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医学研究分野・医療分野・医療関連産業界からの社会的ニーズに対応した医学系大学院博士課程の教育を実施する必要があるが、そのためにも医学と他の分野を融合させた専攻系の設置が必要である。また、研究者育成・専門医養成養成および学際的分野の高度専門職業人育成等に目的を絞った専攻系を設置する必要がある。 |
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大学側が、医学・医療に関連する行政・保健医療・医療関連産業の動向を把握する必要があり、大学側が積極的に関連分野と継続的意見交換の場をもつことが必要。医療分野では、研究者育成と専門医育成ばかりでなく、総合診療医育成が求められており、専門職大学院として地域にも開かれた研修体制を構築する必要がある。 |
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国民や社会から求められているのは、やはり国民が納得する医療を提供することに尽きる。そのためには、医療系においては資格試験の問題、医学の研究開発の推進の問題、そして医師養成の制度の問題の3つがあり、どれもおろそかにできない問題である。 |
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国民が望んでいるのは良い医療政策であり、医学の学術研究についても全て最終的にはこの良き医療政策に還元されることを国民は望んでいる。しかし、国民の考えと実際の医療政策とは大きく乖離があり、学術研究が何故大事かということや危機感が国民に理解されないといけないと思う。 |
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医療系分野については医師養成機関としての役割から他の分野とは量的・質的に異なる状況が存在することを再認識する必要がある。医療行政における医師の需給問題や国内的な適正配置問題、さらには医師の質的担保に関する問題と連携した対応なくしては、医療系大学院改革は実効性を持たない。 |
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社会的ニーズとの関係を論ずるにあたっては、医療系分野の中での問題にとどまらず、日本国社会全体における医療系分野の位置付けを視野にいれた考察が必要。しかし一方で、国際的な先端的競争力の確保のため、社会的ニーズと乖離・矛盾した立場をとるべき必要がある場合もあるため、施策を検討するに当たり、「戦術」的考察と、「戦略」的考察を明確に区別し意識して方略を策定する必要がある。 |
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臨床に関しては、信頼できる、かつ安全な医療の提供を国民は望んでいる。そのためにはEBMを実践できる能力の涵養が必要であり、その教育が専門職大学院で行われるべきである。研究に関しては、医療技術の改良・開発を推進できる人材が望まれている。 |
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国民の関心事のNo.1は健康であり、老後の良質のQOLは誰も望んでいる点である。良質の医療を国民に提供することが求められているが、必ずしもこの社会のニーズと大学院教育のマッチングが行われてきたとは言い難い。 |
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薬学系大学院においては大学院教育カリキュラムの見直し等で対応できると考えている。従来の大学院教育は、患者の方にあまり目を向けず、最先端の基礎生命科学研究に重点を置いていたと言っても過言ではないため、生命倫理、社会と医療などの領域についてもこれらを講義科目として積極的に取り上げるべきである。 |
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社会(国民・医療機関等)からのニーズにはどのようなものがあるのか。薬学研究者,あるいは,専門薬剤師に対する期待がどの程度かについて,教育研究に携わる研究者自身が常に意識することが必要であり,常にフィードバックできる体制を作っておくことが必要。このためには,大学院自身で常に社会に開かれた仕組みを作っておくことが大切(公開講座,市民講演会などを積極的に開催するなど) |
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医療に対し、また医療人のさまざまな働きについて、まして大学院修了生の機能について、十分な理解を得られているとは思えない。医療人からの情報提供のあり方にも問題があったと考えるので、社会に役立つことをアッピールして、社会から求められるようにならなければならないと考えている。 |
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社会が何を求めているか、医療の主人公は市民であることに立ち返って、社会のニーズに応えることが、大学院教育の大前提であろう。 |