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国際的に魅力ある大学院教育の展開に向けて、その機能が多様化・分化し発展していくために、目下、最も重要なことは、各大学院(専攻等)が、特に人材養成機能の面で、自ら課程の目的等について焦点を明確にすることである。
これを前提として、それぞれ課程の目的に応じて、教育内容・方法、修了要件などの教育課程や研究指導、及び教員組織の適切な在り方などについて検討を進め、大学院における教育研究機能を活性化するための教育の課程の組織的展開の強化(大学院教育の実質化)に焦点を当てた改革を進めていくことが重要である。
このための必要な制度改正、集中的な計画及び先行的取組の実施などを組み合わせ、改革を総合的に推進していくことが必要である。
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(課程の目的・役割の明確化に関する制度改正の実施) |
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これらを踏まえて、国は、新たに設置する大学院のみならず、既に設置されている大学院を含め、各大学院(専攻等)の課程の目的が明確に示されるよう、大学院設置基準に関係規定を新たに置くことが適当である。
その際、各大学院は、専攻等の分野ごとに職業人等が当面している課題や、専攻等が果たすべき役割などを踏まえ、養成しようとする人材を念頭に出来るだけ具体的に各課程の目的・役割を明確化することが重要である。更に、これをもとに、学生に修得させるべき知識・能力の具体化を図り、これらを組織的に共有していくことが必要である。
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具体的には、各大学院は、例えば、専攻を基本単位として、各課程において養成しようとする人材、或いは修得させようとする知識・技術の体系などを学則又は研究科規程等に規定するなどにより明確化し、これらを分かり易い形で積極的に公表することが必要である。
これらの措置を通じて、各大学院は、社会の要請に的確に対応しているか確認していくよう努めていくことが必要である。
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(課程の目的・役割の明確化と大学院評価との関係等) |
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また、当該措置により、各大学院(専攻等)の課程の目的等を組織的に明らかにしていくことは、大学院評価の基準(ベンチマーク)を明確化する役割を果たすことになると考えられる。
当部会は、当該措置との有機的な連携を図る方向で、今後、実効性ある大学院評価の早期確立に関する検討を行っていくこととする。
その他、当該措置は、例えば、学生の大学院への進学の見極め、修了生のキャリアパスの形成にも資するものと考えられる。
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(改革支援方策の今後の検討) |
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当部会は、今後、これらの措置に関連して、教育内容・方法、修了要件などの教育課程や研究指導の在り方、これらの大学院設置基準上での取扱い、教員組織の在り方、施設・設備の充実などについて検討を進め、大学院における教育の課程の組織的展開の強化(大学院教育の実質化)のための改革支援方策の一層の具体化を図っていくこととする。 |