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資料5−2の29頁に「専門学校と大学との連携・接続の円滑化を図る必要がある」という考えには賛成である。大学が全入時代を迎え、ダブルスクールが盛んになってきた中で、専門学校を重視し、専門学校に入学した学生の将来を学問的な行き止まりにしないということは結構なことと考える。ただ、書き方が非常に曖昧で、「一定の要件」とは何か、「認められた」とは誰が認めるのかなどが良くわからないので、議論のしようがない。もう少し踏み込んで記載すべきだと思う。
例えば「一定の要件」は、大学と専門学校があらかじめ提携関係を持ち、専門学校の学生が大学の授業を受け入れられる状況にあれば自動的に大学院入学資格を認めることとすれば良いのではないか。「一定の要件」を物質的なものと考えると専門学校に負担をかけることになる。教員数を増加する、一般教養又は高度な専門教育部分について教員を新たに採用するなどとすると、結局大学と同じになってしまい、専門学校の意味がなくなってしまう。「一定の要件」を専門学校内部に求めると現在のリソースを利用しないということになるので、大学の授業を専門学校が利用するということにすれば良いのではないか。
また、「認める」のは大学が良いと思う。大学はこれから公的な評価を受けるのだから、その大学が大学卒業者と同等と認定すれば問題ないはずである。
専門学校と大学院の接続に根本的に反対という委員はいないと思う。ただ無条件に認めるのは問題があるということであれば、踏み込んだ条件を記載した上で、進むべき方向性を示すべきではないか。
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今後の道行きについては、ある時点で明確にしておく必要があると思う。
委員御指摘の点については、まだ結論がでたわけではないのではないか。
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資料3−2の29頁に「専門学校は事後評価の仕組みの確立による社会的信頼・評価の確保に努める必要がある」とあるが、専門学校への事後評価の仕組みがない状況であり、ここを検討すべきではないか。
続いて専門学校と大学の連携・接続の仕組みそのものを検討すべきであると記載しているわけだが、一例としていきなり4年制専門学校の大学院入学資格の問題だけを持ち出すのは適切ではないのではないか。
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専門学校と大学の接続の問題の一環として、4年制専門学校の大学院入学資格について若干なりとも大学分科会で議論したので、記載は残すべきだと思う。
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この問題は…外国大学日本分校の問題と密接に係わっている。外国大学日本分校は日本側の制度で見ると専門学校である場合が多く、その4年制の専門学校のうち一定の要件を満たすと認められたものを卒業した者に対して大学院入学資格を付与するかどうかということがここでまさに問題になっている。
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確かにこの文章では、「一定の要件」とは何か、「誰が認めることができるのか」といった疑問は必ず出てくると思う。専門学校と大学との連携・接続の更なる円滑化を図ること自体に反対しているわけではないので、4年制の専門学校を卒業した者が大学院に進学できる道を広げる方向で検討すべき、といった記述なら問題ないと思う。しかし、前回の記述では、4年制の専門学校を卒業したら直ちに大学院の入学資格が得られると読めたので、これでは「大学」とは何かと定義したことと矛盾するのではないかという疑問を呈したものである。
「一定の要件」とは何かと考えると、一定の要件を満たした専門学校を卒業した者は大学卒業者ではないが、大学院入学資格は得られるということをうまく説明するのはなかなか難しいのではないか。
「認めるもの」は、大学と大学院と文部科学省という三者が考えられる。先ほどの提案は大学が認めることにするということで、これは学位授与機構のような仕組みを広げることにつながり、一つの方法だと思う。また、個別の大学院が当人を見て大学卒業者と同等と判断して入学を許可したということであれば、これも一つの政策だと思う。一番問題となるのは、文部科学省が判断する場合である。専門学校であるから大学ではないと判断しながら大学院入学資格を与えうる教育内容を行っているとした時に、一体何を持って大学と専門学校を区別したのか、説明は大変難しいと思う。
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大学ではないが大学院入学資格を自動的に与えられる学校は、例えば防衛大学校、防衛医科大学校、水産大学校、海上保安大学校など数多くある。これらは学校教育法施行規則で規定されており、同じ取扱いは可能ではないか。
大学院が認めることとすると、客観性が失われる可能性があるので、大学卒業同等ということを大学が認め、しかる後に大学院に進学するという二段構えにした方が適切だと思う。
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専門学校の大学院入学資格の問題は、専門学校を卒業した人が専門職大学院に行く道を作るということだろうと思う。資料5−2の26頁に「専門職大学院及び専門学校は、この目的・役割の違いに十分留意しつつそれぞれの特色を活かし、ともに社会が求める人材を養成する機関として一層発展していくことが期待される」とあり、これから専門学校もレベルアップしていく、したがって大学との連携・接続も更に円滑にするということだと思う。そうすると、大学院入学資格は与えることが前提となっていて、議論した上で、一定の資格要件を検討するということではないか。より多様性に富んだ個性あふれる高等教育を実現するために、大学も専門学校もそれぞれの特徴に応じて国際社会に通用するオンリーワンを育成する、そうすればおのずと一定の要件を満たした専門学校卒業者も大学院を希望すれば受け入れることにしようという流れになるのではないか。
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教養教育をしっかり身につけた上での専門職大学院という制度設計であって、専門学校から専門職大学院という道が広がった時の弊害があるのではないか。例えば、高校を出てから専門学校に入り、その後法科大学院に入学することが、法曹になるための一番良い道であるということにもなりかねない。これが果たして「新しい21世紀の知識基盤社会を支える人材」、「専攻分野について専門的知識を持ち幅広い教養を身につけ時代の変化に合わせて積極的に社会を支えていく人材」なのだろうか。野放しにしない仕組みが必要である。
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だからこそ「一定の条件」が必要なのである。ただ、前提として拒む側に立つのは問題だと思う。
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個々の人間にとってこれで行き止まりといった制度設計は避けるべきで、意欲を持ってさらに勉強したいという人をエンカレッジする制度にすべきだと思う。しかし、質の高い教育をしている専門学校が大学院に卒業生をどんどん送り込むような、そういった方向の発展を目指そうと考えるならば、むしろ専門職大学院としてしっかりやっていくほうが望ましいと思う。そういう方向に誘導するような仕組みにすべきであり、専門学校を出た人が大挙して専門職大学院に進学する道を広げるような制度設計にはしなくても良いのではないか。 |