3.実習の実施設定のタイプ

 教職大学院の実習の時期とタイプは、各大学のカリキュラムにおける位置づけ、地域的な条件、学生全体の構成上の特徴、学生個々の学習計画の特色等により様々なタイプが考えられる。
 タイプ別に分類すると、以下のようになる。

1.実施学年

  • (ア)第一年次
  • (イ)第二年次
  • (ウ)両学年にまたがる形式
     実習実施学年を1年次とするか2年次とする(あるいは両学年にまたがって行う)かについては、例えば特に学部新卒学生については、1学校における実務経験がないことから、早期(1年次)に実施し、コース(分野)別選択科目群の履修がより実務を前提にしたものとし易いようにするとする考え方がある一方、2共通科目(基本科目)群及びコース(分野)別選択科目群を一定程度履修した後とすることにより、一定のテーマを持って実習に臨ませることとする考え方があり得る。
     また現職教員である学生について、1実習を1年次に設定し、現勤務校において勤務しつつ教職大学院における学習テーマ準備や事例調査等を行い、その後それをもとにしつつ共通科目(基本科目)群及びコース(分野)別選択科目群を履修させる方法が考えられる一方、2共通科目(基本科目)群及びコース(分野)別選択科目群を一定程度履修した後とすることにより、一定のテーマを持って実習に臨ませることとする考え方があり得る。
     いずれの場合も、どのような方式をとるかは、実習と共通科目(基本科目)群及びコース(分野)別選択科目群との内容の体系性、連続性の在り方から検討される必要がある。

2.実施時期

  • (ア)通年型
  • (イ)半期型
  • (ウ)期間限定集中型
     実習期間は、10単位(300~450時間)以上となることから、例えば、
    • (1)週1日(8時間)、約38週~57週にわたり行う場合
    • (2)週2日(16時間)、約20週~29週にわたり行う場合
    • (3)週5日(40時間)、約8週~12週にわたり行う場合
    など、時間の組み方により様々な方法があり得る。この場合、実習校における行事計画や指導体制の状況、実習プログラムに対応した下記3の実習校の設定方法等の観点から検討される必要がある。

3.実習校の設定

  • (ア)特定実習校で長期間実習を行う方法
  • (イ)複数の実習校でリレー式に実施する方法

4.学部新卒学生と現職教員学生との関係

  • (ア)学部新卒学生と現職教員学生の実習校を同一校とする場合
  • (イ)学部新卒学生と現職教員学生の実習校を別の学校とする場合

 学部新卒学生と現職教員学生の実習校を同一校とするか否かについては、実習プログラムの内容、特に学部新卒学生にとっての実習の効果の面からの検討のほか、実習校の指導体制、教育上の影響等の観点から検討することが必要である。
 その際、現職教員学生の実習先を勤務校とした場合、現職教員学生が学部新卒学生の実習の指導・援助を行うことが可能となる点は長所として考え得る。(なおこの場合、現職教員学生の実習が、現勤務校であることにより日常の勤務に埋没するようなことがないよう工夫・配慮が必要である。)

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