資料5-1 「忘れられた科学-数学」(Policy Study No.12)について

科学技術政策研究所

1.経緯

 第三期科学技術基本計画策定に資するために科学技術政策研究所が実施した基本計画レビュー、俯瞰的予測などの調査によって、諸外国と比べて「忘れられた」日本の数学研究の状況がおぼろげながら分かってきた。
 また、平成17年5月に科学技術政策研究所が開催したワークショップにおいて、日本の数学研究を取り巻く厳しい状況が報告されるとともに、他分野研究者、企業から日本における数学の今後の発展に対する熱い期待が寄せられた。

2.概要

 このような状況を踏まえ、数学研究を取り巻く状況を明らかにするため、日本と欧米諸国の統計資料などのデータ収集・分析を行うとともに、日本の他分野の研究者の数学に対する認識・期待を把握するためのアンケート調査を実施した。
 結果として、本報告書で次の点を明らかにしている。
○日本では、研究時間や研究者数などの面で数学研究を取り巻く状況が厳しくなっていることが分かった。論文データベースでも日本は世界第6位となっている。
○米国などの欧米諸国では、数学-他分野融合研究に関する国家プロジェクトなどを実施し、産業界でも数学研究者が活躍していることが分かった。
○日本のライフサイエンス、情報工学、ナノテクノロジー等など多くの分野の研究者は、数学をバックグランドに持つ研究者が必要であると感じ、研究課題の解決への数学の貢献を期待していることが分かった。
○このため、数学研究を強く振興することが必要である。
 (詳しくは、「忘れられた科学-数学」概要資料(別添1)参照)

 平成18年5月に開催された日本学術会議シンポジウム「礎(いしずえ)の学問:数学」(後援:科学技術政策研究所、別添2)では、本報告書に加え、諸科学や産業における数学の活用例や今後の期待などが講演されるとともに、どのような方策が採られるべきかについて、数学者のみではなく産学官の研究者も加わって議論が展開された。この議論をもとに、会場アンケートによる傍聴者からの意見も参考にして、提言(別添3)が確定された。

3.今後の予定

 本報告書の内容を補い、数学研究に関する政策の方針や方策、数学研究拠点に関する追加的な情報を得るため、7月上旬に科学技術政策研究所は米国連邦政府及び米国内の主要数学研究所に対する現地調査を実施した。今後、本調査結果をとりまとめる予定。

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-- 登録:平成21年以前 --