資料3 全国学力・学習状況調査の活用の仕方について(提案)

平成22年12月17日

全国学力・学習状況調査の活用の仕方について(提案)

1 全国学力・学習状況調査と都道府県の学力調査と区市町村の学力調査の関係を生徒の指導に生かしたり生徒自らが学習改善に活用したりできるようにする。
 前回11月15日の会議で秋田県の実践紹介のような内容をより一層充実させる視点が必要である。

2 イギリスの学力調査の活用のように、調査を受けた子ども個々に返すシステムづくりを進めて欲しい。
 調査を受けた子どもへ指導者(ボランティアを含む)から教科毎に助言をもらえるようなシステムを整えたい。

3 現在、都道府県や区市町村では、調査結果の分析をして、各学校の課題を明らかにして改善策を求めたりしているところもある。少なくともこうした取組を都道府県、区市町村、各学校に求めて行きたい。

4 調査結果は冊子として各学校に配布されているが、よい考察はされていても活用については冊子の厚さもあり十分な状態とは考えられない。今後、内容の周知を都道府県、区市町村、各学校に図っていきたい。

5 生徒質問紙は、教科の学力と大きな関わりがある。子どもの睡眠や食事、読書、家庭学習をする等の環境が整うことは基本的な生活習慣が身に付くことであり、子どもの基礎学力の定着の上では必要不可欠である。
 教科とのクロス集計した結果を各学校に十分に周知し、各学校における取組が具体化するようにしたい。

6 学力調査の結果について、報道機関や地方行政機関において、平均正答率のみが注目される傾向がある。学校によって生徒数も様々であり、100人前後もしくはそれ以下の学校規模のところも多い中で小規模校の平均点にどのような意味があるのか疑問の声も多くあがっている。

7 保護者の関心は我が子がどの位できるかといったことにありがちで、視野が狭い。子どもの学ぶことによるよろこびや学習意欲を大切にしようとする保護者、社会の土壌をつくっていきたい。学力調査で啓発を図っていきたい。(国が考える生きる力か保護者が考える受かる力か)

8 子どもの指導に生かすという立場からは、調査の実施から学校・子どもへの返却の期間をなるべく短くする工夫を図っていく必要がある。

9 行政調査としての役割では、学年を統一する必要があるが、個々の子どもに生かす視点では、進級するたびに子どもの変化の様子を把握し、指導等に生かす必要がある。このことは課題と言える。

10 教科における活用の仕方の具体例を文部科学省では示しているが、授業改善に資するように、都道府県、区市町村、各学校に周知する方法を十分に考えていただきたい。
 良問であるため授業における指導教材として問題を工夫して活用している教員もいる。そうした取組を推進していく必要がある。このことは、教員の資質・能力の向上に資すると考える。

11 学習指導要領と教科書と全国学力・学習状況調査について関係を持たせるとともに、それぞれの役割を明確にして欲しい。調査問題や調査結果については、教科書の編集に生かして欲しい。

全日本中学校長会生徒指導部長
世田谷区立芦花中学校長 小宮 賢治

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