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連邦教育省行動計画 『高等教育改革アクションプラン:アクセスの向上,学費負担の軽減及びアカウンタビリティの改善に向けて』(仮訳)

連邦教育省
2006年9月26日


  「長年にわたり,我々は納税者が支払った何百億ドルに上る税金を投入し,最高のものだけを望んできた。我々はもっとよいものを得るに値する」
−−連邦教育長官 マーガレット・スペリングス

 大学の卒業証書は,アメリカン・ドリームを実現するために,ますます必要なものとなってきている。1年前,スペリングス連邦教育長官は超党派の組織「高等教育の将来に関する連邦教育長官諮問委員会」を発足し,21世紀の競争に生き残るため高等教育を強化する必要性についての活発な国民的対話を開始した。2006年9月19日に発表された諮問委員会最終報告書『リーダーシップが試されるとき−高等教育の将来像を描く−』は,「評判に基づくシステムから実績に基づくシステム」へと変えることで,「米国の高等教育は大幅に改善する必要がある」と述べた。

 本日,スペリングス連邦教育長官は,高等教育の実績を測定する能力を向上させるとともに,実績そのものを引き上げることを目指したアクションプランを発表した。この提言は,学生や保護者,経済界の指導者及び納税者に対して,高等教育へのアクセスを向上するとともに,学費負担を軽減させ,アカウンタビリティを明確にすることを目指している。

アクセスの向上
 「大学に行きたくても,行けない米国民があまりにも多く存在する−しかも,その理由が大学教育への準備ができていないことでも,学費を負担できないことでもないような人々が−」
−スペリングス連邦教育長官

 高等教育へのアクセスを拡大するため,米国の児童・生徒に対して,より良い教育,より良い大学への準備を提供しなければならない。その第一歩は公立学校における高い教育スタンダードであり,アカウンタビリティである。

連邦教育長官の提言
  初等中等教育における大学教育への準備を強化し,ハイスクールの教育スタンダードと大学の期待を調整する。
連邦議会と協力して,「落ちこぼれを作らないための初等中等教育法」の取組方針をハイスクールにまで拡大する。
大学教育や就職への準備状況を州レベルで推計できるように第12学年を対象とした全国学力調査のテストを再設計する。
国の競争力や個人の機会にとって障壁となっている成人の識字に関する問題に対処するため,この問題に対する関心を喚起し,指導力を結集する。
実際に機能する戦略やモデル,プログラムを明らかにするため,成人の識字に関する連邦の研究アジェンダを策定する。

事実と検討結果
 「米国における高等教育へのアクセスが,明らかに限定されている。これは,不十分な大学教育への準備や,大学に関する情報の欠如,経済上の障壁……による。」
−高等教育の将来に関する連邦教育長官諮問委員会

25〜29歳の年齢層における学士号取得率は,白人の場合約34パーセントあるのに対して,アフリカ系米国人は18パーセント,ヒスパニック系では10パーセントであった。
大学生の40パーセントは少なくとも1つの治療教育を受講しており,こうした教育プログラムにかかる経費の総額は年間10億ドルに達している。
25〜64歳の年齢層の60パーセント以上は中等後教育における修了証や単位を取得していない(出典:連邦統計局,2004年)

学費負担の軽減
 「どうして経費がこれほど高いのか,我々が見返りとして受け取っているものは何なのか,これらに関する情報は皆無か,それに近い状態にある。」
−スペリングス連邦教育長官

 授業料はインフレ率や医療費,家庭の所得水準を上回るペースで上昇し続けている。ペル給付奨学金への予算配分は過去5年間で50パーセント近く引き上げられたものの,奨学金システムは早急の改善が必要なままとなっている。我々は,学生やその家庭の進学準備,計画及び大学への支払いを支援するため,そのプロセスを合理化しなければならない。

連邦教育長官の提言
  州とパートナーシップを組んで所得や税金に関する既存データを活用し,学生が連邦奨学金無償申請書(FAFSA)の記入を半分の時間で済むように手続きを簡素化する。
ハイスクール最終学年の春よりも以前に生徒に対して奨学金の受給見積額を通知する。
連邦議会と協力し,連邦奨学金制度による経済的必要度に応じた援助に新たな資金を投入する。
連邦奨学金制度の運営に関するレビューを第三者機関に依頼する。
革新的な取組の振興と生産性の向上に向け,中等後教育改善基金(FIPSE)を活性化する。
一貫性のある学費負担に関する手段を開発するため,関係機関による大学に関するデータの年次報告の提出を振興する。

事実と検討結果
 「あまりにも多くの学生が高騰する学費のために大学での勉強をあきらめたり,学業を継続するための負債を憂慮しなければならなくなっている。」
−高等教育の将来に関する連邦教育長官諮問委員会

1995年から2005年の間に,4年制の州立大学の学生納付金の平均額はインフレ率調整後の額で51パーセント上昇した(私立大学についても36パーセントの上昇)。
4年制大学卒業者の負債額の中央値は,州立で1万5,500ドル,私立で1万9,400ドルに達している。
各州の高等教育予算は20年以上にわたり最低レベルに落ち込んでいる。

アカウンタビリティの改善
 「現行の大学ランキングにおいて,最も重要な点−すなわち学生のパフォーマンスと学習−について直接測定したものはない。」
−スペリングス連邦教育長官

 情報化時代において,大学に関する明確かつ包括的な,さらには比較可能なデータを収集し,学生や保護者,政策立案者に対して利用可能なものにすることは不可欠である。

連邦教育長官の提言
  州のコンソーシアムと協力し,40あるプライバシー保護に配慮した既存の高等教育情報システムを活用するとともに,リンクを推進する。
学生の学習成果に関するデータを収集し,報告する州や機関のインセンティブを調べる。
アクレディテーション団体の代表を招集し,審査基準において成果を強調するよう変更を実施することを提言する。
利用者が個々の関心やニーズに応じて比較したり,評価できるように連邦教育省の大学検索サイトを再構築する。

事実と検討結果
 「データ・システムが限定的で,十分なものでないため,政策立案者にとっては,大学教育を修了した学生の伸びに関する信頼できる情報を得ることも困難な状況がある。」
−高等教育の将来に関する連邦教育長官諮問委員会

米国の大学進学率は主な先進国の中で12位にまで低下した。(出典:OECD)
2001年の学生1人当たり高等教育費は2万2,000ドルを上回った。これは他の主な先進国のおよそ2倍に相当する。
散文に関する識字力(複雑な文書を読み,推定する能力)において熟達水準にあるとみられる大学卒業者の比率は,この10年間で40パーセントから31パーセントに低下した。(出典:全米成人識字調査)


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