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資料1

脳科学が幼児教育に示唆すること

理化学研究所脳科学総合研究センター 津本忠治

  • 脳の構成要素と発達にともなう変化
  • 発達期神経回路の冗長性・・脳の設計原理
  • 生後環境による神経回路の変化と感受性期
  • 幼児期の訓練、学習による脳の変化
  • 母語発達、第2言語習得の感受性期
  • 顔ニューロン、顔認知の意義とその生後発達
  • 幼児期虐待と反社会的行動との関係性

まとめ

  1. 発達期に脳の構成要素は余分に作られ、冗長な神経回路網が形成される。
  2. 冗長な回路にはシナプス競合が生じ、良く使う回路は強化され使わない回路は脱落する。
  3. この変化は感受性期(臨界期)と呼ばれる生後発達の特定の時期に生じ易い。
  4. 幼児期からの楽器演奏などの練習や訓練は脳に変化を起こすが、この変化は一定の年齢を過ぎると生じにくくなる。
  5. 第2言語の習得にも感受性期が存在する可能性が高い。
  6. 大脳皮質には顔ニューロンが存在する。その機能発現は生得的と思われるが、顔が表す情動の察知には生後体験が重要。
  7. 幼児期の虐待体験はその後相手の表情への注意異常や反社会的行動に繋がる可能性がある。