ここからサイトの主なメニューです

6 不正行為と認定された者に対する資金配分機関の措置

 競争的資金に係る研究活動において不正行為が行われたと認定された場合、当該認定に係る者に対し、当該競争的資金の配分機関は、以下に沿って措置をとるべく、規程等を整備することが求められる。

1 措置を検討する体制

(1)措置を検討する委員会

  1. 資金配分機関は、配分した競争的資金に係る研究活動における不正行為に関する被認定者への競争的資金に係る措置(以下「措置」という。)を検討する委員会(以下「委員会」という。)を設置する。
  2. 委員会は当該資金配分機関が資金配分の対象とする研究分野すべてを対象とするものとして、あらかじめ設置しておき、事案ごとに関係研究分野の研究者等を適宜委員に加える方法や、不正行為の事案ごとに特別に設置する方法等、資金配分機関の特性に応じ、適切な方法により設置するものとする。
  3. 文部科学省においては、科学技術・学術審議会をこれに充てることが適当である。

(2)委員会の役割

 委員会は、当該委員会を設置した資金配分機関の求めに応じて、被認定者に対してとるべき措置を検討し、その結果を資金配分機関に報告する。

(3)委員会の構成

 委員会は、原則として、不正行為と認定された研究に係る研究分野の研究方法や、不正行為について的確な判断を下すために必要な知見を持ち、被認定者や当該不正行為に係る研究に直接の利害関係を有しない有識者で構成される。また、原則として、被認定者が所属する研究機関に属する者は委員としない、あるいは、当該被認定者に係る審議に参加させないものとする。ただし、研究分野の特性等により、他に適任者が見当たらず、かつ、公正な審議が確保できると判断されるときは、この限りではない。

2 措置の決定手続

(1)委員会における検討

  1. 委員会は、資金配分機関の求めがあったとき検討を開始する。
  2. 委員会が措置を検討するに当たっては、調査機関に対するヒアリングなどを行い、調査結果を精査し、調査内容、調査の方法・手法・手順、調査を行った調査委員会の構成等を確認し、不正行為の重大性、悪質性、被認定者それぞれの不正行為への関与の度合や不正行為があったと認定された研究(グループ)における立場、不正行為を防止するための努力の有無などを考慮した上で、速やかに措置についての検討結果を資金配分機関に報告する。

(2)措置の決定

 資金配分機関は、委員会の報告に基づき、被認定者に対する措置を決定する。資金配分機関は、決定に当たっては委員会の報告を尊重するものとする。なお、被認定者の弁明の聴取及び措置決定後の不服申立ての受付は行わない。

(3)措置決定の通知

 資金配分機関は、決定した措置及びその対象者等について、措置の対象者及びその者が所属する機関、当該資金配分機関以外の資金配分機関に通知する。通知を受けた資金配分機関は、決定された措置に沿った対応をとるものとする。また、文部科学省は、当該措置及びその対象者等について、国費による競争的資金を所管する各府省に情報提供する。

3 措置の対象者

 措置は次の者が対象となる。

  1. 不正行為があったと認定された研究に係る論文等の、不正行為に関与したと認定された著者(共著者を含む。以下同じ。)。
  2. 不正行為があったと認定された研究に係る論文等の著者ではないが、当該不正行為に関与したと認定された者。
  3. 不正行為に関与したとまでは認定されないものの、不正行為があったと認定された研究に係る論文等の内容について責任を負う者として認定された著者。

4 措置の内容

 資金配分機関は3に掲げる者に対して、以下の措置のうち一つあるいは複数の措置を講じる。原則として措置の内容は以下を標準とし、不正行為の重大性、悪質性、個々の被認定者の不正行為への具体的な関与の度合や不正行為があったと認定された研究(グループ)における立場、不正行為を防止するための努力の有無等により、事案ごとに定められるものとするが、委員会が特に必要と判断するときは、以下によることのない措置をとることを妨げない。特に告発等がなされる前に論文等を取り下げていた場合に係る被認定者に対する措置は、3 3に掲げる者に対してはとらない。また、3 1に掲げる者に対しても、情状によって適切な配慮がなされるものとする。さらに、告発等がなされた後、直ちに当該論文等を取り下げた場合、3 3に掲げる者に対しては措置をとらないことができる。

(1)競争的資金の打ち切り

  1. 3に掲げるすべての者に対して、不正行為があったと認定された研究に係る競争的資金の配分を打ち切り、当該競争的資金であって、措置決定時において未だ配分されていない残りの分の研究費、あるいは次年度以降配分が予定されている研究費については、以後配分しない。なお、不正行為があったと認定された研究が研究計画の一部である場合、当該研究計画に係る研究全体への資金配分を打ち切るか否かは、措置対象者以外の研究者の取扱いを含めて、事案ごとに委員会が判断するものとする。
  2. 3の1及び2に掲げる者に対して、不正行為があったと認定された研究に係る競争的資金以外の、現に配分されているすべての文部科学省所管の競争的資金であって、措置決定時において未だ配分されていない残りの分の研究費、あるいは次年度以降配分が予定されている研究費については、以下のとおりとする。
     ア) 3の1及び2に掲げる者が研究代表者となっている研究については打ち切りとし、以後配分しない。
     イ) 3の1及び2に掲げる者が研究分担者又は研究補助者となっている研究については、当人による研究費使用を認めない。

(2)競争的資金申請の不採択

  1. 文部科学省所管の競争的資金で、不正行為が認定された時点で3に掲げる者が研究代表者として申請されているものについては採択しない。
  2. 文部科学省所管の競争的資金で、不正行為が認定された時点で3に掲げる者が研究分担者又は研究補助者として申請されているものについては、当人を除外しなければ採択しない。また、採択後に、当人の除外がないまま採択されたことが判明した場合は、その採択を取り消すことができる。

(3)不正行為に係る競争的資金の返還

 不正行為があったと認定された研究に配分された研究費(間接経費もしくは管理費を含む。以下この(3)において同じ。)の一部又は全部の返還を求める。返還額については、以下の1及び2を原則としながら、不正行為の悪質性や研究計画全体に与える影響等を考慮して定められるものとする。
なお、1、2いずれの場合も研究機関と契約する研究の場合は、研究機関が第一次的な責を負う。研究機関は、被認定者や不正行為と認定された当該研究グループに対して求償するものとする。

  1. 未使用研究費等の返還
     ア) 当該研究全体が打ち切られたときは、当該研究グループに対し、未使用の研究費の返還及び契約済みであるが、納品されていない場合の契約解除や、未使用の場合の機器等の物品の返品とこれに伴う購入費の返還を求める。なお、違約金の支払い義務が発生した場合は当該研究グループの自己負担とする。
     イ) 当該研究全体が打ち切られていないときは、3に掲げるすべての者に対し、これらの者に係る未使用の研究費の返還及び契約済みであるが、納品されていない場合の契約解除や、未使用の場合の機器等の物品の返品とこれに伴う購入費の返還を求める。なお、違約金の支払い義務が発生した場合は3に掲げるすべての者の自己負担とする。
  2. 研究費全額の返還
    研究の当初から不正行為を行うことを意図していた場合など極めて悪質な場合は、3の1及び2に掲げる者に対し、これらの者に係る当該研究に対して配分された研究費の全額の返還を求める。なお、不正行為があったと認定された研究が研究計画の一部である場合、当該研究計画に対して配分された研究費の全額の返還を求めるか否かは、事案ごとに委員会が判断するものとする。

(4)競争的資金の申請制限

 3に掲げるすべての者に対して、文部科学省所管のすべての競争的資金の申請を制限する。制限期間については、不正行為の重大性、悪質性及び不正行為への関与の度合に応じて委員会が下記の区分に従い定める。なお、他府省所管の競争的資金を活用した研究活動に不正行為があった者による申請も、他府省等が行う不正行為の認定に応じて同様に取り扱うものとする。

  1. 3の1に掲げる者
    すべての文部科学省所管の競争的資金に対する研究代表者、研究分担者(共同研究者)及び研究補助者としての応募について、不正行為と認定された年度の翌年度以降2年から10年。
  2. 3の2に掲げる者
    すべての文部科学省所管の競争的資金に対する研究代表者、研究分担者(共同研究者)及び研究補助者としての応募について、同じく2年から10年。
  3. 3の3に掲げる者
    すべての文部科学省所管の競争的資金に対する研究代表者、研究分担者(共同研究者)及び研究補助者としての応募について、同じく1年から3年。

5 措置と訴訟との関係

 資金配分機関が行う措置と調査機関の認定に関する訴訟との関係については以下のとおりとする。

(1)措置後に訴訟が提起された場合

 資金配分機関が措置を行った後、調査機関に設置された調査委員会が行った不正行為の認定について訴訟が提起されても、認定が不適切である等、措置の継続が不適切であると認められる内容の裁判所の判断がなされない限り、措置は継続するものとする。

(2)措置前に訴訟が提起された場合

 措置を行う前に、調査機関に設置された調査委員会による不正行為の認定について訴訟が提起された場合についても、訴訟の結果を待たずに措置を行うことを妨げない。措置を行った後の取扱いについては上記(1)による。

(3)措置後の訴訟において認定が不適切とされた場合

  1. 措置を行った後、調査機関に設置された調査委員会による不正行為の認定が不適切であった旨の裁判が確定したときは、ただちに措置は撤回される。措置により研究費の返還がなされていた場合は、資金配分機関は、その金額を措置対象者に再交付することができる。
  2. 1のとき、措置により研究費の打ち切りがなされていた場合は、資金配分機関は打ち切りの対象となった研究の状況に応じて交付を再開するか否か判断するものとする。

6 措置内容の公表

 資金配分機関は、措置を決定したときは、原則として、措置の対象となった者の氏名・所属、措置の内容、不正行為が行われた競争的資金名及び当該研究費の金額、研究内容と不正行為の内容、調査機関が行った調査結果報告書などについて、速やかに公表する。ただし、告発等がなされる前に取り下げられた論文等における不正行為に係る被認定者の氏名・所属を公表しないことができる。なお、告発者名については、告発者の了承がなければ公表しない。

7 措置内容等の公募要領等への記載

 資金配分機関は、不正行為を行った場合に資金配分機関がとる制裁的措置の内容や措置の対象となる者の範囲について、競争的資金の公募要領や委託契約書(付属資料を含む。)等に記載し、研究者がそれをあらかじめ承知して応募あるいは契約するように取りはからうものとする。

お問合せ先

科学技術・学術政策局政策課

(科学技術・学術政策局政策課)

-- 登録:平成21年以前 --