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資料2
中央教育審議会
大学分科会(第33回)平成16年3月16日
構造改革特別区域法における学校教育法の特例について
(株式会社・NPO法人による学校の設置)
株式会社による学校設置について
学校教育法第2条において、学校の設置主体としては、国、地方公共団体及び学校法人に限定されているが、特区においては、
地方公共団体が、教育上又は研究上「特別なニーズ」があると認める場合には、株式会社に学校の設置を認める。
その際、学校の公共性、継続性・安定性を確保するため、必要な要件を株式会社に課すとともに、情報公開、評価の実施、セーフティネットの構築など必要なシステムを整備する。 |
【特区法における学校教育法の特例措置の内容】
(1)特例が認められる場合
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地域の特性を生かした教育の実施の必要性、地域産業を担う人材の育成の必要性などの「特別なニーズ」がある場合を対象とする(幼稚園〜大学)。 |
(2)要件
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○ |
学校の経営に必要な財産を有すること。 |
○ |
学校の経営を担当する役員が学校を経営するために必要な知識又は経験を有すること。 |
○ |
役員が社会的信望を有すること。 |
(3)必要なシステム
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○ |
学校を設置する株式会社は、業務及び財務に関する情報を公開する。 |
○ |
特区認定を受けた地方公共団体は学校の評価を行い、これを公表する。
(高等教育は、認証評価制度を活用する。) |
○ |
特区認定を受けた地方公共団体は、学校が破綻した場合のセーフティネットを構築する。 |
(4)学校の設置認可手続
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特区において、株式会社は、設置基準に従い、学校の設置認可を受ける必要がある。
高校以下の学校については、都道府県が特区認定を受けた場合は、その都道府県が自ら設置する審議会に諮問した上で株式会社立学校の設置認可を行い、市町村が特区認定を受けた場合は、その市町村が自ら設置する審議会に諮問した上で株式会社立学校の設置認可を行う。 |
(5)関連する法律の適用
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○ |
学校教育法上の学校として関連規定を適用する。
(例:設置基準の適用、閉鎖命令・変更命令の適用等) |
○ |
私立学校法及び私立学校振興助成法の対象外とする。 |
株式会社立大学設置認可に係る審査スケジュール
平成15年 |
10月1日 |
構造改革特別区域計画の認定申請
(千代田区、大阪市)
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10月24日 |
構造改革特別区域計画の認定
(千代田区、大阪市)
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10月31日 |
大学設置認可申請書提出
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11月12日 |
大学設置・学校法人審議会への諮問
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平成16年 |
2月12日 |
大学設置・学校法人審議会答申
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2月16日 |
認可
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4月 |
開学(予定)
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デジタルハリウッド大学院大学の概要
1 |
設置の趣旨・目的等
デジタル社会における重要でかつ専門性を必要とするビジネス及びコンテンツを創造する職業を担うための人材養成のため,「ワンソースマルチユース」(1つのコンテンツをさまざまなメディアやプラットホームに展開させる手法)を踏まえたプロデューサーとディレクターの育成を行う。 |
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入学定員 |
収容定員 |
デジタルコンテンツ研究科 |
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デジタルコンテンツ専攻 |
80人 |
160人 |
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(学部を有さない専門職大学院のみの大学,修業年限は2年) |
2 設置者 |
デジタルハリウッド株式会社(平成6年設立,東京都,資本金4億7千万円)
代表取締役 藤本 真佐 |
4 設置場所 |
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東京都千代田区
大阪市北区(サテライトキャンパス 平成17年度設置予定)
※東京都千代田区,大阪府大阪市が構造改革特別区域計画の認定 |
6 教員 |
組織
専任 |
教員数18人(教授11人,助教授3人,講師4人) |
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(教員基準13人(うち教授7人)) |
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7 校地 |
・校舎面積 |
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校地面積 |
857.81 |
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校舎面積 |
423.77 |
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(全て借用:特区における「自己所有要件緩和」を適用) |
8 教育 |
課程等の特色
( |
1)教育課程として,「基礎科目」,「実践基礎科目」,「応用・展開・先端科目」,「研究科目」の4分類による編成。 |
( |
2)履修コースとして「ゼネラルプロデューサープログラム」,「コンテンツディレクタープログラム」を設置。 |
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「規制改革推進3ヵ年計画(再改定)」(抄)
(個別分野)
4 教育・研究
1. |
教育主体の多様化
(1) |
教育分野における株式会社等の参入【平成15年度中に検討・結論】
株式会社など国・地方公共団体や学校法人以外の民間主体による教育分野への参入については、会計制度などによる情報開示制度、第三者評価による質の担保及びセーフティネットの整備等を前提に、教育の公共性、安定性、継続性の確保に留意しつつ、特に大学院レベルの社会人のための職業実務教育等の分野について、その在り方を検討する。 |
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「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2003」(抄)
1.規制改革・構造改革特区
(1) |
公立学校の管理・運営の民間委託等
株式会社等による学校経営については、構造改革特区における実施状況についてできるだけ速やかに評価を行い、検討を進める。 |
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今後の学校の管理運営の在り方について(答申)抜粋
平成16年3月4日
中央教育審議会
第 |
4章 その他の検討課題について
学校の管理運営の在り方については,ここまで述べてきた方策以外にも,例えば以下に示すような様々なものが考えられる。これらについては,必要に応じ,今後の審議において更に具体的に検討することとしたい。
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1 |
多様な主体による学校の設置について
○ |
学校は公の性質を有するものであり,その設置と運営は,国家,社会として責任をもって取り組むべき,極めて公共性の高いものであるとともに,子どもたちの就学の機会を確保するため,継続性・安定性が不可欠である。このような公共性,継続性・安定性を担保しつつ,民間の主体が参入するための制度として学校法人制度が設けられているものであり,学校の設置主体としては,国,地方公共団体及び学校法人が基本である。 |
○ |
一方で,株式会社やNPO法人(ボランティア活動をはじめとする市民が行う自由な社会貢献活動としての非営利活動の健全な発展を促進し,公益の増進に寄与することを目的として,特定非営利活動促進法に基づき法人格を付与された団体をいう。)のまま学校を設置したいという構造改革特別区域に関する提案に対応し,平成15年度から,地方公共団体が教育上又は研究上「特別なニーズ」があると認める場合には,株式会社に学校の設置が構造改革特別区域において認められることとなった。また,同様に,地方公共団体が,不登校児童生徒等を対象とした教育について「特別なニーズ」があると認める場合には,そうした教育を行うNPO法人であって一定の実績等を有するものに学校の設置が認められることとなった。
なお,いずれの場合においても,学校としての公共性,継続性・安定性を確保するため,学校の経営に必要な財産を有することなどの要件や情報公開が設置者に課されており,また,特区認定を受けた地方公共団体には,学校の評価の実施や学校が破綻した場合のセーフティ・ネットの構築など必要な体制を整備することが求められている。 |
○ |
このことを踏まえて,平成15年10月に行われた構造改革特別区域計画の申請においては,株式会社による学校設置について,計3件の申請があり,いずれも認定されたところである。その内訳は,中学校及び高等学校の設置に係るものが1件,大学の設置に係るものが2件,そのうち専門職大学院の設置に係るものが1件であり,それぞれの学校設置に向けた所要の手続が進められることとなっている。 |
○ |
なお,このような多様な主体による学校の設置を,新しい学校の管理運営の在り方の一つとして今後全国で認めていくかどうかについては,構造改革特別区域における取組の状況を踏まえつつ,引き続き検討することが必要である。 |
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