海外におけるダブル・ディグリー、ジョイント・ディグリーの定義の例

1.欧州高等教育圏内におけるジョイント・ディグリー及びダブル・ディグリー(ユーリッヒ・シューレ、「国際ビジネス教育に関する国際ダブル・ディグリーコンソーシアム(CIDD)論文集」、2006年)

  「ジョイント・ディグリー:統合された学修プログラムを提供する2又はそれ以上の機関により発行される単一の学位記。学士課程、修士課程、博士課程の単一の学位記は全ての参加大学の学長により署名され、各国の学位記を代替するものと認定される。

  ダブル・ディグリー:統合された学修プログラムにかかわる大学によりそれぞれ発行される、2枚の各国において認定される学位記」

2.大西洋間の共同・二重学位プログラム調査報告書(マティアス・クーダー(ベルリン自由大学)、ダニエル・オプスト(国際教育研究所)2009年)

  「ジョイント・ディグリー・プログラム:学生は(少なくとも)二つの高等教育機関で学修し、学修プログラムを修了した時点で、関係教育機関すべてが共同で発行し署名する単一の学位記を受け取る。

  デュアルまたはダブル・ディグリー・プログラム:学生は(少なくとも)二つの高等教育機関で学修し、学修プログラムを修了した時点で、関係教育機関それぞれから独立した学位記を受け取る」

3.欧州におけるボローニャ・プロセスにおける加盟各国報告書におけるジョイント・ディグリーの定義(2007年~2009年)

 「ジョイント・ディグリーは、2またはそれ以上の高等教育機関により授与された1枚の学位記であり、当該学位記が他の国内における学位記を付さなくとも有効であるものである」。

4.「ジョイント・ディグリーの認証(認定)に関する勧告」(欧州における高等教育の学業・卒業証書及び学位の認証(認定)に関する地域条約(2004年6月9日採択))におけるジョイント・ディグリーの定義

 「ジョイント・ディグリーは、少なくとも2つ以上の高等教育機関によって、あるいは1つ以上の高等教育機関と他の学位資格授与組織によって、共同で発行される高等教育の資格である。その資格は、ときに他機関の協力も得て、高等教育機関が共同で開発、提供、もしくはその両方を行う学修プログラムに基づくものである。

  また、このジョイント・ディグリーは、以下の形で発行され得る。

 a)一国ないし複数国による学位記に加えて発行される共同学位記

 b)国による学位記を伴わずに、学修プログラムを提供した機関自身により発行される共同学位記

 c)当該の共同資格の唯一の公式な証明として発行される一国ないし複数国による学位記

5.中国における状況

 日本の大学と中国の大学の間で、双方の大学がそれぞれ学位を授与するプログラムが行われているほか、一部大学において、例えば学士課程において専攻分野と異なる分野で2年間程度の課程を修了した者に、学士学位相当の「双学位」(副専攻とは異なり、別の学位記が授与される)を授与する例につき、我が国の大学と当該中国の大学との間で、学位と「双学位」による「ダブル・ディグリー・プログラム」と称する例がある。

6.韓国における状況

  韓国高等教育法第21条、同施行令13条に基づき、2008年に教育人的資源部告示として「国内大学と外国大学との教育課程共同運営に関する規定」を制定し、「ジョイント・ディグリー」に関する規定を設けている。

 本規定においては、原則として相手方の大学が現地国において国または国による認証を受けた機関が実施するアクレディテーションを受けていれば、学則に基づき共同の教育課程を運営することが可能とされている(ただし、eラーニングによる提供は認められていない)。

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