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(補論)諸外国の高等教育改革の動向

〔1〕 アメリカ合衆国

(1) 奨学金改革
何らかの奨学金を受給する学部学生が5割超。
HOPE scholarship(クリントン前大統領2期目〜)。

(2) 質保証システムとディグリー・ミル
大学設置審査(州毎に異なる制度)
州によっては比較的簡便な設置登録・設置審査。
 → ディグリー(ディプロマー)・ミルの温床。
事後チェック
チェック地域ごとに設けられた民間評価団体による適格認定活動の普及。
新たな課題:近年オンライン大学に対する対応等。
大学評価の予算配分への反映。

〔2〕 イギリス

(1) デアリング報告
 21世紀の知識基盤型経済におけるイギリスの国際競争力と国の繁栄は高等教育が支え、learning society(国民が生涯に渡って学習しうる社会)を実現。
 高等教育の更なる拡大と質の向上を目指す高等教育改革を推進。

(2) 高等教育白書
 研究費を含む高等教育への公財政支出の増大を提唱。
 2005年度までに約100億ポンド(2兆円)まで増額。
 2003年比で3割増で対GDP比0.1ポイント増(対GDP比0.7%2000年度)。
 公財政負担だけでなく、受益者負担も。

〔3〕 欧州連合

(1) ボローニャ宣言
 EUによる経済統合の進展による広範な労働市場形成に対応。
 欧州高等教育圏の形成に向けて共通の学位制度の導入など、共通した高等教育の枠組を形成。競争を促進する土壌作り。

(2) エラスムス計画
 1987年開始。現在、第2段階目(2000〜2006の7年間)の計画が進行中。
 学生・教員の交流促進:域内留学促進のため、奨学金を給付。1999年には学生11万人、教員1万2000人がこの制度で留学。
 欧州大学間単位互換制度(ECTS):教育内容の国際的互換性確保のため、学習量(creditという統一尺度)と成績評価を標準化。

〔4〕 ドイツ

(1) ドイツ高等教育大綱法の改正
 2002年8月第6次改正。組織運営の柔軟化、業績評価の重視、入学者決定システムの修正、国際化を基軸とした学修構造の再編、若手研究者養成を基軸とした教員制度の再編等のほか、授業料徴収を可能とする例外規定などを規定。

(2) トップ大学プログラム
 ハーバード大学のような国際的なトップ大学と競合できるドイツのトップ大学と研究拠点を確立。第一次募集:2004年夏に開始。最大5校が決定。2006年から5年間、年額最高60億円の助成。

〔5〕 フランス

(1) 「高等教育の欧州モデル構築に向けて」報告書
 高等教育を通じた国民の教育・職業資格水準の引き上げが不可欠とし、今後の高等教育の役割を、「エリート養成ではなく、すべての学生が平等に各人の可能性を見出し、各人の個性に応じた卒業後の社会生活に必要な知識・技術を十分に習得するための場を提供することである」、と強調。
 大学の教育課程区分改革、「拠点大学地区」の設置等の改革を提唱。

(2) 高等教育改革プラン
 「高等教育の欧州モデル構築に向けて」報告書を受けて、3−5−8制、学生生活の向上支援、大学の新増設等の改革プランを策定。

〔6〕 中国

(1) 中華人民共和国高等教育法
 80年代以降の高等教育改革による現在の制度を法律として改めて、「法人格」の付与と自主権の拡大、国公立機関における党指導の学内管理体制、多様な財源の調達、外部評価等について規定。

(2) 21世紀に向けた教育振興行動計画
 21世紀初頭までの具体的な教育政策の目標と措置を提示する「教育改革及び発展のための総合プロジェクト」として、基礎教育の普及と質向上、高等教育の教育研究の水準向上と経済発展への貢献促進、遠隔教育の発展等を通じた農村部や成人の教育機会拡充、教育投資の確実な拡大等の数値目標を設定。

〔7〕 韓国
 1990年代、大学の個性化や多様化を進め、規制緩和や大学評価、入試改革を推進、金大中政権において「世界水準を目指した大学作り」のための集中投資などを展開。
 入試制度の改善、裁量の拡大、評価、特定大学・学科への集中的投資、国立大学の再編統合・自律化・競争原理導入、大学発ベンチャー企業育成等を実施。

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