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第4章 情報教育

 本章では,情報教育により子どもたちに身に付けさせる「情報活用能力」とは具体的にどのような能力であるのか,また,情報活用能力を身に付けさせるために何をすればよいのかについて解説する。
 第1節では,情報教育の目標と系統性の意義,第2節では,発達の段階に応じて小学校及び中学校で子どもたちに身に付けさせる情報活用能力について,第3節では,情報活用能力を身に付けさせる各教科等の学習活動とはどのようなものかについて解説する。
 なお,情報モラル教育については情報教育の一部であり本章でも取り上げるが,今日的課題の大きさを踏まえ,第5章において詳細に解説する。

第1節情報教育の目標と系統性

1.情報教育の目標

 情報教育とは、子どもたちの情報活用能力の育成を図るものであり、第1節でも述べたとおり、情報教育の目標については次の3つの観点に整理されている。

1)情報活用の実践力
 課題や目的に応じて情報手段を適切に活用することを含めて、必要な情報を主体的に収集・判断・表現・処理・創造し、受け手の状況などを踏まえて発信・伝達できる能力
2)情報の科学的な理解
 情報活用の基礎となる情報手段の特性の理解と、情報を適切に扱ったり、自らの情報活用を評価・改善するための基礎的な理論や方法の理解
3)情報社会に参画する態度
 社会生活の中で情報や情報技術が果たしている役割や及ぼしている影響を理解し、情報モラルの必要性や情報に対する責任について考え、望ましい情報社会の創造に参画しようとする態度

2.情報教育の系統性

(1)小学校段階での「基本的な操作」の確実な習得

 現在,小学校における情報教育については,中学校技術・家庭科や高等学校情報科のように情報活用能力の育成を専門に担う教科・科目が設けられておらず,各教科等の指導を通じて行うこととなっている。また、「情報手段に慣れ親しみ、適切に活用する学習活動を充実する」とされているが、各学校においては、情報手段に慣れ親しませることに重点が置かれている場合が多いなど、学校によって情報教育の取組にばらつきが大きい状況にあった。
 そのため,小学校卒業時に子どもたちが身に付けている情報活用能力も,特に情報手段の基本的な操作スキルについて,同じ中学校に進む子どもたちの間で差が生じ、中学校の技術・家庭科などで、文字の入力をはじめ基本的な操作スキルが十分でない生徒の指導に多くの時間を割かざるを得ないといった状況も見られた。
 こうした小学校と中学校の接続に関する課題も踏まえた上で,新学習指導要領では,小学校卒業時に「基本的な操作」を確実に身に付けておくべきとの考え方を示したところである。併せて、中学校技術・家庭科において「コンピュータの基本的な操作」についての規定が置かれていないことをはじめ、国語科、社会科、数学科などでも「コンピュータの基本的な操作」が小学校段階で身に付けられていることを踏まえた学習内容が盛り込まれている。

(2)発達の段階に応じて情報活用能力を身に付けさせるための学習活動

 新学習指導要領「総則」の解説には,児童生徒の発達の段階に応じて情報活用能力を身に付けさせるために,どのような学習活動を行うことが必要であるかが示されており,小学校と中学校との接続についても明確に示されている。これを図示したものが,図4-1「小学校と中学校の接続」である。
 小学校学習指導要領「総則」の解説に「慣れ親しませることから始め」とあるように,低学年の段階からコンピュータなどの情報手段を身近な道具の一つとして,操作を体験したり,楽しさを味わわせたりすることにより,親しみを持ち,抵抗感なく使うことができるようにする。そして,発達の段階に応じて「キーボードなどによる文字の入力,電子ファイルの保存・整理,インターネットの閲覧や電子メールの送受信などの基本的な操作」の習得に取り組み、小学校段階で「確実に身に付けさせる」ことが必要である。これは「情報手段を適切に活用できるようにするための学習活動」を行うための基礎となるスキルである。
 こうした「コンピュータの基本的な操作」や「情報モラル」,「情報手段を適切に活用できるようにするための学習活動」を通して身に付けた知識・技能といった小学校段階の基礎の上に,中学校段階では,発達の段階に応じた「情報モラルを身に付け」るとともに,「情報手段を適切かつ主体的,積極的に活用できるようにするための学習活動」を行う。特に,技術・家庭科技術分野の「D情報に関する技術」において,「情報手段の構成・仕組みなどを理解させるとともに、それらを基にした情報モラル、情報技術の活用にかかわる能力・態度を身に付けさせる」こととなるが、技術・家庭科だけでなく各教科等においても情報手段を活用した学習活動を行うことが重要であり、その際、「技術・家庭科と各教科等が相互に関連を図ることが重要であり、指導における連携や協力に留意する必要がある」。
 そして、このように行われる中学校の情報教育は,高等学校の情報教育へと引き継がれていくことになる。

図4-1 小学校から中学校への接続

(3)総合的な学習の時間を通じた情報活用能力の育成

 各教科等においては,それぞれの教科のねらいを達成するために体系化された教科指導が行われるため、各学校段階において、情報教育を体系的に実施することは難しい場合が多い。
 「総合的な学習の時間」は,「横断的・総合的な学習や探究的な学習を通して,自ら課題を見付け,自ら学び,自ら考え,主体的に判断し,よりよく問題を解決する資質や能力を育成する」ことを目標としており,そうした時間に、情報に関する学習を行う場合に限らず、様々な学習において、課題の設定、情報の収集、整理・分析、まとめ・表現といった学習過程において、ICTの活用が必要となる、あるいは効果的となる場面を設けることで,情報教育の目標の3観点に照らしてバランスのとれた情報活用能力を身に付けさせることが重要である。

第2節各学校段階に期待される情報活用能力

 新学習指導要領では,各教科等の指導の中にICTを活用する学習活動が多く取り入れられている。これらは,教科のねらいを達成するだけでなく,情報活用能力を身に付けさせることのできる学習活動でもある。そのため,学習指導要領に示されている学習活動のうち情報活用能力の育成に関わる学習活動を整理することにより,どのような情報活用能力の育成が期待されるのかを俯瞰することができる。
 また,小学校,中学校のそれぞれで,どのような情報活用能力を身に付けさせようとしているのかが明確にされている。学習指導要領「総則」には,小学校段階では,「基本的な操作や情報モラルを身に付け」るとともに,「情報手段を適切に活用できるようにするための学習活動を充実する」,中学校段階では,「情報モラルを身に付け」るとともに,「情報手段を適切かつ主体的,積極的に活用できるようにするための学習活動を充実する」とされている。即ち、小学校段階において、基本的な操作を確実に身に付けさせ、また、ICTを適切に活用できるようにするための学習活動を積極的に取り入れることで、中学校段階において、その基礎の上で、ICTをより「主体的、積極的に」活用できるようにするための学習活動へと発展させていくことが求められる。

 本章では,「初等中等教育の情報教育に係る学習活動の具体的展開について」(平成18年8月)で整理した,3観点の定義に基づく8要素に分類して、各学校段階に期待される情報活用能力について概要を述べることとする。

1.小学校段階

A情報活用の実践力

 「情報活用の実践力」は,「課題や目的に応じた情報手段の適切な活用」,「必要な情報の主体的な収集・判断・表現・処理・創造」,「受け手の状況などを踏まえた発信・伝達」の3つの要素からなる。
 「課題や目的に応じた情報手段の適切な活用」については,情報活用の基礎となるICTの基本的な操作を身に付けさせる。具体的には,コンピュータや,キーボード,マウスといった入力デバイスに慣れ親しませるところから始め,コンピュータやソフトウェアの起動・終了を含め,文字の入力,電子ファイルの保存・整理,インターネットの閲覧,電子メールの送受信などの基本的な操作を,一連の操作として身に付けさせ,必要なソフトウェアを選んだりする力も育てたい。なお,文字の入力については,国語科でローマ字を指導する学年が変更になった理由の一つに,児童生徒の「コンピュータを使う機会が増え」たことが挙げられていることからも,ローマ字による正しい指使いでの文字入力(タッチタイプ)を習得させる。
 「必要な情報の主体的な収集・判断・表現・処理・創造」については,様々な方法で文字や画像などの情報を収集して調べたり比較したり、文章を編集したり図形や表、グラフ、イラストなどを作成したり、調べたものをまとめたり発表したりできるようにする。
 「受け手の状況などを踏まえた発信・伝達」については,受け手の状況などを踏まえて、調べたものを要点が伝わるようにまとめたり発表したり、電子メールやテレビ会議、学校ホームページなどICTを使って交流したりできるようにする。

B情報の科学的な理解

 「情報の科学的な理解」は,「情報活用の基礎となる情報手段の特性の理解」と「情報を適切に扱ったり,自らの情報活用を評価・改善するための基礎的な理論や方法の理解」の2つの要素からなる。
 「情報活用の基礎となる情報手段の特性の理解」は,コンピュータなどの各部の名称や基本的な役割,インターネットの基本的な特性について、理解させるようにする。また,ここでは,電子ファイルには大きさや種類があることなど,ICT活用を通して得られた経験を意識的に知識として高めていけるようにすることも大切である。
 「情報を適切に扱ったり,自らの情報活用を評価・改善するための基礎的な理論や方法の理解」については,自らの情報活用を記録し,振り返り,評価を行わせることで,よりよい情報手段の活用につなげる能力を培うため,PDCAサイクルを意識させながら,「A情報活用の実践力」に関するICT活用の学習活動の過程や成果を振り返らせる。

C情報社会に参画する態度

 「情報社会に参画する態度」については,「社会生活の中で情報や情報技術が果たしている役割や及ぼしている影響の理解」,「情報モラルの必要性や情報に対する責任」「望ましい情報社会の創造に参画しようとする態度」の3つの要素に分けられる。これらは、情報や情報技術の役割・影響を理解することにより,情報モラルの必要性等への理解に至り、その上で,望ましい情報社会の創造に参画する態度を育成するという観点である。
 「社会生活の中で情報や情報技術が果たしている役割や及ぼしている影響の理解」については,情報発信による他人や社会への影響、情報には誤ったものや危険なものがあること、健康を害するような行動などについて考え、理解させるようにする。
 「情報モラルの必要性や情報に対する責任」については,ネットワーク上のルールやマナーを守ることの意味、情報には自他の権利があることなどについて考え、理解させるようにする。
 「望ましい情報社会の創造に参画しようとする態度」については,ネットワークを仲良く使ったり、情報を積極的に共有したりする態度を身に付けさせるようにする。

2.中学校段階

A情報活用の実践力

 中学校段階では,小学校段階で身に付けた基本的な操作などの基礎の上に,より主体的、積極的にICTを活用できるような能力を目指す。
 「課題や目的に応じた情報手段の適切な活用」では,コンピュータだけでなく,情報活用の目的に応じた適切なソフトの選択,周辺機器を活用したコンピュータの機能拡張など,応用的な活用能力を育てる。基本的な操作に関する知識を深め技能を高めたり、ICT機器やソフトウェアの活用の幅を広げたりできるようにする。
 「必要な情報の主体的な収集・判断・表現・処理・創造」については,課題を解決するために検索方法を工夫するなど自ら効果的なICTを選んで必要な情報を収集したり、様々な情報源から収集した情報を比較したり必要とする情報や信頼できる情報を選び取ったり傾向や規則性を見付けたり、表やグラフを組み合わせた資料の作成などICTを用いた情報処理の仕方を工夫したりできるようにする。
 「受け手の状況などを踏まえた発信・伝達」については,受け手の状況などを踏まえて、ICTを用いて情報の処理の仕方を工夫したり、自分の考えなどが伝わりやすいように表現を工夫して発表や発信ができるようにする。

B情報の科学的な理解

 「情報活用の基礎となる情報手段の特性の理解」については,コンピュータの構成と基本的な情報処理の仕組み、情報通信ネットワークにおける基本的な情報利用の仕組みについて理解することができるようにする。技術・家庭科技術分野の「ディジタル作品の設計・制作」「コンピュータを利用した計測・制御の基本的な仕組み」も含まれる。
 「情報を適切に扱ったり,自らの情報活用を評価・改善するための基礎的な理論や方法の理解」については,自らの情報活用を記録し,振り返り,評価を行わせることで,よりよい情報手段の活用につなげる能力を培うため,PDCAサイクルを意識させながら,情報活用の在り方を評価・改善させる。技術・家庭科技術分野の「情報に関する技術の適切な評価・活用」「処理手順を考え、簡単なプログラムが作成できること」も含まれる。

C情報社会に参画する態度

 「社会生活の中で情報や情報技術が果たしている役割や及ぼしている影響の理解」については,ネットワーク利用上の責任、基本的なルールや法律の理解と違法な行為による問題、健康を害するような行動などについて考え、理解させるようにする。
 「情報モラルの必要性や情報に対する責任」については,知的財産権など権利を尊重することの大切さ、基礎的な情報セキュリティ対策などについて考え、理解させるようにする。技術・家庭科技術分野の「(情報の科学的な理解の上で)著作権や発信した情報の責任を知り、情報モラルについて考えること」も含まれる。
 「望ましい情報社会の創造に参画しようとする態度」については,小学校段階で身に付けた情報モラルの基礎の上に,ネットワークをよりよいものにしたり、新しい文化の創造に寄与したりするといった態度を身に付けさせるようにする。

第3節情報活用能力を身に付けさせるための学習活動

 本節では,学習指導要領及び解説に示されている各教科等の学習活動の中で、児童生徒の情報活用能力の育成が期待される学習活動を抽出し,それらを,第1節で述べた3観点・8要素ごとに整理する。

1.小学校段階

A情報活用の実践力

(1)課題や目的に応じた情報手段の適切な活用

 コンピュータや情報通信ネットワークなどのICTの活用に当たっては、それらに慣れ親しませるところから始め、各教科等の学習活動の中で児童に積極的にICTを活用させたり、ICTの操作について基本的な操作を確実に身に付ける。

1)コンピュータやソフトウェアを起動し、キーボードやマウスに触れ、簡単な文字入力や図形描画をしたり、小学生用の検索サイトを利用してインターネット閲覧ソフト(ブラウザ)でWebサイトを表示したり、ディジタルカメラを使って写真を撮影したりすることなどが考えられる。

2)文字入力や図形描画した結果を電子ファイルの保存に保存したり、電子メールのを送受信するなどのICTの基本的な操作を身に付けていけるように指導していく必要がある。
 課題や目的に応じ、児童生徒が自ら、コンピュータやソフトウェアを起動し、正しく終了できることと併せて、一連の操作として身に付けさせる。

○文字の入力
 ローマ字表記の学習時期を考慮して、キーボード上のキーと指の位置の関係をふまえながら文字入力ができる。

【国語科における具体例】

  •  ローマ字の学習との関連で、コンピュータのキーボードを使ってローマ字入力の基本的な操作ができるようにする。

○電子ファイルの保存
 電子ファイルに適切な名前を付けて、指定された場所に保存できるようにする。また、フォルダを作って電子ファイルを整理できる。

【国語科における具体例】

  •  ローマ字入力で作成した文書を適切なファイル名を付けて保存し、これにより入力を続けたり編集ができるようにする。

【総合的な学習の時間における具体例】

  •  横断的・総合的な学習や探求的な学習における「情報の収集」の学習で、収集した情報をファイルに保存し、必要に応じてフォルダを作って整理することができるようにする。

○インターネットの閲覧
 小学生用の検索サイトを利用し、必要に応じて検索語をローマ字入力して検索し、必要なWebページを閲覧できる。

【図画工作科における具体例】

  •  「自分たちの作品,我が国や諸外国の親しみのある美術作品,暮らしの中の作品などを鑑賞して,よさや美しさを感じ取る」学習との関連で、インターネットで美術作品に関する情報を検索して、目的のWebページを閲覧できるようにする。

【家庭科における具体例】

  •  「家庭生活と家族」「日常の食事と調理の基礎」「快適な衣服と住まい」「身近な消費生活と環境」「購入しようとする物の品質や価格」などの学習との関連で,必要な情報をインターネットで検索して、目的のWebページを閲覧できるようにする。

【総合的な学習の時間における具体例】

  •  横断的・総合的な学習や探求的な学習における「情報の収集」の学習過程で、課題の解決に必要な情報をインターネットで検索して、目的のWebページを閲覧できるようにする。

○電子メールの利用
 ローマ字表記の学習時期を考慮して、メールソフトあるいはWebベースのメール機能を利用して、簡単なメールを送ったり受け取ったりできるようにしする。必要に応じて、複数の宛先への同時送信やファイルの添付などができる。

【総合的な学習の時間における具体例】

  •  横断的・総合的な学習や探求的な学習における「まとめ・表現」の学習の過程で、電子メールを使った情報伝達の方法を身に付ける。
(2)必要な情報の主体的な収集・判断・表現・処理・創造

 調べ学習などの活動を通して、情報をインターネット等を利用して収集し、必要な情報であるか等を判断し、それを基に適切な方法で表現したり処理したりする。

【国語科における具体例】

  •  書く事柄を収集する活動に関連して、インターネット等様々なメディアを利用して情報を収集し、その信ぴょう性などを判断し、目的に応じて情報を処理したり表現したりできるようにする。

【社会科における具体例】

  •  国内の食料生産の盛んな地域について調べる際に,インターネットで生産地が発信する情報を基に、わかりやすい形にまとめられるようにする。
  •  
  •  我が国の産業について調べる時に,地図や統計,写真などの資料を活用したり,従事する人に聞き取り調査したり,インターネットなどで学習内容に関する情報を集めたりして,表計算ソフトなどを利用してわかりやすくまとめることができる。

【理科における具体例】

  •  「観察,実験の結果を整理し考察する」学習のときに、観察記録や実験データを表計算ソフトに入力し,表に整理したりグラフ化したりする活動を通して、情報を処理したりわかりやすく表現したりすることができる。

【総合的な学習の時間における具体例】

  •  横断的・総合的な学習や探求的な学習における「情報の収集」の学習過程で、課題の解決に必要な情報をインターネット等を利用して収集できる。
  •  横断的・総合的な学習や探求的な学習における「まとめ・表現」の学習過程で、調査した結果をレポート、新聞、ポスター等にまとめることができる。
(3)受け手の状況などを踏まえた発信・伝達

 受け手の状況などを踏まえて、情報を発信したり伝達したりする。

【社会科における具体例】

  •  他地域の様子について学習する時に,電子掲示板,電子メール,テレビ会議などを利用して情報を情報交換する場合に、受け手のことを考えられる。

【生活科における具体例】

  •  「自分たちの生活や地域の出来事を身近な人々と伝え合う活動を行い、身近な人々とかかわることの楽しさが分かり、進んで交流することができる」の学習に関連して、交流の際に相手のことを考えて情報のやりとりができる。

【外国語活動における具体例】

  •  「海外の人々と交流する」学習に関連して、情報通信ネットワークを活用して,児童がインターネットを通じて海外の学校などと交流を行う際に、相手の状況を考えることができる。

B情報の科学的な理解

(1)情報活用の基礎となる情報手段の特性の理解

 コンピュータやインターネット等の情報手段の特性を理解する。

【総合的な学習の時間における具体例】

  •  コンピュータが扱うデータには大きさがあり,ファイルサイズや転送速度に影響することが理解できる。
  •  コンピュータには,繰り返しの処理を高速にできたり,自動化することができるという特性があることを理解できる。
(2)情報を適切に扱ったり,自らの情報活用を評価・改善するための基礎的な理論や方法の理解

 情報活用について評価し改善することの意味や重要性を理解する。

【総合的な学習の時間、その他全教科における具体例】

  •  自らの情報活用について記録し,評価し,改善する方法を理解できる。

C情報社会に参画する態度

 「情報社会に参画する態度C」は、(1)情報や情報技術の役割・影響と、その上で(2)情報モラルの必要性等を理解させ、(3)望ましい情報社会の創造に参画する態度を育成するという観点である。情報モラル教育に深く関わる内容であり、指導例等の詳細については第5章で述べることとする。

(1)社会生活の中で情報や情報技術が果たしている役割や及ぼしている影響の理解

 情報や情報技術の果たす役割や及ぼす影響に関し、情報発信による他人や社会への影響、情報には誤ったものや危険なものがあること、健康を害するような行動などについて考え理解する。

【社会科における具体例】

  •  身の回りでの情報の使われ方を調べ,情報化の進展は,国民の生活に大きな影響を及ぼしていることを理解できる。
  •  情報産業についての学習で,その具体的内容を調べ,情報が私たちの生活の中で果たしている役割を理解できる。
(2)情報モラルの必要性や情報に対する責任

 情報モラルの必要性や情報に対する責任に関し、ネットワーク上のルールやマナーを守ることの意味、情報には自他の権利があることなどについて考え理解する。

【国語科における具体例】

  •  説明文を読み取り,要約をする学習活動の中で,著作権に配慮して引用する部分と自分の意見を区別することを理解できる。

【社会科における具体例】

  •  Webページの中には学校では閲覧できないものがあることを知り,それらは不適切な情報や有害な情報であることを理解できる。

【道徳における具体例】

  •  「インターネットは人間関係に負の影響を及ぼすことがあることに気付かせる」の学習に関連して、掲示板に友達の悪口を書いたことで相手が自殺したり不登校になったりした事件の新聞記事を題材に,お互いの気持ちや適切な態度・行動を考え,話し合う活動を通して、責任ある情報発信をすることの重要性を理解できる。
  •  「法やきまりのもつ意味などについて児童が考えを深める」学習のときに、コピーした音楽CDをもらった場合の気持ちを話し合う活動を通して、著作者の権利を守る意味を理解できる。

【総合的な学習の時間における具体例】

  •  情報に関する学習のときに、インターネットには不正な情報や有害な情報があることに気づく学習活動を通じて、不適切な情報に正しく対処できる方法を理解できる。
  •  情報に関する学習のときに、個人情報の大切さに気づく学習活動を通じて、自他の個人情報を守ろうとする態度の重要性を理解できる。
  •  情報に関する学習のときに、情報発信には責任が伴うことに気づく学習活動を通じて、責任ある情報発信や相手を思いやるコミュニケーションを理解できる。
(3)望ましい情報社会の創造に参画しようとする態度

 社会が情報化されていることを理解し、その中で望ましい社会を作ることの重要性を理解する。

【総合的な学習の時間、社会科における具体例】

  •  メディアからの情報には発信者の意図と背景があることを理解し,情報を受ける側が情報の判断をする必要があることを理解できる。

2.中学校段階

A情報活用の実践力

(1)課題や目的に応じた情報手段の適切な活用

 中学校段階では、小学校段階で身に付けた基本的な操作に関する知識を深め技能を高めたり、情報機器やソフトウェアの活用の幅を広げたりできるようにする。

【国語科における具体例】

  •  材料を集めて自分の考えをまとめる学習で,図書,コンピュータやインターネットなど複数のメディアを利用して集めた情報を選択して使い分けることができる。
  •  材料を集めて自分の考えをまとめる学習で,図書,コンピュータやインターネットを活用して集めた情報から選び,ワープロソフトやプレゼンテーションソフトを使って,報告書を作ったり発表をしたりできる。

【理科における具体例】

  •  「課題解決のために探究する」の学習に関連して,テーマに関する情報を適宜記録して整理し,図書室,博物館,インターネットなどを活用して調べ、目的に応じて適切に情報手段を選択できる。

【技術・家庭科〔家庭分野〕における具体例】

  •  「食生活と栄養,献立と食品の選び方,調理について」の学習に関連して、栄養管理ソフトなどを利用して栄養に配慮しながら献立や食品選びができる。
  •  「衣服の種類や組合せ,配色などを工夫する」の学習に関連して,ソフトウェアを利用して衣服の配色などによる効果をコンピュータ画面で確認できる。
  •  住空間を想像する学習に関連して、ソフトウェアを利用して間取りなどをコンピュータで確認して、住居の機能と住まい方を検討することができる。
(2)必要な情報の主体的な収集・判断・表現・処理・創造

 効果的な情報手段を選んで必要な情報を収集したり、様々な情報源から収集した情報を比較し必要とする情報や信頼できる情報を選んだり、情報の処理の仕方を工夫したりできるようにする。

【国語科における具体例】

  •  課題を設定して話す学習で,プレゼンテーションソフトや,ディジタルカメラ,グラフ作成ソフトなどを活用し,伝えたいことをはっきりとさせ,それを伝えるために必要な資料を集め,伝えることができる。

【社会科における具体例】

  •  日本や世界の諸地域の諸事象について調べる学習で,地図や統計,写真などの資料を活用したり,インターネットなどで学習内容に関する情報を集めたりしたデータを集計,整理し,その傾向や特徴を考えることができる。

【数学科における具体例】

  •  インターネットで「目的に応じて資料を収集」する学習の際、複数のサイトで調べたり,官公庁等公式なサイトで調べたりする活動を通して、情報の信頼性を判断できる。
  •  「三平方の定理の証明方法,江戸時代の和算や算額の問題など,数学に関する歴史的な事柄について調べたり,統計にかかわる資料を集めたり」する学習において、インターネットで検索する活動を通して、必要な情報の主体的な収集・判断・処理をすることができる。
  •  「大量の資料を整理する場合や大きな数,端数のある数を扱う場合」に,表計算ソフトに入力し,処理したグラフ等の結果を基に資料の傾向を読み取ったり予測したりすることができる。

【理科における具体例】

  •  「課題解決のために探究する」学習の際に,テーマに関する情報をインターネットで調べる学習活動を通して、必要な情報を収集したり判断したりできる。
  •  「観察,実験の結果を分析し解釈する」学習の際、データ処理の段階でデータを表計算ソフトを利用して表に整理したりグラフ化したりして分析や解釈を容易にすることができる。

【美術科における具体例】

  •  「作品などに対する思いや考えを説明し合う」学習の際、興味・関心をもった美術について,調べた文章や収集した画像をプレゼンテーションソフトでレイアウトして、情報を組み合わせて表現できる。

【保健体育科における具体例】

  •  器械運動やダンスで自分たちの動きの質を高めるために,ディジタルカメラやビデオカメラで記録し,そのデータを活用して考えることができる。
  •  球技の学習で,取り組む競技のルールや戦術について,チームの計画を立てたり,試合のための作戦を立てるために,効果的にインターネットで検索して調べることができる。

【総合的な学習の時間における具体例】

  •  横断的・総合的な学習や探求的な学習における「情報の収集」の学習過程で、課題の解決に必要な情報を観察、実験、見学、調査、探索、追体験などで収集する学習活動を通じて、効果的に情報を収集できる。
  •  横断的・総合的な学習や探求的な学習における「整理・分析」の学習過程で、数値化された情報をコンピュータを使って統計的な手法でグラフにする学習活動を通じて、情報を比較したり必要とする情報や信頼できる情報を選び取ったりできる。
(3)受け手の状況などを踏まえた発信・伝達

 受け手の状況などを踏まえて、ICTを用いて情報の処理の仕方を工夫したり、自分の考えなどが伝わりやすいように表現を工夫して発表したり情報を発信したりできるようにする。

【国語科における具体例】

  •  各自が決めた課題について,図書,コンピュータやインターネットを活用して材料を集めて,自分の考えをまとめて伝えるために,伝える相手にわかりやすい資料を作成することができる。
  •  各自の課題について,調べて発表する学習で,プレゼンテーションソフトや,デジタルカメラ,グラフ作成ソフトなどを活用し,資料や機器などを効果的に活用して伝えることができる。

【美術科における具体例】

  •  「伝えたい内容を多くの人々に伝えるために,形や色彩などの効果を生かして分かりやすさや美しさなどを考え,表現の構想を練る」学習のとき、プレゼンテーションソフトのスライドを利用して,図や色,文字の大きさや配置などを工夫してポスターをつくる学習を通して、文字や写真、色等を組み合わせて表現できる。

【外国語活動における具体例】

  •  「海外の人々と交流する」学習のときに,情報通信ネットワークを活用して,生徒がインターネットを通じて海外から情報を収集したり,電子メール等を活用することができるようにする。

【総合的な学習の時間における具体例】

  •  横断的・総合的な学習や探求的な学習における「まとめ・表現」の学習過程で、分かったことや考えたことを、学級の友達や保護者、地域の人々、専門家などに分かりやすく伝えることができる。

B情報の科学的な理解

(1)情報活用の基礎となる情報手段の特性の理解

 小学校段階で身に付けた知識等を基に、コンピュータの構成と基本的な情報処理の仕組み、情報通信ネットワークにおける基本的な情報利用の仕組みについて理解することができるようにする。

【技術・家庭科〔技術分野〕における具体例】

  •  「コンピュータを構成する主要な装置と,基本的な情報処理の仕組み,情報をコンピュータで利用するために必要なディジタル化の方法と情報の量の関係について」の学習のときに,コンピュータ内部を観察したりインターネットを活用した資料収集などを行い,収集した情報をまとめることができる。
  •  「情報通信ネットワークの構成について」の学習のときに,コンピュータを活用して,サーバや端末,ハブなどの機器及び光ファイバや無線などの接続方法に加えて,TCP/IPなどの共通の通信規約が必要なことについて調べたり,「安全に情報を利用するための基本的な仕組みについて」の学習のときに,コンピュータを活用して,ID・パスワードなどの個人認証とともに,フィルタリング,ウイルスチェック,情報の暗号化などについて調べたりすることができる。
  •  「コンピュータを用いた計測・制御の基本的な仕組み」の学習のときに,身近な電気機器を例に計測・制御システムについてインターネットを活用して情報を収集し,センサ,コンピュータ,アクチュエータなどの要素で構成されていることや,計測・制御システムの中では一連の情報がプログラムによって処理されていることについて調べたりすることができる。
  •  「広く一般に公開するためのWebページ,校内で発表するためのプレゼンテーション,個人で楽しむアニメーションなどのディジタル作品を制作する」の学習に関連して,情報を発信する場面に応じた方法や,伝えたい内容を表現するために必要なメディアに応じた方法を選択し,設計に基づき多様なメディアを複合するなど工夫する能力を育成することができるようにする。
(2)情報を適切に扱ったり,自らの情報活用を評価・改善するための基礎的な理論や方法の理解

 収集した情報の信頼性を吟味したり、多様なメディアを効果的に活用したり、情報処理の手順を振り返り評価したりする活動を通じてよりよい情報活用を行うための改善ができる。

【国語科における具体例】

  •  各自の課題について調べ発表する学習で,資料の収集の際に,インターネットや図書室の本の情報を,その情報について吟味して活用できる。

【美術科における具体例】

  •  「写真・ビデオ・コンピュータ等の映像メディアの積極的な活用を図るようにする」学習の際、多様なメディアを活用して作品を制作する活動を通して、メディアを適切に活用して表現できる能力を身に付ける。

【技術・家庭科〔技術分野〕における具体例】

  •  「情報処理の手順を考え,簡単なプログラムを作成する」学習のときに,情報処理の手順には,順次,分岐,反復の方法があることを知ることができる。センサからコンピュータ,そしてアクチュエータという情報の流れを生徒が理解しやすいものを計測・制御の対象とし,目的や条件に応じて,情報処理の手順を工夫する能力を育成するとともに,簡単なプログラムを作成することができる。
  •  「実際に表現・発表する」学習のときに,完成した作品について,表現や発信したい内容が伝わったか,著作権等を守っているかなどの視点から評価し改善することができる。

C情報社会に参画する態度

 「情報社会に参画する態度C」は、(1)情報や情報技術の役割・影響と、その上で(2)情報モラルの必要性等を理解させ、(3)望ましい情報社会の創造に参画する態度を育成するという観点である。情報モラル教育に深く関わる内容であり、指導例等の詳細については第5章で述べることとする。

(1)社会生活の中で情報や情報技術が果たしている役割や及ぼしている影響の理解

 情報や情報技術の果たす役割や及ぼす影響に関し、ネットワーク利用上の責任、基本的なルールや法律の理解と違法な行為による問題、健康を害するような行動などについて考え理解する。

【社会科における具体例】

  •  現代の社会的事象を調べる学習において,情報化の進展によって人々の生活の向上が図られていることを具体的に調べ,情報技術の発展により社会生活や家庭生活の利便性が図られ,変化していることを理解できる。

【技術・家庭科〔技術分野〕における具体例】

  •  「情報に関する技術が社会や環境に果たしている役割と影響について」の学習に関連して,コンピュータを活用して,情報に関する技術が多くの産業を支えるとともに,社会生活や家庭生活を変化させてきたこと,また,これらの技術が自然環境の保全にも貢献していることを理解できる。
  •  「安全に情報を利用するための基本的な仕組みについて」の学習のときに,コンピュータを活用して,ID・パスワードなどの個人認証とともに,フィルタリング,ウイルスチェック,情報の暗号化などについて調べたりすることができる。
(2)情報モラルの必要性や情報に対する責任

 情報モラルの必要性等に関し、知的財産権など権利を尊重することの大切さ、基礎的な情報セキュリティ対策などについて考え、理解させる。技術・家庭科技術分野の「(情報の科学的な理解の上で)著作権や発信した情報の責任を知り、情報モラルについて考えること」も含まれる。

【社会科における具体例】

  •  現代社会の特色を考える学習で,情報ネットワークの利便性に目を向け,情報を有効に活用しながら生活する必要があることや,情報の送り手として発信する情報に責任を持つ必要があることを理解できる。

【音楽科における具体例】

  •  「音楽に関する知的財産について、必要に応じて触れるようにする」学習に関連して,鑑賞に用いられる音楽やインターネットから配信される音楽は「知的財産権」の一つである著作権で保護されているので,著作権者の許諾なしに利用してはいけないことを理解できる。

【美術科における具体例】

  •  「美術の表現の可能性を広げるために,写真・ビデオ・コンピュータ等の映像メディアの積極的な活用を図る」の学習に関連して、他者の著作物やキャラクターを使って作品を制作する場面では,著作権等の知的所有権などの権利の尊重に配慮できる。

【技術・家庭科〔技術分野〕における具体例】

  •  「著作権や知的財産を保護する必要性,情報の発信に伴って発生する可能性のある問題と,発信者としての責任について」の学習に関連して,情報通信ネットワーク上のルールやマナーの遵守,危険の回避,人権侵害の防止等,情報に関する技術の利用場面に応じて適正に活動できる。

【保健体育科における具体例】

  •  心身への影響のある行為についての学習の中で,情報機器を,長時間使った時の心身への状況を調べ,望ましい情報機器やインターネットの使い方について考えることができる。
  •  知的機能,情意機能,精神機能の発達について学習する中で,健康を害する情報がインターネット上にはあることを学び,適切な対処の仕方を考えることができる。

【道徳における具体例】

  •  「法やきまりのもつ意味などについて生徒が考えを深める」学習のときに、コピーした音楽CDをもらった場合の気持ちを話し合う活動を通して、著作者の権利を守ることができる。
  •  「インターネットは人間関係に負の影響を及ぼすことがあることに気付かせる」学習のときに、掲示板に友達の悪口を書いたことで相手が自殺したり不登校になったりした事件の新聞記事を題材に,お互いの気持ちや適切な態度・行動を考え,話し合う活動を通して、責任ある情報発信をすることができる。
(3)望ましい情報社会の創造に参画しようとする態度

 ネットワークをよりよいものにしたり、新しい文化の創造に寄与したりするといった態度を身に付けさせる。

【国語科における具体例】

  •  各自の課題を決めて調べ,発表する学習で,インターネットや新聞,図書室の本などの情報は,編集されたもので,発信者の意図があることを知った上で活用できる

【社会科における具体例】

  •  現代の社会的事象について調べる学習の中で,マスメディアの働きや,それを通して送り出された情報が国民生活に大きな影響を及ぼしていることを調べ,情報を受け取る側の正しい判断の必要性などについて考えることができる。

【技術・家庭科〔技術分野〕における具体例】

  •  「情報に関する技術が社会や環境に果たしている役割と影響について」の学習のときに,コンピュータを活用して,情報に関する技術が多くの産業を支えるとともに,社会生活や家庭生活を変化させてきたこと,また,これらの技術が自然環境の保全にも貢献していることについて調べたことをまとめ,よりよい社会を築くために,情報に関する技術を適切に評価し活用する能力と態度を育成することができる。

【総合的な学習の時間における具体例】

  •  他者と協同して取り組む学習において、グループや集団で学習活動を進めることや、地域の人や専門家など校外の人と交流する学習を通じて、情報を多面的に活用したり協力し合って情報を活用したりすることの大切さに気づくことができる。

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