各種会議における外国人児童生徒に関わる主な提言の抜粋中央教育審議会○「教育振興基本計画について」(答申)(平成20年4月18日)第3章 今後5年間に総合的かつ計画的に取り組むべき施策(3)基本的方向ごとの施策基本的方向2 個性を尊重しつつ能力を伸ばし,個人として,社会の一員として生きる基盤を育てる特別なニーズに対応した教育を推進する改正教育基本法第4条第2項において,障害のある者への教育上の支援について新たに規定された。障害のある幼児児童生徒の自立や社会参加に向けた主体的な取組を支援するという視点に立ち,幼児児童生徒一人一人の教育的ニーズを把握し,その持てる力を高め,生活や学習上の困難を改善又は克服するため,適切な指導及び必要な支援を行う特別支援教育を推進する。あわせて,外国人児童生徒など,特別なニーズを有する者に対応した教育を推進する。
規制改革・民間開放推進会議○「規制改革推進のための3か年計画」(平成19年6月22日)重点計画事項9 国際経済連携(2)国境を越えた「ヒト」の円滑な移動のための法整備在留外国人の入国後のチェック体制の強化
外国人労働者問題関係省庁連絡会議○「「生活者としての外国人」に関する総合的対応策」(平成18年12月25日了承)2.外国人の子どもの教育の充実 外国人の子どもは、希望すれば公立の義務教育諸学校で無償で教育を受けることができる。しかし、日本語能力が十分でないため、日本語による授業を理解できない者や、就学しない者が少なからず存在することが指摘されている。外国人の子どもの教育は、日本における生活の基礎となるものであり、その充実のため、積極的な取組が必要である。 【対策】(1)公立学校等における外国人児童生徒の教育の充実 日本語を母語としない外国人児童生徒が日本語で学習に参加する力を育成するため「JSL(Japanese as a second language 第二言語としての日本語)カリキュラム」の開発を進めている。すでに小学校編を作成しているが、平成18年度中に中学校編を完成させる。 (2)就学の促進 外国人の子どもの就学促進を図るため、関係機関と連携しての就学支援の実践研究を行うとともに、就学啓発資料の作成、フォーラム開催等により、その成果を活用し、地域における就学支援体制を構築する。(外国人の生活環境適応加速プログラム) (3)外国人学校の活用、母国政府との協力等 平成16年に各種学校の認可基準が緩和され、外国人学校についても各種学校の設置認可が受けやすくなったところであり、その趣旨等について今後とも更なる周知を行う。 初等中等教育における国際教育推進検討会○「初等中等教育における国際教育推進検討会報告−国際社会を生きる人材を育成するために−」(平成17年8月3日)第3章 国際教育の充実のための具体的方策1.学校教育活動における国際教育の充実(4)外国人児童生徒教育の充実
外国人の子どもたちへの教育については、従来より、日本語指導等に対応する教員の配置、母語のわかる指導協力者の派遣、JSL[Japanese as a Second Language:第二言語としての日本語]カリキュラムの開発、日本語指導者に対する講習会など、必要な支援が行われてきた。 〈日本語指導等の充実〉 今後とも、日本語指導の内容充実や指導方法を改善するため、日本語指導等に対応する教員の配置、教員に対する実践的研修の実施、JSLカリキュラムの普及などを通じ、外国人児童生徒の日本語能力の向上や学校生活への適応を着実に図っていくことが必要である。あわせて、母語を活用した教育支援が、日本語指導・適応指導の両面で効果的なことから、母語が理解できる人材を指導協力者や教育相談員等学校支援スタッフに登用するなど、受入体制の充実を図ることが求められる。 〈関係機関の連携促進〉外国人の子どもたちを取り巻く環境は、保護者の意識、経済状況や来日前の学習歴など多様である。このため、子どもたちの教育環境の整備に当たっては、教育機関のみで取り組むことは容易ではなく、入国管理面や労働環境面など関係機関との一層の連携が不可欠である。従来より、市町村での外国人登録の際、公立学校への編入学に関する情報を提供するなど、地方公共団体内で必要な連携が図られているところであるが、外国人の子どもたちの教育環境の一層の充実のためには、関係省庁や地域の関係機関の密な連携が期待される。 〈外国人児童生徒と共に進める国際教育〉各学校においては、外国人児童生徒の母語や母文化を紹介し、国際理解を進めるという取組が行われている。このような取組は、外国人児童生徒にとっては達成感、存在感等の涵養に資し、その他の児童生徒にとっては異文化・異言語に身近に接することができ、教育上の効果も大きい。外国人児童生徒の異文化性を過度に強調してしまうことがないよう、児童生徒一人一人の実態を十分に踏まえ、学級運営において必要な配慮や継続的な指導を行いながら、取り組むことが必要である。児童生徒がお互いの違いを理解・尊重し、対等な立場で意見や考えを述べ、また協力しあう関係を構築するという「共に進める」視点をもち、今後とも、外国人児童生徒とその他児童生徒との相互理解を通じた国際教育を推進していくことが大切である。 外国人の子どもたちも日本人の子どもたち同様、国際社会に生きる人材として育成していかなければならない存在である。自立して学び働くことのできる学力の育成とともに、国際社会に通用する態度・能力を有する人材として育成していくことが求められる。その際、母語・母文化を尊重し、家庭や地域の諸活動を通じてその保持・伸長がなされるよう配慮していくことも大切である。 |
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