別添1 「系・分野・分科・細目表」のこれまでの主な変遷

【昭和42年度までの状況】
・審査委員会の構成は、旧東京帝国大学の学部構成そのままに、第1部(文学)から始まって第7部(医学)までの7部構成(文学、法学、経済学、理学、工学、農学、医学)で、これは当時の日本学術会議の部会構成と全く同じであり、120人程度の審査委員から構成されていた。
・各専門分科の審査はほとんどが1人で行われ、審査後、どのような基準で配分審査がなされたかを検証しようにも、それができる状況になく審査委員会の運営の面からも問題があった。
・こうしたことから、優れた独創的な研究を育成するために、はっきりした審査基準により、書面による審査と合議による審査の二段審査制の検討が行われ、その際参考としたのが、米国NSFが行っていた審査方法であった。 

【昭和43年度から平成4年度までの状況】
・昭和43年度の改善において、審査がやりやすいようにとの方針で、伝統的な学問分類法を基礎に、新しい研究の展開にも配慮するという基本線でまとめられ、各細目に原則として3人の審査委員を配置することとなった。
・これにより、1人で1つの専門分野を審査していた、以前の120人体制に比べると、審査が格段に公正に行われるばかりでなく、書面審査のために地方の大学の教授も多数審査に関わることが期待できるようになった。また、第1段の審査結果が悪ければ第2段審査委員による個人的採択もできない仕組みになるメリットがあった。
・分科細目は、その分野に対する学問的認知と一定の研究投資が保証されると研究者サイドには受け止められていた。
・このため、分科細目表から消えることは学問研究の灯が消されるに等しく、その改正には利害得失論が先に生じて、分科細目の改善は容易に進まない状況に置かれていたが、例えば、細目の新設は、当該分野の申請件数が300件を超えることがある程度の確度で予想されること、第2段審査委員の増員は800件を超える申請件数が現にあることなどに一応の基準をおいて対応していた。
・また、平成3年度からは、学術研究の急速な進展に応じて「時限付き分科細目」(以下、「時限細目」)を設けて従来の分科細目表に風穴を開けている。

【平成5年度以降の状況】
・分科細目表の分類が、伝統的な学問体系の区分で固定化し、それにとらわれ過ぎて新しく展開されつつある分野が依然として谷間にあったことから、平成5年度公募から適用した分科細目表については大幅な改正を行うこととした。
・平成5年度の改正以降、5年毎に見直しを行い、そのうち10年に1度は大改正を行うこととしている。また、平成15年度の改正までは、文部科学省が全ての改正に係る業務を行っていたが、平成20年度の改正からは、具体的な改正案の作成は日本学術振興会が行い、その改正案に基づき科学研究費補助金審査部会が決定することとしている。

 

【細目数の推移(30年間)】

年度(西暦)

細目数(5年前からの増数)

主な改正内容等

昭和58年度(1983年)

     191

 

昭和63年度(1988年)

     199(+9)

 

平成5年度(1993年)

     232(+33)

・8部構成を維持しつつ細目の新設・分割等を実施

・「複合領域」の細目数を倍増(17→34)

平成10年度(1998年)

     242(+10)

 

平成15年度(2003年)

     278(+36)

・8部構成から4系構成に変更

・「複合領域」の見直し(「総合・新領域系」の創設)

平成20年度(2008年)

     284(+6)

 

平成25年度(2013年)

     319(+35)

・「総合・新領域系」の見直し(「総合系」の創設)

・3系(人社・理工・生物)に総合領域分野を創設

平成26年度(2014年)

     321

・「観光学」、「医学物理学・放射線技術学」を追加

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