。岩手県奥州市と宮城県栗原市では震度6強を観測し、両市を中心に大きな被害が生じた。大学と防災科学技術研究所は、本震直後から震源域直上とその周囲の岩手県南部から宮城県北部の広い領域で緊急の余震観測及びGPS観測を実施し、詳細な余震分布と三次元地震波速度構造を推定した。本震断層に対応すると考えられる西傾斜(傾斜角約40度)の余震の分布と、震源域中央から南部にかけて東傾斜の2つの傾斜方向の異なる余震分布が明らかになった。また、本震の震源付近では西傾斜の余震の分布に対し上盤側が下盤側に比べて地震波速度が低いことが分かった。この結果は、かつて日本海拡大時に生成された正断層が、1500万年経過した現在の応力場により、逆断層として再活動して今回の地震を生じさせた可能性を示している。
 GPS観測から地震発生後に北上低地西縁断層帯の南端である出店断層などで余効滑りが発生していたことが明らかになった。本震の断層面上での滑り分布と比較したところ、地震時は震源断層の深い領域、余効滑りは浅い領域で滑り量が大きく、地震時の滑りと余効滑りの場所が異なっていることが分かった。長期の観測データによると、主要な余効滑りは本震後約1か月で終わり、その後の変動は、弾性層の下に粘弾性層のある二層構造の粘性緩和現象で説明できる。推定された弾性層の厚さは17~31kmの範囲にある。
 広帯域MT観測から、本震の震源域東部の深さ5km付近に顕著な低比抵抗領域が見出された。断層面及び余震分布域は高比抵抗領域にあり、地震波の高速度域に対応していることが明らかになった。また、広域の地震波トモグラフィーから、震源域直下の下部地殻から最上部マントルに顕著な低速度域が存在していることが明らかになっており、比抵抗構造と地震波速度構造から、地殻流体の分布がこの地震の発生に密接に関与していることが示唆された。これらは2004年中越地震、2007年中越沖地震、2007年能登半島地震と共通の特徴であり、日本で発生する内陸地震の発生機構を解明する上で、重要な成果である。
 この地震は、事前に活断層の存在が指摘されていない場所で発生したが、地震直後の大学や国土地理院の調査により活断層の証拠が見付けられ、航空写真やSAR干渉解析などによってその活断層と地震断層との関係が明らかになった。また、震源近傍の強震波形では、表層地盤の非線形挙動が見られ、卓越周波数や増幅率の変化などの非線形応答特性に関するデータが得られた。

(5)2009年駿河湾の地震

 2009年8月11日に、駿河湾の深さ約25kmのフィリピン海プレート内で、M6.5の地震が発生し、静岡県で震度6弱を観測した。発震機構解は、圧力軸が北北東-南南西方向で、横ずれ成分を持つ逆断層型であった。余震は、北西側では北東傾斜、南東側では南東傾斜の2枚の面状に分布することが明らかになった。これらの2面からなる震源断層を仮定して強震動記録を解析した結果、滑り量の大きな領域が2つの面が接する場所に分布していたことが明らかになった。さらに、本震の滑り量を仮定して、想定東海地震の震源断層上での静的応力変化を計算した結果、応力が増加した場所ではプレート境界面の微小地震活動が活発化したとの研究成果もある。この地域では、巨大なプレート境界地震の発生が危惧されている。プレート境界の応力蓄積や固着強度と、このプレート内地震の発生の関連について、研究を推進する必要がある。

2.主な火山噴火

(1)桜島

 2006年6月に噴火活動が再開した桜島(鹿児島県)の昭和火口では、2009年7月に爆発回数が増え、2009年9月から2010年5月にかけて山体膨張を伴いながら爆発的噴火活動が活発になった。2010年6月中旬から10月までは活動の様相が変化し、地殻変動が山体収縮に転じて爆発頻度と火山灰噴出量が低下した。姶良カルデラ直下の深部マグマだまりから桜島直下のマグマだまりへのマグマ供給量は、桜島直下のマグマ蓄積量と火山灰の噴出量の総和から推定され、これが2009年7月頃から増加し始めた。その後、2009年12月から2010年3月にピークに達したが、2010年7月から2010年10月までは低下したと考えられる。
 詳しく見ると、2009年7月には、桜島東部の黒神観測井で計測しているH2及びCO2ガス濃度が急増した。これは、マグマの先行物質である火山ガスが上昇し、その一部が地表近くまで達したことを示すものであり、今後の活動推移を予測する上で火山ガスの計測が有用であることを示す重要な成果である。火山ガスの上昇・移動は地下の比抵抗変化としても捉えられた。桜島の東西2か所で行ったMT連続観測により、見掛け比抵抗で20%、位相で2%の変動が検出され、マグマに含まれる火山ガスの浅部地下水への混入が比抵抗の変動を引き起こしていると考えられた。
 昭和火口から約2.4km離れた地点で、2009年7月初旬及び10月の2回にそれぞれ10μgalの重力の急減が観測された。この時期は桜島直下へのマグマ供給が増加し、爆発活動が段階的に活発化した時期に対応しており、火道中のマグマの頭位の上昇を捉えている可能性がある。
 桜島周辺の水準測量によると、1974年~1992年頃の期間は頻繁な小規模な噴火により深部からのマグマの供給と火口からの放出がほぼ均衡し、姶良カルデラ直下の深部マグマだまりでは蓄積が停滞していた。1993年以降、深部マグマだまりは蓄積を再開し、1914年大正噴火直前の蓄積量に近づいていると考えられる。一方、桜島直下にある浅部マグマだまりは、深部マグマだまりからの供給と噴火によるマグマ物質の放出の収支により蓄積量を変化させる。桜島の複雑な活動推移は、このような深部と浅部の2つのマグマだまりからなる系に起因していることが明らかになりつつある。現在の桜島の噴火活動を、今後起こると予測される大規模噴火の準備過程であると捉え、多項目観測からそれを明らかにすることにより、多様な火山の噴火準備過程を説明する知見が得られる可能性が高い。今後も観測研究を進め、その背景にある物理・化学過程を解明してゆくことが極めて重要である。

(2)霧島山(新燃岳)

 新燃岳(宮崎県・鹿児島県)では、2011年1月19日から小規模な噴火が始まり、26日午後には高い噴煙を連続的に上げる噴火(準プリニー式噴火)を始め、27日18時頃までに3回の準プリニー式噴火があった。その後、溶岩が火口に蓄積されはじめ、1月31日まで溶岩が火口をほぼ埋めるまで成長した。2月1日以降は間欠的に噴石を飛ばす爆発的噴火(ブルカノ式噴火)を繰り返したが、その後噴火の頻度は次第に低下した。新燃岳の本格的なマグマ噴火は1716~17年以来、約300年振りの現象であり、今回の噴火準備過程や噴火過程の解明は休止期間の長い噴火活動を予測する上で極めて重要である。
 霧島山では基盤的火山観測網の整備などにより、噴火前に深度100~200mのボアホール型地震計と傾斜計を併設した4観測点のほか、広帯域地震、GPS、傾斜等の観測網を整備していたため、火山現象解明に有用な観測データが取得された。また、火口内の溶岩量の増加を、人工衛星や航空機のSAR画像などにより高精度に計測できた。これらの観測データはマグマだまりから山頂火口へのマグマ移動の定量的な推定に極めて有用であった。
 今回の噴火に先行する現象として、霧島山周辺部の地震活動が2006年頃からやや活発化し始め、それにほぼ同期してGPSで観測される山体の僅かな膨張が始まったことが挙げられる。2008年8月22日には小規模な水蒸気爆発が発生したが、この活動の際に噴出した火山灰には、新たなマグマの関与が認められず、高温の火山ガスが地下深部から供給され、水蒸気爆発を引き起こしたと考えられる。2009年12月下旬からは山体膨張の速度が急増し、新燃岳北西7~8kmの地下約10kmにマグマの蓄積が顕著になった。この山体膨張は2011年1月の準プリニー式噴火の開始直前まで続き、マグマの蓄積速度はほぼ一定であった。2010年3月から7月の間に小規模な水蒸気爆発が6回発生した。5月下旬に放出された火山灰の中に、マグマ起源の火山ガスの泡を含む黒色のガラス質成分が僅かに確認され、極めて少量ではあるが新鮮なマグマ物質が混じり始めた可能性を示していた。
 2011年1月19日に発生した小規模な噴火では、火山灰の中に含まれる新鮮なマグマ物質の割合が顕著に増加した。この約半日前から火山性の連続微動が発生し始め、連続微動の振幅は1月26日8時頃から少し大きくなった。14時49分に最初の準プリニー式噴火が始まると同時に振幅が一層大きくなり、大きな振幅の火山性微動が4時間程度継続した。準プリニー式噴火は、翌27日1時頃と15時頃にも発生した。噴火時の傾斜計記録から、準プリニー式噴火によりマグマだまりが急激に収縮し、噴火活動が弱まる時には収縮が停滞する様子が明瞭に捉えられた。これら3回の準プリニー式噴火で放出された軽石と火山灰の量は、もとのマグマの量に換算して約1,000万m3と見積もられた。さらに、1月28日21時頃から31日18時頃にかけて、マグマだまりの収縮がゆっくり継続し、この間に山頂火口に溶岩が蓄積された。その蓄積量は2月1日の時点で約1,400万m3と推定され、合計約2,400万m3のマグマが噴出したと見積もられた。
 2011年6月中旬まで、新燃岳では小規模なブルカノ式噴火が間欠的に発生した。これらの噴火前には山体浅部の膨張を示す傾斜変動が観測され、火山性地震の発生回数が増加した。噴火後は膨張した山体は元に戻り、地震数も減少した。この一連の活動は火口直下浅部でマグマが発泡し、高圧の火山ガスが火口を覆う溶岩を噴き飛ばす現象であると推定される。一方、深さ約10kmのマグマだまりでは、2009年末以降蓄積していたマグマの体積が1月26日から31日の噴火により四分の一まで減少した。その後、噴火前とほぼ同じ速度でマグマの蓄積が観測されたが、2011年12月頃から鈍化し、その後停止した。2011年6月下旬からは、粒子の細かな火山灰が噴出されるようになり、マグマやその周辺の岩石が噴出前に細かく破砕されている可能性が高く、この頃にブルカノ式噴火からマグマ水蒸気爆発に移行したものと思われる。
 この一連の噴火は、他の火山も含めて異常現象や小規模噴火がしばしば発生している火山において、大規模噴火に至るか否かを予測することや、火山防災・減災に役立てるために解決すべき課題を具体的に明らかにした。最初に挙げるべき点は、マグマ蓄積から噴火に至るまでの火山噴火準備過程についての理解が不足していたことである。GPS観測により2009年12月から始まった深部のマグマ蓄積は認識されていたが、噴火に至るのか、噴火するとすれば霧島火山群の多数の火山のうちどれかについての知見が不足していた。マグマ供給系の解明を含め、噴火準備過程に関する研究を一層推進すべきである。次に挙げるべき点は、火山学的な情報の評価が不十分であったことである。2010年5月から7月の噴火ではコックステールジェットを伴っていたことから火口浅部に高温物質の関与が推定され、5月の火山灰中にマグマの関与を示すガラスの存在が認められたことから、マグマ噴火に移行する可能性を事前に捉えていたと言える。これらの情報に基づき、新燃岳の噴火様式と推移の予測を目指して事前に噴火シナリオを作成し、上記の観測結果やマグマ蓄積から噴火予測の試みを行う必要があった。更に挙げるべき点は、大規模マグマ噴火の正確な予測ができなくても現象の進行を着実に把握できる調査観測体制を事前に整備しておくことである。また、それと並行して、地元自治体が火山情報を受け取る体制を整備することである。大浪池山頂の監視カメラの映像によって1月26日深夜から27日未明に発生した噴火の状況を把握できた。また、SAR画像などによって火口を溶岩が埋めていく状態を把握できたことによって、準プリニー式噴火のステージがほぼ終了したという認識を早期に得ることができた。こうした判断・情報は自治体の防災に大きく貢献している。さらに、霧島山では火山砂防事業に関連して気象台や国の関係機関、自治体の防災関係者、火山専門家を交えた検討会が開かれていた。定常的に霧島山の火山活動に関する情報を受け取っていたことで、関係自治体は比較的冷静にマグマ噴火に対応できたと考えられる。平時からのこのような対応が、火山防災・減災に有効であることが明らかになった。
 今後の活動推移については、噴火シナリオを作成し、現在進行している噴火活動の予測がどの程度可能であるかを、実時間で検証することを試みている。具体的には、準プリニー式噴火(爆発的噴火)が再度発生する、爆発的噴火を伴わずに溶岩流出が起こる、更に大きなマグマ水蒸気爆発が発生する、このまま活動が終息するなどが想定される。進行中の噴火活動に対して、発現の可能性のある噴火事象を整理した噴火シナリオを準備し、観測・監視に基づいてそれを検証することは、噴火の準備過程・噴火過程の理解の観点からも火山噴火予知研究の重要な課題と言える。

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研究開発局地震・防災研究課

(研究開発局地震・防災研究課)

-- 登録:平成24年12月 --