2．「指導が不適切である」教諭等の把握及び報告・申請の流れに関する論点とこれまでの主な意見（例）

（事実の確認の方法）

• 　「指導が不適切である」との事実の確認に当たっては，例えば，校長による日常的な観察，指導主事等による観察又は事情聴取等により，学校での指導状況，保護者からの意見や苦情，校内での改善方策の成果等について的確に把握することが重要である。

指導状況の把握

報告・申請

• 　校長は，校内での対応だけでは十分な指導の改善が見込まれないと判断した場合には，「指導が不適切である」教諭等に該当するか否かの判断を行い，任命権者である教育委員会に報告・申請を行うこととなる。
• 　県費負担教職員の場合については，校長から市町村教育委員会に対して報告を行う。市町村教育委員会は，必要な指導，助言を行うとともに，必要な要件を満たしていると考える場合には，都道府県教育委員会に対して申請を行うこととなる。
• 　指導を改善させ，学校へ復帰するためには，早期に対処することが重要であることから，指導が不適切である教諭等を把握した場合には，校長は，速やかに報告・申請を行うことが重要である。
• 　学校から教育委員会への報告・申請は，校長の権限と責任において行われるものであるが，例えば，校長による報告書・申請書に，校長以外の教頭や主幹教諭等による評価結果を添付することも，客観性を高めるための運用上の工夫として考えられるのではないか。
• 　報告・申請に係る手続として，次のようなものが一般的であるが、工夫すべき点はあるか。
  • 　任命権者である教育委員会において，校長が「指導が不適切である」教諭等に該当するか否かを判断する材料となる，教諭等の指導状況や具体的行動等に係る観点及び評価項目を設定する。
  • 　校長は，上記の観点及びその評価項目にどの程度該当するかを確認した上で，評価を実施する。
  • 　校長は，上記の評価結果に基づいて，学校内の対応だけでは十分な指導の改善が見込まれないと判断した場合，任命権者である教育委員会に対して報告・申請を行う。

報告・申請に係る教育委員会の支援

• 　校長が「指導が不適切である」教諭等の認定に係る報告・申請を行うにあたり，相当の負担がかかることに配慮し，教育委員会は適切かつ速やかに校長から報告・申請がなされるよう，校長と連携し支援することが求められる。その支援の一例として，指導主事や管理主事，校長経験のある職員が学校訪問を行い，校長とともに「指導が不適切である」か否かの判断を行うことが考えられるのではないか。
• 　報告・申請に当たっては，実際に，校長等が授業観察等を踏まえ，評価を行うこととなるが，その際過度な負担とならないよう配慮することが重要である。例えば，任命権者である教育委員会が，校長に対し，認定に必要となる観点や評価項目等を示し，予め評価のポイントとなる点や記入例，記録の目安等を整理して明示しておくことも校長の負担軽減につながると考えられるのではないか。